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「抗う」ことって、人間性を保つことになる「供述によるとペレイラは…」

<文学(5歩目)>
不穏な社会で、普通の人が「抗う」とは。

供述によるとペレイラは…
アントニオ・タブッキ (著), Antonio Tabucchi (原名), 須賀 敦子 (翻訳)
白水社

「5歩目」はポルトガルのリスボンを舞台にした「抗う」ことにより、人間性を保つことの大切さが描かれている作品です。

アントニオ・タブッキさんの、この作品が何故普遍的なのか?

それは、まさに「理不尽」なことにかかわる場合の大半の抵抗はレジスタンスの闘士になることではなく(この方が、よりダイナミックになるとは思うし、小説も描きやすい)、主人公のペレイラ氏の様な良心をもっての「抗い方」になると思うから。

マッチョに鍛えるだけではなく、常に「良心」を忘れない限り人間はまだ救われると思いました。

また、この作品の文体はとても印象的です。何気ない文体が、読むと脳裏に刻まれます。

何年も「残る作品」ってこんな感じなのだな。と勉強になりました。

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