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千葉県船橋市を舞台にしたSFエンターテイメント「月の落とし子」

<SF(60歩目)>
船橋市の「アド街」になる作品です。土地勘あると、他人事ではなくなります。

月の落とし子
穂波 了 (著)
早川書房

「60歩目」は、船橋住にも、そして千葉県好きにもご地元SF作品として、突いてくる作品でした。
なかなか取材が細かいと感じました。

出だしは、いきなり「星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホーガン」みたいになるのかな?と思ってしまいました。月世界を舞台にした描写がいいです.

その後、一気に千葉県船橋市にもっていく。そこでこの作品は、ウイルスをめぐるパニックSF作品であったと気づきました。

ただ、大きな広がりではない。
関東住の私にとっては、いやにリアルに感じる作品でした。
特に船橋市にかかわるところ。とてもリアルで船橋を知る人間にとっては他人事には思えない楽しさがありました。

そして登場人物も、私たちと変わらない等身大の日本人。
そのために、ドラマの様に感情移入してしまう。

科学的なことに拘泥する(SF者にありがち)ではなく、人間ドラマのエンターテインメントとして読まれると、リーダビリティよく入っていけます。
一つ、驚いたことはコロナ禍前にコロナ禍を予想するような展開であること。

それでも、人類は「愛(love)」を捨てられないし、「愛(love)」に生きるのが人類。

ヒーローらしきヒーローではないが、それこそリアルにある世界。冒頭の宇宙飛行士ミッションの箇所よりも、船橋での展開が私を突きました。

精緻に描かれた宇宙での展開から、地上に戻っての展開になるところに唐突感あるけれど、穂波了さんにはこれからもリーダビリティよい作品を発表してもらいたいと思いました。

穂波了さん、期待します。 

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