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喪失もの

 「あなたの大切なものは何でしょうか?」家族?恋人?親友?仕事道具?自宅?お金?数え上げたらきりがない。両手に指では数え切れない。枚挙にいとまがない。それだけ大切なものが沢山ある。喪失したくない。喪失させたくない。
 正月の二日間。テレビの画面越しから大切な人・大切なものが喪失する人々を見つめていた。一日目は地震・土砂崩れで飲み込まれ崩壊する家屋。炎が朝一を燃やし尽くす姿をテレビの画面越しから見つめた。被災者が大切な人・大切なものを喪失する姿は辛かった。当事者でもないのに大切な人・大切なものが喪失した気持ち。涙が幾重にもポロポロ流れる。止まらない涙。もう見るのがしんどい。苦しくてテレビの電源を消した。
 二日目。夕食時のニュース番組の速報。空港での衝突事故。炎が拡大される航空機。「乗客・乗員の安否は大丈夫かな?」不安な心。何分か経過した後「乗客・乗員は無事」「海上保安庁の航空機の乗員が死亡」したことを知る。せめて全員無事がよかったのに。叶わぬ願い。
 冥福を祈った。

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