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#34 「仕事がデキる人のたたき台のキホン」

今回の読書録は「仕事がデキる人のたたき台のキホン

このタイトルに「ピンっ」ときた方は、きっとたたき台を何度も作ってきた方だと思います。私もwebディレクターとして働き始めてから、これまで幾度もたたき台を作ってきました。

ただ自分が作ってきた/作っているたたき台が果たしてよいものなのかどうか?を検証しようと思ったことはありません。発想すらなかったです。
そんな私にこの本は「仕事がデキる人のたたき台とはどんなものか?」と考えるきっかけをくれました。学びになった点をまとめてみます。


よいたたき台がもたらすこと

まずは"よいたたき台"とはどういうものかを整理します。
著者はよいたたき台は次のようなことができると述べていました。

  • みんなの議論が活発になる

  • みんなからアイデアを引き出せる

  • みんなの意見や考えが明確になる

  • アイデアが発展する

  • 完成品の段階でのやり直しを減らせる(手戻りを最小限にできる)

当たり前ですが、たたき台の先には完成形があります。最初の1歩目であるたたき台は完成までのプロセス・最終的な制作物をよりよくするためのものです。

たたき台に必要なのは"発想力"ではなく"理解力"

私含めて誤解してしまいそうになるのですが、よいたたき台を作れる人=アイデアの出せる人ではありませんたたき台に必要なのは発想力ではなく理解力だと著者は言います。

理解力とはこのたたき台は何のために作っているのか、依頼者からの要望は何か、自分自身がわかっていないこと・見えていないことは何か。これらをキチンと理解する力のことです。
webディレクターには欠かせない力ですね。よいたたき台が作れるwebディレクターはきっと仕事もできる人なのでしょう。

たたき台はすぐに共有する

たたき台はなるべく早い段階で他人の目や意見を加えることが重要です(たたき台に限った話ではありませんが…)。

多くの人は一度自分の中では完璧だと思ってしまうと、どうしてもそれに引っ張られてしまいます。実際は客観的にみると穴だらけ…みたいなことはよくあります。私も何度も経験してきました。
「時間をかけて作った割に、クオリティ全然足りてない…」そう周りから言われないためにも、たたき台はすぐに共有して周りの意見を取り入れるとよさそうです。

そもそも1人で作ったたたき台が完璧でそのまま完成まで進む可能性は低いですよね。よほど優秀な人でもない限りは。
ある程度まで作ったら、さっさと見せちゃいましょう。

叩かれているのはたたき台でアナタではない

たたき台はその名の通り、叩かれます。もちろん物理的にではなく、意見や疑問、違和感を投げられることの意です。冒頭にも書いたようにそのプロセスを経ることで、よりよい成果物を作りにいくのです。

ただ多くの人は自分が作った資料を叩かれると、あたかも自分自身が叩かれているように感じてしまいます。私もその気持ちはとてもよくわかります。
「これは違うと思う」という意見が、言われた本人への否定のように聞こえてしまう。場設定や言い方の問題でもありますが、どうしたってそう聞こえてしまうときはあります。

それでも「叩かれているのはたたき台であって自分ではない」と考えるようにしましょう。精神論ですが傷つかないためのコツでもあります。
世の中には本当に人格を叩いてくる人もいるので、そのときはそっと距離を置きましょう。

たたき台を出す人は、何もないゼロのところに議論を生み出す「ゼロイチの人」です。その1が話し合いを重ねるうちに10にも100にもなる。その最初のきっかけを作っている自分は尊い存在である、そんな風に考えてもいいと思います。

たたき台は"何か言いたくなる"ことが重要

先ほどから書いているように、たたき台はメンバーの議論を活発化し、アイデアを引き出すためのものです。著者の言葉を借りると「相手の思考に刺激を与えてナンボ」です。

人は相手のことはおろか、自分のことすらもよくわかっていません。自分が何に迷っていて、何がわからなくて、何に違和感を覚えているのか完璧に言語化できる人はほぼ僅かでしょう。

よいたたき台には「自分はこういうことを考えていたんだ!」と相手自身に気づかせる力があります。読み手に刺激を与えて、気づきや発言を引き出す。よいたたき台にはこういった効果もあるようです。


以上、仕事がデキる人のたたき台のキホンの読書録でした。

この本を読んでたたき台に対する考え方や存在意義を知れました。もっと早く読んでおきたかった1冊です。社会人歴の浅いの方々にもオススメしたい。

紹介した以外にもたくさんのたたき台のエッセンスが詰まっています。
気になった方はぜひ買ってみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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