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認知症についてどう伝えるべきか

こんにちは、ケアマネさん含めた居宅介護サービス、在宅医療を行っていると、必ずと言っていいほど直面する症状に認知症があります。
早めの対策で認知症の治療に当たることは大切なことですが、関係者のみなさん口を揃えていうこととして、
ご家族あるいは当事者に提案しているものの、
認めない等といった主観的な判断により、
治療等が遅れる、あるいは治療しないといった傾向が多く見られます。
癌だったらどうなんでしょう?高血圧だったらどうなんでしょうか?認知症は当事者家族にならないと大変さがわからない事がほとんどです。
実際私の祖母のケースで認知症について母親もあまりわからず、ガスコンロの火をつけっぱなしだったり、ガス漏れで爆発起こしそうになって、初めて気づきました。

このような事が起こって初めて問題になるわけで、何かしら、一般の方に正しく理解してもらう事にはという事で、こちらに述べたいと思います。

認知症は、一般的に4つの段階に分類されます。これらの段階は、認知機能の低下と日常生活の機能の喪失の程度に基づいています。医療的および介護的な観点からそれぞれを解説します。

1. **軽度認知障害(MCI)**:
  - **医療的観点**: 軽度認知障害は、通常、認知機能の軽度な低下を示しますが、日常生活においては独立して機能することができます。主な問題は、記憶や認知機能のわずかな変化です。診断のためには、定期的な認知機能の評価が必要です。
  - **介護的観点**: 介護の必要性は通常ありませんが、認知症のリスクが高いことを意味します。この段階では、認知機能のトレーニングや健康的な生活習慣の維持が重要です。

2. **軽度認知障害の認知症への移行**:
  - **医療的観点**: 認知症への移行段階である軽度認知障害の認知症では、認知機能の低下が進行し、日常生活の機能に影響を与えるようになります。記憶や言語の問題が明らかになります。
  - **介護的観点**: 患者は日常生活の一部を自己管理できますが、支援が必要な場面もあります。日常的な活動やスケジュールのサポートが必要になることがあります。

3. **中等度認知症**:
  - **医療的観点**: 中等度認知症では、認知機能の喪失が進行し、日常生活のさまざまな領域に影響を与えます。患者は時間や場所を混乱し、日常的な決定を下す能力が低下します。
  - **介護的観点**: この段階では、患者は日常生活の多くの側面で介助を必要とします。身体的安全性や栄養摂取に関する問題が増え、24時間のケアが必要になる場合もあります。

4. **重度認知症**:
  - **医療的観点**: 重度認知症では、認知機能のほとんどが喪失され、言語能力や身元の認識が困難になります。身体的な健康状態も急速に悪化することがあります。
  - **介護的観点**: 介護が完全に必要となります。日常生活の全ての側面において支援が必要であり、身体的なケア、栄養摂取、排泄管理などが含まれます。

認知症の段階に応じて、医療と介護のアプローチが変わります。早期段階では認知機能の維持が重要であり、後期段階では日常生活の全般的なサポートが必要です。

認知症を早期発見するためには、以下のポイントに注意する必要があります。また、認知症に対する対策として考えられることも併せて列挙します。

**日頃から気をつけること:**
1. **記憶や認知機能の変化に注意する**: 繰り返し同じことを尋ねたり、物事を見失ったりするなど、認知機能の変化に敏感になりましょう。
2. **日常生活での機能低下に注意する**: 自己管理能力の低下や日常生活のルーチンが乱れるなど、日常生活での機能低下を見逃さないようにしましょう。
3. **認知症のリスク要因を知る**: 高血圧、糖尿病、高コレステロール、喫煙、肥満などのリスク要因を持っている場合、認知症のリスクが高まる可能性があるため、これらの要因を把握しましょう。
4. **定期的な医師の診察を受ける**: 記憶や認知機能に関する問題がある場合、早期に医師の診察を受け、適切な評価を受けることが重要です。

**認知症に対する対策:**
1. **健康的な生活習慣の維持**: バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などの健康的な生活習慣を維持することが重要です。
2. **認知機能トレーニング**: 認知機能を維持するための認知トレーニングやパズル、脳トレなどの活動を取り入れることが役立ちます。
3. **社会的・精神的活動**: 社会的なつながりや趣味、興味を持つことが認知機能の維持に役立ちます。
4. **リラックスとストレス管理**: ストレスは認知機能に悪影響を与える可能性があるため、リラックスやストレス管理の方法を取り入れることが重要です。
5. **医師の指示に従う**: 医師のアドバイスや処方箋を正確に守ることが重要です。例えば、血圧や糖尿病などの管理が認知症のリスクを減らすのに役立ちます。

これらの対策を実践することで、認知症の早期発見と進行を遅らせることができます。

また家族の受け入れについて、
家族が認知症の可能性を受け入れることを促す際には、以下の方法が役立つかもしれません。

1. **情報の提供**: 家族に認知症の症状や進行について正確な情報を提供し、科学的な根拠や医学的見解を説明します。認知症に関する理解が深まれば、家族が現実を受け入れやすくなります。

2. **専門家の意見の重視**: 医師や専門家の診断や意見を尊重し、家族にそれを伝えることで信頼感を築きます。医師の診断は客観的であり、家族がその結果を受け入れやすくなります。

3. **感情の理解と共感**: 家族が認知症の可能性について否定的な反応を示す場合、その感情を理解し、共感を示すことが重要です。家族の不安や心配を聞き、共に感じることで、信頼関係を築きながら徐々に受け入れるプロセスを進めることができます。

4. **サポートグループへの参加**: 認知症の家族や介護者のためのサポートグループに参加することで、他の家族の経験や情報を共有し、自身の立場を客観的に見る機会を得ることができます。これにより、家族がより良い理解と受け入れを促進することができます。

5. **段階的なアプローチ**: 家族が認知症の可能性を受け入れるのは時間がかかる場合があります。徐々に情報を提供し、ゆっくりと家族と話し合いながら進めることが大切です。急ぎすぎず、家族のペースに合わせて進めましょう。

6. **プランの共同作成**: 家族と共に、認知症の可能性に対する対策や計画を立てることが重要です。家族が自分たちの関わり方や対応を考えることで、現実を受け入れやすくなります。

これらのアプローチを組み合わせながら、家族が認知症の可能性を受け入れるようサポートしていくことが重要です。


以上の事を踏まえて、医療者等の場合、アプローチする方法について検討されてみてはどうでしょうか?この流れについてはある程度我々でも研究しておりますので、お問い合わせございましたら、お待ちしております。

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