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自店のポジションはどこ?(マーケットシェアから目標・現在地を考える)

既に出店や事業を始めている場合、自店の立ち位置・ポジショニングを把握するのは、今後の戦略・戦術を立てる上で、非常に重要と思っています。

また、今後事業を始める・出店をする場合、目標を立てる・売上をどこまで伸ばせるのか?を知る上でも非常に重要だと思います。

このポジションを知り、目標を立てる上で欠かせない数字が、マーケットシェア(≒売上における市場の占有率)です。

今回はそのマーケットシェアについてお話しをしていこうと思います。


マーケットシェアを理解するために

マーケットシェアを知る上で、最も大事だと考えているのは、基準値とその値が持つ意味合いを理解することです。

下記の図が、まず覚えていただきたいマーケットシェアの基準値です。

(この数値はランチェスター戦略のマーケットシェア理論を活用しています。ランチェスターの戦略については、沢山の書籍、Webページ、YouTubeでも出ているので是非見てみてください。

私もたまに見ています中田あっちゃんのYouTube大学です→【ランチェスター①】 【ランチェスター②】


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この図では9つの数値が記されており、これらを基準に考えていきます。


手始めに覚えておきたい3つの指標

この中でも、私が中小企業・店舗において重要と考えている数値は、存在シェア(7%)、影響シェア(11%)、トップシェア(26%)の3つです。(最悪、まずこの3つだけ覚えておくだけでも、と勝手に思っています笑)

理由は、この3つがそれぞれ持つ意味合いにあります。

存在シェア(7%):商圏内の顧客に自店の存在を知られている状態。これ以下のマーケットシェア率では存在感は相当小さい。

→まずは自店の商売は知れ渡っているのか?の基準になる。これは飲食店の場合で感覚的指標ですが、このシェアがあれば、地域のタクシー運転手さんや駅員さんに店名や特徴を聞いたら何となく知ってますよ、というレベル。

影響シェア(11%):競合他店・他社に対して、自店の動きが知られる、影響を及ぼす状態である。

→他店・他社と競い合えているのか?の基準になる。飲食店の場合で感覚的指標では、このシェアがあれば、競合や近隣商圏の担当者や店長(いわゆる同業界の人)が見に来るレベル。

トップシェア(26%):地域や自社商圏における一番店といえる状態。通常の店舗経営・事業運営における目標値である。

→通常の飲食店などの目標(ある種最大水準)となる数値。飲食店の場合で感覚的指標ですが、このシェアがあれば、地域の方はほぼ全員確実にその店名や業態(商材)を知っているレベル。

(※商材・地域によっては全く競合が存在しない、圧倒的に先行した商売・商材であるために26%なんて優に超えているという場合も見受けられますが基本的には中小規模の企業・店舗で競合がいるという状態を想定している場合の目標が26%になります。)

顧客認知おける下限(存在シェア7%)、競合視点における下限(影響シェア11%)、目標数値(トップシェア26%)になりますので、まずは、この3つを重要指標として頭に入れておいてください。


次に覚えておきたい6つの指標

その上で、その他6つのの基準値も意味合いなどがありますので、下記にて紹介していきます。

存在シェア(7%):同上。

影響シェア(11%):同上。地域や当該商圏では3番店クラス。

優位シェア(15%):競合の中では頭1つ抜けているような状態。地域や当該商圏では2番店クラス。

トップグループシェア(19%):同レベル競合はいれば、抜きつ抜かれつつ、地域や当該商圏で1番店を争うクラス。

トップグシェア(26%):同上。安定して地域や当該商圏で1番店におり、ロイヤリティも高い。

寡占化シェア(31%):この数値以上であれば、圧倒的に1番店であり、通常であれば競合は存在しない。

相対シェア(42%):圧倒的に1番で、現在は敵対する企業・店舗はないが、将来的に有力な競合が現れる可能性のある状態。また仮に2社以上競合があった場合、先にこの数値を獲得した企業・店舗が優位に立つ。ランチェスター理論ではここが相対的安定値。

相対的独占シェア(55%):将来的な競合が現れても、過半数を超えるシェアを確保しており、絶対的でないがまず安全。

独占シェア(74%):現在~将来的に競合が現れても安定して勝てるといえる状態。


ここではマーケットシェアにおける9段階の基準値を、ご紹介しましたが、

もっと簡単に、1番店(トップシェアの26%以上)、2番店(トップシェアの26%未満~優位シェアの15%以上)、3番店(優位シェアの15%未満~存在シェアの7%以上)、4番店以下(存在シェアの7%未満)という大きな振り分け方もあります。

また、これは別の記事でお伝え出来れば思いますが、マーケットシェアにおけるポジション(1番店・2番店・3番店・4番店以下)それぞれに沿った戦い方、在り方があります。


マーケットシェアを計算してみよう

そして、合わせて覚えておきたいのが、マーケットシェアの計算方法です。

以前の記事にて、特定商圏と特定商材における市場規模の算出について紹介をしているので、あわせて是非ご覧ください。

算出の公式は、マーケットシェア=年商/(商圏内)市場規模

になります。

例えば、マーケットサイズ2,000円のAという商材を扱う(業態)、年商5,000万円の飲食店Bがあります。Bがあるのは人口20万人のC市という都市です。

この場合の、C市におけるAの市場規模は、2,000円×20万人=4億円となります。

Bのマーケットシェアは、5,000万円/4億円=12.5%となります。

そのため、BはC市内においては影響シェア(11%)を少し超えており、3番店クラスだということになります。

この場合の対象商圏や人口は、単一市での計算になりますが、宅配事業や大型店舗などで対象市が複数をまたぐ場合は、それを加味してください。

また、商圏設定も、場合によっては、車で〇分以内や徒歩〇分や〇〇町のみや場合によっては乗降客数の・・・という場合もありますので、それぞれに呼応させて考えてみてください。

それはさておき、Bの現在地は12.5%というシェアで、マーケットシェアから見た場合ですが、

2番店クラスを目指すなら、年商6,000万円(+1,000万円)=優位シェア15%

1番店クラスを目指すなら、年商1億円ちょっと(+5,000万円)=トップシェア26%

という指標や目標が見えてきました。(この規模でトップシェアとるならもう1店舗出店という観点もありますが・・・・)


ここまでマーケットシェアにおける自店のポジションについてお伝えしましたが、現在数値を悲観的に見るのではなく、

次にここを目指そうであるとか、まだまだ売り上げを伸ばせるなど、ポジティブに捉えて頂けるといいなと思います。

別の機会に書かせていただきます、ポジショニングに沿った戦略(戦い方)も楽しみにして頂ければと思います。







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