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論考集

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記事一覧

【緊急投稿】若手研究者へ

将来を嘱望された若手研究者が自ら命を絶った。ご冥福をお祈り申し上げる。

学振最難関のSPDを勝ち取ったばかりでなく、日本学術振興会賞や日本学士院学術奨励賞を受賞するなど、超一流の研究者であったに違いない。そのような方が自ら命を絶たなくてはいけないほどに、日本の学術界は救いようがない破滅の道を進んでいるのだろうか。答えはわからない。

私は自らの経験のもと、専任ポストを手に入れる方法を記事にしてき

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研究環境を効率化する―アプリの使い方実践例―

指導教授の教え

私が院生のころなので、もう約20年前のことである。いつものように指導教授の研究室で指導を受けていたとき、ふと尋ねられたことがある。

「君は、どのように研究をしているのか?」

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非常勤講師が研究費を手にする方法

非常勤は科研に応募できない

研究費は、その名の通り研究のためのお金である。文系理系を問わず、これがないと研究活動は大幅な制限を受けてしまうばかりか、場合によっては全く研究できないということにもなってしまう。研究費の確保は研究者にとって死活問題なのだ。

しかし、研究費を取り巻く状況は厳しくなる一方である。ノーベル賞を受賞した大隅栄誉教授が指摘するように、国が研究者に配分する研究費(科研費)も大学

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正しい学歴ロンダリングの仕方―大学院進学という選択肢

学歴ロンダリングとは?

「学歴ロンダリング」という言葉は、ある人が、かつて18歳とか20歳の時点で学んだ「最初の母校の大学」よりも偏差値評価で高い大学に最終学歴を書き換える操作という意味(「若者の芽を摘む学歴ロンダリングの発想」より)

学歴ロンダリングとは、学部は下位ランク大学卒業であるが、大学院試験を経て上位ランク大学大学院に進学し、最終学歴を上位ランク大学大学院卒にすることだ。この手法を使

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大学の将来と若手研究者の未来

日本の大学は潰れる運命にある?

大学ジャーナルONLINEに以下の記事が出た。

国立との統合含め私立大学の再編提言、経済財政諮問会議

政府の経済財政諮問会議で、東京23区での大学増設抑制問題が取り上げられ、民間議員から国立大学との統合や大学運営からの撤退を促す制度作りを求める提言が出た。(記事より。強調筆者)

早い話が「たぶんダメだと思う大学は自分から早めにギブアップすべし」ということであ

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人文学の現状と今後の可能性について

日本の科学はどうなるのか?

若手研究者にとっては当たり前のことであり、いまさら取り上げるまでもないことであるが、業界以外の人は以下の事情について全く知らないし、ほとんど無関心と言ってよいだろう。

インタビューを受けている40代若手研究者の言葉を引用する。曰く、

「周りを見ていると、40歳代くらいまでは先が見えない不安定なポストで研究を続けるのも普通だ。勤務先の仕事以外にも多方面の仕事をしなけ

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