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「ときどき、散歩」

中学、
校庭。

木造の校舎と広い運動場が紅く染まっていく。
野球道具の片付けの時、

ピーター・ポール&マリー(PPM)の
「500マイルを離れて」が流れてきくる。
下校時刻だ。

一瞬にしてスーーッと、
昼休みの、あの時を思い出した。

隣のクラスの女の子が軽快に走り去って行ったことを。
気分は部活後じゃなく、昼休みの、あの時の浮いたドキドキ感を。

チラッと僕を見た、爽やかな笑顔の女の子は、
ーーー今、この時、この同じ時刻に、

「どこに居るんだろうなぁ〜」
と想うと、淋しくなった。

「オーイ、早よ、せーよ!!」と同輩が声を掛けた。

「500マイルを離れて」を聞くと心が騒つく。

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