見出し画像

自転車関連事故の実態・・その2

令和5年(2023年)中の自転車関連事故について警察庁の統計を見てみるとほぼ前回その1で記載したような傾向にある。


|概括

交通事故の発生件数や死傷者数は昭和45年ころをピークに大きく減少してきた。

警察庁発表資料をもとに筆者作成

※折れ線の赤色が死者数、橙色の線が負傷者数、黒色が発生件数、緑色が運転免許保有者数、青色が自動車保有台数を示す。

しかしながら、近年は自転車関連の交通事故の占める割合(構成率)が増加傾向にあり、令和5年は自転車関連事故が全事故件数の23.5%を占めている状況にある。

警察庁発表資料をもとに筆者作成

|車両単独事故が多い

最も多いのは「自転車対車」の事故であるが、相変わらず「自転車の単独事故」の発生が高い構成率を示している。

警察庁発表資料をもとに筆者作成

|30日以内死者数

30日以内に死亡した当事者区分毎の死者数をみてみた。
各当事者区分毎に24時間経過後30日以内に死亡した人の数(30日死者)と24時間以内の死者数の構成比を示したものが下図である。

30日死者数の構成率は自転車が最も高い(24時間以内死者数の構成割合が低い)状況にある。

警察庁発表資料をもとに筆者作成

|おわりに

R5年の自転車関連事故は、おおむねここ数年と同じような傾向を示していた。
自転車事故の割合(全事故に占める構成率)が高い
単独事故が増加傾向にある
30日死者数が他の当事者区分よりも高い比率になっている
頭部損傷等を主たる傷害部位とする割合も高い
ヘルメットの着用や自転車保険などに加入する必要性が一層高まる
ことが読み取れる。

万が一の対歩行者事故などの賠償責任が生じた場合に対応できる自転車保険や単独事故による自らの身体の負傷に対応できるような人身・傷害補償や医療補補などの保険にも加入することが必要である。

https://www.jtsa.or.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?