見出し画像

モスクワを舞台にしたモスクワさんの物語「幸福なモスクワ」

<文学(73歩目)>
モスクワを舞台にしたモスクワさんの物語。でも、とても普遍の「愛(love)」が描かれています。
一言で言って、とても心に効く作品です。

幸福なモスクワ
アンドレイ・プラトーノフ (著), 池田 嘉郎 (翻訳)
白水社

「73歩目」はロシアで最も好きな作家の一人のアンドレイ・プラトーノフさんの未完の長編。

アンドレイ・プラトーノフさんは、19世紀末から20世紀半ばの旧ソ連を代表する作家の一人です。

社会主義の理想を望み、その後は理想との格差に悩み、夢が破れた中でスターリンに批判されながら作品を模索。ギリギリのところで発表しながら、「夢破れた理想家」として数々の作品を描いています。

この作品は一言で言って、あ~こんな方法で、社会主義の失敗を暗に批判しながら「愛(love)」を描くことが出来るのだなぁ。とまさに感嘆しました。

読むと、モスクワが舞台の主人公もモスクワさんというロシア的な作品ながら、とても普遍的なところが突いてきます。

何だか、その後の「アメリカの作品」「ヨーロッパの作品」、そして「日本の作品」でも描かれる根本的な「愛(love)」が見事に描かれている。

なんか、まるで違うのですが、「夢破れて レミゼラブル」の音楽を聴きながら深く味わってみました。

プラトーノフさんのこの作品は、戯曲にも優れていて、舞台を変えたら現代日本を舞台にしても描ける。
すごい作品です。

プラトーノフさんの作品にガツンと来たら、「プラトーノフ作品集 岩波文庫」がおススメです。

#読書感想文 #わたしの本棚 #幸福なモスクワ #ミノタウロス #アンドレイ・プラトーノフ #プラトーノフ #池田嘉郎 #白水社 #モスクワ #スターリン #社会主義 #モスクワ・チェスノワ #革命 #共産主義 #ソ連 #ソヴィエト #ショーロホフ #ユートピア #文芸 #小説

この記事が参加している募集

読書感想文

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?