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令和6年春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況について

令和6年春の全国交通安全運動は、4月6日(土)から4月15日(月)までの10日間、3点を全国重点と、必要に応じて地域の交通事故実態等に即した重点を定めて実施された。
その結果が警察庁から発表されたので読み解くことに。


|全国重点

・「こどもが安全に通行できる道路交通環境の確保と安全な横断方法の
 実践」
・「歩行者優先意識の徹底と「思いやり・ゆずり合い」運転の励行」
・「自転車・電動キックボード等利用時のヘルメット着用と交通ルール
 の遵守」

|交通事故発生状況

 春の全国交通安全運動期間中の交通事故による死者数は55人で、前年同期と比較すると6人減少(-9.8%)した。

警察庁発表資料より転載

結果、4月15日現在の累計死者数は673人で、前年同期比で-33人、-4.7%という状況にある。

|過去10年間比較

過去10年間の春の交通安全運動実施中の死者数の推移は下表のとおりであるがわずかに増減を繰り返している状況にあるものの、今年は10年間で最も少ない数となった。

警察庁発表資料より転載

|年齢別死者数

死者(55人)を年齢別にみると、後期高齢者(75歳以上)が25人(昨年同期24人)で最も多く、次いで65歳~74歳が8人(前年24人)、40~49歳が6人(昨年4人)となっており、65歳以上の高齢者が33人(前年35人)であり死者総数の60%を占めている。

警察庁発表資料より転載(一部抜粋)

|状態別死者数

死者数を状態別でみると、死者数の最も多かったのが歩行中であり17人(前年15人)であり全体の30%(前年24.6%)を占めている。
前年と比較して減少しているのが二輪車乗車中であり、前年が12人、本年が6人と50%減となっている。

警察庁発表資料より転載(一部抜粋加工)

|年齢層別・状態別死者数

年齢増別・状態別の死者数をみると、今年は65歳以上の自動車同乗中が12人(前年同期10人増)、15歳以下の歩行中が4人(前年同期比+4人)と増加しているのが特徴的である。

|昼夜間別

昼間は37人(前年比-5人、-11.9%)である。
大きく増加したのは、昼間の高齢者の自動車同乗中が12人(前年同期比10人増)、こどもの歩行中が3人(前年同期比3人増)であった。

|シートベルト着用の有無別死者数

シートベルト着用の有無別の死者数は、下表のとおりである。

警察庁発表資料より転載

|日別死者数

日別に死者数をみると、下表のとおり、最多の日は10日(水)で9人、次いで13日(土)7人と15日(月)7人が同数であった。

警察庁発表資料より転載

|死者数が0の都道府県

死者数が0は15府県(秋田、埼玉、山梨、静岡、富山、岐阜、京都、兵庫、奈良、鳥取、島根、徳島、香川、佐賀、沖縄)であった。

|飲酒運転による交通事故の発生状況

飲酒運転による交通事故の発生件数は38件で、うち死亡事故は1件である(前年は57件、うち死亡事故2件)。

警察庁発表資料より転載

|75歳以上高齢運転者の死亡事故発生状況 

下表のとおりであり、前年よりも減少している。

警察庁発表資料より転載

|その他
本年の安全運動期間4月6日(土)から4月15日(月)までの10日間(前年同期:令和5年4月6日(木)~4月15日(土))と比較すると、この期間中の死者数は減少し、また飲酒運転による交通事故、75歳以上の高齢運転者による死亡事故なども減少している状況にある。
なお、交通安全運動期間中の死者数0の日はなかった。

総じていえば、交通事故死者数の減少など一定の成果は認められた。
交通安全運動は終わったが、引き続き交通事故減少を願うばかりだ。


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