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成功する練習の法則

今日は「成功する練習の法則」という本について書こうと思う。

読むことになったきっかけ

THE GUILDという会社のGo Andoさんという方がツイッターでプレゼンの練習方法について解説していたのだけど、その内容がとてもわかりやすかった。

で、その一連のツイートの中で紹介されていたのが、今日のテーマである「成功する練習の法則」という本だった。

ちょうどゴールデンウィークは何冊か本を読みたかったというのと、練習する方法についても個人的に興味があったので、早速買い、読んでみることにした。

「練習する方法」に興味を持った理由

そもそもなぜ僕が「練習する方法」に興味を持ったのか、という話から簡単に書いておきたい。

言うまでもないけど、今後、技術革新のスピードはガンガン上がっていって、働き方は大きく変わっていく。それは、これまで蓄積してきたナレッジ(結晶型知性と言うらしい)を武器に戦うにはもう限界がきているということを表すと考えている。

サービス・ライフサイクルのスパンもどんどん短くなっていく。せっかく熟練と言われるまでに積み重ねたスキルも、すぐに新しい技術によって代替されてしまうということだ。

そうなると最先端のスキルは会社や(会社の)上司ではなく、むしろ若い人や外部の専門家が持つようになってくる。それは会社に蓄積されていたノウハウが通用しなくなるということで、そんな会社に言われるままにスキルを身につけているのでは、スピードが少し遅いと考えてしまう。

僕の考えるイメージは、「時代を読んで」→「時代に合わせて新しいスキルを身につけて」→「寿命がきたらスキルを捨て」のサイクルがずっと繰り返されるような感じ。そして新しいスキルの寿命も年々短くなっていくと思う。

(もちろん原理原則に基づいた考え方・習慣等については、いつまでも色褪せることのないスキルだと思う。時代を超えて持ち運べるスキル(ポータブルスキル)とでも言おうか。)

そうなると、大切になってくるのは練習の方法になってくる。「新しいスキルをより早く、確実に身につけるにはどうすれば良いのか」。

こういった課題意識から、僕の「練習する方法」に対する興味が生まれた。

内容について

本書は6つのチャプターで構成されており、42個のルールについて説明されている。今日は簡単にだけど、全体を俯瞰できるような概要のみを備忘録的にまとめておこうと思う。

(ちなみに僕はいつも本を読む時は考えたことや感じたこと、アイデアをメモに纏めながら読むようにしているのだけど、今回はKindle上に全てメモを書いているので、ここでは本文の取りまとめのみとする)

Chapter1:練習の思い込みを見直そう 

成功を体感できるものにする
 ・成功率が確実に高くなるように練習を設計する。内容がとりわけむずかしい場合には、参加者が正しく練習して、ある程度の期間、確実に成功を収められるようになったうえで終了する
 ・つねに「習得の確認」をする。確実に成功できない場合には、参加者が成功しはじめるまで一時的に単純化し、そこから複雑な要素を足していく
 ・いかなる練習でも、「正しいやり方で可能なかぎり速く」か、「正しくできる中で可能なかぎり複雑なもの」に集中して取り組む

最大の価値を生む20パーセントに集中して取り組む

 ・80パーセントの価値をもたらす20パーセントの練習を特定する
 ・最も優先順位の高いものを、ほかの全てを合わせたより多く練習する
 ・20パーセントのスキルを練習し続ける-練習の価値は習得したあとで高まる
 ・あらかじめ計画を立てて時間を節約する
 ・次々と新しい練習を導入するのではなく、効果の高い練習を微調整しながら繰り返す

無意識にできるようになるまで徹底する
 ・意識的に判断する前にスキルが自動的に出てくるまで、徹底して習得させる
 ・考えなくても無意識にできるスキルを積み上げ、能動的に考えなくても複雑な作業をこなせるようにする
 ・基本的なことを自動化すると同時に、より複雑で繊細なスキルも自動化できないか検討する。単純なことだけが習慣になるというのは誤った思い込みだ

無意識にできるようになれば、創造性が解き放たれる
 ・スキルを自動化して、参加者の意識を創造的な方向に解き放つ
 ・最も創造性が求められる場面で、処理能力を増やすために自動化できるスキルが無いか調べる
 ・参加者に考えさせるのは、いましていることをもっと理解できるまで練習した後にする

目的を目標に置き換える
 ・「目的」という曖昧な概念を、管理、計測ができる「目標」に置き換える。目標は練習に先んじて定め、専門的な指導もつける。
 ・少しずつ複雑になる一連の目標を定めて、スキルを教える
 ・すでに身につけたスキルを統合するための目標も設ける
 ・習熟度に応じて目標を変える

得意分野を見つけて磨きをかける
 ・不得意な分野だけでなく、得意分野を見つけて、才能に磨きをかける
 ・強みを生かすために、すでに上達したスキルを新しい分野に応用する方法を探る
 ・一人の強みを他のメンバーの手本として、チーム全体に早く行き渡らせる

実戦練習ではなく反復練習でこそ上達する
 ・反復練習で状況を切り取り、一つ以上のスキルの開発に意図的に集中する
 ・実戦練習は、本番への準備が整っているかどうかの評価に使う
 ・実戦練習は、教えるツールとしては総じてあまり効果的では無い
 ・実戦練習でうまくいくということは、完全に熟練の域に達したということだ。いつ、どこで使うか予測できないスキルをうまく使えるということだからだ
 ・実戦練習の前(または、実戦練習の代わり)に、すでに習得したスキルに新しいスキルを統合する一連の反復練習を行うことを検討する

批評ではなく、正しい方法でやり直しを求める
 ・別のやり方でできたと練習の参加者にただ告げるより、別のやり方で、もっとうまくやり直すことを求める
 ・フィードバックのループを短くして、修正すべき行動の後、できるだけ早く修正できるようにする
 ・教える心構えを保ち、問題(例えば「カットが鋭く無い」)ではなく、解決策(「例えば「ゴールにもっと鋭くカットする」)に焦点を合わせる
 ・修正するときには、できるだけ本人だけに話す。人前で修正する場合には、誰もが間違う点であることをはっきり伝え、批評ではなく修正した上で、参加者全員に同じ行動をとるように促す

Chapter2:どんな練習にするか考えよう

ゲームを分析する
 ・データを使って、最高の成果をあげている人を見つける
 ・データを観察、分析して、最高の成果をあげている人に共通するスキルを見極める
 ・選び出したスキルを分析、記述して、習得したい人々に明確な地図を提供する

スキルを分離して個別に練習する
 ・テクニックやスキルを教えるときには、分離したスキルを参加者が習得するまで練習する
 ・分離したスキルの習得を、間に合わせのスキルが妨げているときには、本来必要なスキルを明らかにして訓練し直す

スキルに名前をつけて共有する
 ・優れた成果をもたらすスキルやテクニックには名前をつける
 ・共通言語の使い方を監視する-スタッフ全員に名前を使うことを求め、正しく使っているかどうかを監視する

スキルを統合して練習を本番に近づける
 ・個別にスキルを教えた後は、本番に近い状況で参加者がスキルを使う練習を設計する
 ・スキルと状況のマッチングを学べる練習を設計する
 ・練習の成功が本番の成功に確実につながるように、環境をできるだけ本番に近づける

練習計画を立てて修正する
 ・データに基づく目標を念頭に置いて、練習の実施内容を計測する
 ・最後の1分まで計画する
 ・計画をリハーサルして修正する
 ・練習をビデオに撮って考察する

1分1秒を大切にする

 ・「ホイッスル」-実物でも他の合図でも-を手に入れて、時間という資源を節約する
 ・つい無駄にしている時間の使い方を見つけ、できるだけ早く改善策をだす
 ・その改善策をルーティン化する

Chapter3:手本を活用しよう

手本と手順書の両方を使う
 ・学習者に「手本」を見せて真似させ「手順書」を使って理解させる
 ・手本と手順書の両方を使うと、学習者が学んだことを柔軟に適用できるようになる

事前にすべきことを伝える
 ・手本を示す前に、あらかじめ何をみるべきかを相手に伝えておく

できそうと思わせる手本を示す
 ・手本を示すときには、学習者が実演する状況にできるだけ近づける
 ・映像の手本より、実演の方が信じやすい

完全な手本を示す
 ・学習者に実践してほしいやり方で手本を示す
 ・教えたいスキルの手本を示すと同時に、その時間を利用して、最終的に学んでもらいたい他のスキルの手本も示す

手本をそのまま真似させる
 ・手本に従わせるときに有効な第一歩は、正確に真似させることだ

分解して手本を示し、繰り返す
 ・複雑なスキルを分解して、一つずつ手本を示し、必要に応じて繰り返す
 ・<コピーキャット>ゲームをして、小さなスキルを一つずつ習得させ、積み上げていく。

手本に近づく道筋を示す
 ・「成果」と同様に「手順」も示し、最終目標にたどり着く方法について明確なイメージを持たせる

ビデオを活用する
 ・手本となる活動を分析し、何度も参考にするための手軽な方法として、ビデオを活用する

Chapter4:フィードバックしよう

フィードバックを取り入れて練習する
 ・フィードバックを「使う」ことは、受け取るのとは違うスキルだ。どんどん使ってそれが得意な文化を創り出そう
 ・できるだけ早くフィードバックを使った練習をさせる(例えば、列に戻すときには後ろではなく、一番前に)
 ・すぐにフィードバックを使えば、効果があったかどうかをマネジャーやコーチも確認できる

フィードバックをまず活用し、あとで考える

 ・じっくり考えることは、だいたいにおいて価値があるが、その後の練習の妨げになりかねない。まずフィードバックを取り入れ、それから考えること
 ・フィードバックを取り入れてから考えれば、フィードバックの価値も見えているので、より多くのデータに基づいて考えれる
 ・議論より練習を続けた方がいい場合には、「次は誰の番?」と言ってみよう

フィードバックのループを短くする
 ・結果の「速度」は結果の「強さ」をほぼ毎回打ち負かす。たとえ完璧でなくても、すぐにフィードバックを伝えよう
 ・ほんの小さな変更をすぐに行う方が、スキルの複雑な組み替えより効果が上がる場合がある

フィードバックの「ポジティブな力」を使う
 ・練習で「正しくやっていること」は「間違えていること」と同じくらい重要だ
 ・成功例を三つの方法で使う手助けをする
  *「認識の言葉」で、正しくやったことをよりはっきりと理解させる
  *「繰り返しの言葉」で、もう一度やらせる
  *「応用の言葉」で、スキルを適用する新しい状況を見つけさせる

少数のポイントに集中する
 ・伝えるフィードバックの量を制限する。人は一度に少しずつしか集中できない。
 ・様々な方向からフィードバックを伝えるときには、フィードバックに一貫性を持たせ、受け手を圧倒しない程度に数を制限できる方式を用いる

フィードバックを日常のことにする
 ・フィードバックのやりとりが頻繁になれば、どんどん当たり前になっていく
 ・練習を始めたら、すぐにフィードバックも伝え始める。フィードバックを必要とする失敗をするまで持っていると、フィードバックが間違いと結びついてしまう
 ・誰もが前向きで建設的なフィードバックを伝えられるように、定型文を利用する

問題ではなく解決策を説明する
 ・やるべきでないことを伝える「やるな」から、成功する方法を伝える「やるべきこと」の言葉に移行しよう
 ・すぐに行動に移せる具体的な指導をする
 ・何度も使うアドバイスが簡単に、素早くできるように、簡略版を考える

フィードバックを定着させる
 ・フィードバックを伝えたからといって、意図した通りに相手が解釈していると思い込まないように。少なくとも次の3通りの方法で、理解しているかどうか確認する。
  *聞き取ったことを要約してもらう
  *フィードバックの最も重要な項目をあげてもらう
  *フィードバックを受けて、次にとる行動を特定してもらう

Chapter5:練習できる組織を作ろう

まちがいを練習の一部にする
 ・計画ずくのリスクを冒す練習をすることによって、人々が難しいことに挑戦し、停滞期を乗り越えられるようにする
 ・間違いを最小化したり、無視したりしない。それをすると、間違いが根付いてしまい、間違いから学べなくなる
 ・行動する人が自ら自分の間違いに気づき、個々に上達できるよう支援する
 ・間違いに備え、間違いを日常化するために、間違いへの対処法を練習する

練習の障害を打ち破る
 ・組織内の人々が練習に抵抗することを想定しておく
 ・「入り口の障害」を見極め、名前をつけて対処する
 ・練習に引き込むことで障害を乗り越えさせる

練習を楽しくする
 ・友好的で前向きな競争を利用する(一人で、または個人間で)
 ・練習を楽しくする一方で、目標は常に維持しておく
 ・(本番だけでなく)練習でも互いに喝采を送りあおう
 ・サプライズの要素を取り入れる。参加者全員に準備させておき、次の練習者をいきなり発表して驚かせば、皆用心するようになる(責任感を持って準備させるのにも便利!)

全員が挑戦する
 ・リーダーが自ら進んで手本になり、練習に打ち込む
 ・スタッフの遠慮を克服するために、リーダー自身の練習についてフィードバックを求める
 ・みんなを誘い込み、みんなが練習できるような言葉遣いをする

仲間同士の責任感を強める
 ・チームのメンバーに、集中して取り組みたい具体的なスキルと成長分野を特定させる(一貫したフィードバックが必要)
 ・チームのメンバーが互いに責任を持ち合う環境を作る

練習のための人材を選ぶ
 ・チームのメンバーを採用する前に、候補者に実演してもらいたい練習をじっくり検討する
 ・候補者の実演では、練習とフィードバックをどのくらい取り入れられる人かを見極める
 ・練習の一部を繰り返してもらい、フィードバックを積極的に取り入れる能力を評価する

仕事を褒める
 ・優れた練習を支える「賞賛」を日常化する
  *性質ではなく行動を褒める
  *「承認」と「賞賛」を区別する
  *心から褒める
 ・「認知」システムを作る

Chapter6:練習は終わらない

できているかどうか観察する
 ・スキルを切り分けて練習した後、本番を観察し、練習した個別のスキルについてフィードバックを伝える
 ・練習したスキルに合わせて、本番中に個別のスキルを観察する練習をさせる
 ・本番で使われるスキルを評価したいなら、まず使う本人にそのスキルを練習させること
 ・練習の後、目標を各自設定させて、それぞれの目標を達成するのに必要なスキルを観察する

本番中には教えず、思い出させる
 ・試合やパフォーマンスの最中に新しいことは教えられない。教えれば当人を混乱させるだけだ
 ・本番中(練習の後)は、すでに練習で学んだスキルのコーチングだけをする
 ・本番中のコーチングは、それまでに学んできたことを合図で思い出させるだけにする

練習について絶えず話し合う
 ・練習する個別のスキルや反復練習に名前をつける
 ・個別のスキルに名前をつけ、練習の後で議論するときにもその名前を使って、組織の中で生かし続ける

支援と要求のバランスをとる

 ・練習の後で本番が始まったら、評価者としての役割を素直に認めよう
 ・努力に見返りを与え、改善が必要なときには緊迫感を伝える
 ・練習の後は、役に立つアドバイスではなく、改善に必要な要求としてフィードバックを組み立てる

成功を計測する

 ・本番中の一連のデータを取らせて、練習の有効性を評価し、将来練習すべきことを決める
 ・データを複数の方法で収集する(自己申告、観察と評価、パフォーマンス測定)

日本酒を飲みにいく

いきなりすぎる展開だけれど、これから僕は日本酒(100種類飲み放題)を飲みにいく。僕はnoteを毎日更新しており、日記的な位置付けもあったりするので、記憶と共にここに記しておきたい。

毎日頑張る理由はお酒を美味しく飲むため、と言っても過言ではない。

正直、頑張らなかった日もお酒を美味しく感じてしまうけれど、自分が納得いく頑張りができた日にはより一層美味しいように思う。

僕はもしかしたら、このために頑張り、生きているのかもしれないと思うほどに。

今日で連続更新59日目だけれど、明日noteの更新がなかったら、そういうことだと思う。

最後までお読みいただきありがとうございます〜!よろしければシェアしていただけると嬉しいです!