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再び1ドル150円台

 23年末に円高・ドル安が進み、そのまま24年は円高が期待されていた中で、1ドル=150円後半と再び円安が進んでいる。その理由をまとめてみた。

 背景にあるのが、今後も日米の金利差が縮まらないという市場の見方である。

 アメリカの1月の消費者物価指数(CPI)の市場予想は前年同月比2.9%だったのに対し、13日に発表された結果は3.1%増と市場予想を0.2ポイント上回った。この継続的なインフレに対し、「FRBは現状の政策金利を維持するのではないか」との見方が強まっている。

 2月2日発表の1月の米雇用統計では、市場予想では農業分野以外の就業者は18万人程度の増加を見込んでいたところを大きく上回る35万人増となった。また失業率も前の月と同じ3.7%で低い水準が続いている。労働者の平均時給も前年同月比4.5%増と景気の強さが鮮明になり、24年末までの利下げ回数の予測は6.5回から4回強にまで下がった。

 日本の株高が円安を招いているとの指摘もある。海外投資家は円を売ってドルを買うことで、ドルベースでの利益を目減りさせないようにする。株高が続いたことで運用するお金が増えたので、円を売る動きが強まった。

 日本では、日銀は4月までにマイナス金利解除を実行するとの見方が多いが、植田総裁は「マイナス金利解除後も当面は緩和的な金融環境が続く」と発言しており、金利差の縮小が見込めない状況にある。

 11月には米大統領選を控えているため、内向き志向の政治体制が高まる。24年も円安が続く可能性が高い。

参考文献
日本経済新聞(2月15日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240202/k10014345801000.html
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-16/S8X84WT0AFB400
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/YX4QYK64UFJNNCR4OYOFBDEXCM-2024-02-13/

 

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