天疱瘡という難病の体験記_第5話 焦燥感と罪悪感との2週間

入院して丸2週間が経過し、今は3日目の金曜日(2023.8.4)の朝となりました。
入院してからの1週間と比べると、変わったことと変わらないこと双方あり、このタイミングで記録します。

①病状について

僕の病気である(落葉状)天疱瘡の主な症状は、水疱とびらんです。尋常型の場合は粘膜にも病変が出現し口腔の症状も伴うようです。

治療は主にプレドニン(ステロイド)の内服です。重症度的に0.5mg/kgというわけで、35mg/日の服用です。ちなみに、デスモグレイン198です。

入院前から、皮膚の症状は落ち着いてきており、入院後も新たな水疱やびらんの出現はなく、主の病院部位も赤みが引いてきました。
痒みも痛みも水疱もありません。あとは、7/31に採取した血液検査より、デスモグレインの数値がどうなるか次第です。

改善すれば、30mgの減薬へ。上昇すれば、ガイドライン状はもう1段階上の治療へ。目指すは、減薬しての退院です。

予定では、8/3か8/4に結果が出るということだったのですが、8/1〜8/8まで皮膚科の主治医がお休みなり、結果もお預け状態。
早く退院したいので、とてもガッカリしたのですが、医師も一人の人間であり、まあしょうがないと思い直し、8/9を心待ちにしています。

あと、少なくとも共同意思決定(shared decision making:SDM)の実践は臨床的には、そのカケラも行われていないということが分かりました。概念を超えて実践しているのは、恐らく極限られた領域なのでしょう。

②ココロの状態

入院しての1週間は、自分の病気や治療方針や福祉制度のインプットなどと共に、入院初期の気づきや戸惑いなどをアウトプットなどすることに集中していました。
誰かのためという思いもありつつ、一番は自分自身のためであったと感じます。

入院してするべきことは、食事とシャワーか、内服と朝と夕方の血圧測定しかすることはありません。
時間が膨大にあります。しかし、不眠やストレスの影響か、良い状態を維持するのが難しいです。

とにかく、入院中の罪悪感焦燥感は途轍もなく、自身を蝕んでいきます。不安や問いは、どんどんと生まれていき、その対処療法の一つが1週目のインプットとアウトプットでもありました。
 
2週目も焦燥感と罪悪感は小さくなることはありません。

これと向き合いこれまでの人生を内省したりこれからを考えるべきか、またそれが生じず休める状態を作るべきか、どう対応していくべきかいまだに答えは出ていません。

また、上記のような二項対立的な問立て自体が、ちょっと間違っているような気もしています。

おそらく、これに関連して2週目は血圧が20~30mmhg上昇していきました。
2週目からのセルフマネジメントとしては、「呼吸」と「紙に書く」と「読む・見る」を実践しています。昨日(8/3)の血圧は、ほぼ入院当初に下がりました。

セルフマネジメントはこちらがオススメです。


特に交感神経系が優位になっていると感じるので、一旦沈静方向に対応していくのが良いのかと感じています。ただ、沈静しても焦燥感と罪悪感は無くならないのでそのタイミングでインプットなり思考するなどが良い気がしています。
とにかく、慣れない環境やステロイドの影響もあり、ローにもハイにもなるので、まずはそれに気づき、それに合わせた自分なりのコントロール方法を実践しています。気づければ対応ができる!

③カラダの状態

1日の睡眠時間は5〜6時間程度と、不眠傾向は継続しています。また、不安が強いときは頭部がポカポカと暖かくなります。

体重は、7/23_67.4kg → 8/3_66.7kgへ減少しています。階段昇降の運動も減らしました。これについては、病院側は測定もしていないので知りません。さて、どうしたものかと思っています。

④仕事のこと

幸いWi-Fiがあるので、最低限のリモートワークは可能です。ただ、zoomなどで集中してディスカッションするのは、病院という環境ではとても難しいです。
人と合わず、またオンラインでの会話や対話も難しいと、良いアウトプットを出すことはとても難しいと感じています。

そして、そもそもこんな状態で仕事してて良いのだろうかという罪悪感もまた生まれてきます。休むべきではないかと。
しかし、特に症状もないのであれば仕事するべきだという焦燥感も生まれてきます。行ったり来たり。

経済(仕事)と治療(健康)、答えが出ない問いが続きます。
良く言われる、健康と経済の因果(健康→経済、経済→健康)について体験中です。

⑤気になること

7/24に送った2つの患者会からのメールの返答がありません。もしかすると、コロナで活動が停滞したのか、会自体の高齢化のためかもしれません。
難病になって思うのが、やはり患者会の存在はとても大切だということです。

特に、希少であるがゆえに指定難病となっているので、その存在は当事者にとってはとても重要です。しかし一方で、当事者数が少ないために会の継続が難しい側面があるということも容易に想像できます。
 
2022年1月現在で指定難病は338疾病難病当事者は約100万人となります。
この疾患の中には、認定者1名の疾患も含まれています。難病者の権利擁護や社会活動がとても困難だということが分かります。

今回私自身も当事者となってわかったのが、「一般社団法人日本難病・疾病団体協議会(略称 JPA)」という団体があるということでした。
ロビーイングやアボドガシーを業界として行うとても重要な取り組みです。

今の当事者だけではなく、誰もがある日突然病気になる可能性があります。
そのような人をも支える患者会、当事者会の取り組みはセーフティーネットの一つとして極めて重要だと感じます。

私自身も当事者感がまだないのですが、とはいえ何ができるか分かりませんが、何かに貢献していけたらとぼんやり考えています。

このような2週間でした。ご覧頂き有難うございました。

さて、どんな3週目になるか。
そして、目標とする早期退院できるだろうか。

サポート有難うございます。難病の治療や入院費に当てさせて頂きます。勇気頂き感謝です🙇‍♂️