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広告代理店でコピーライター、クリエイティブディレクターとして活動しています。経験は15…

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広告代理店でコピーライター、クリエイティブディレクターとして活動しています。経験は15年ほど。小さなプロダクションから代理店、ブランディングエージェンシーを経てフリーランスに。ブランドをテーマにした経験や情報、感じていることを発信しています。

最近の記事

Made in USAではなく、Made in Californiaなんだ。

アップルの製品は、アメリカ製ではなくカリフォルニア製なんだ。そんなようなことをどこかで読んだ記憶がある。いいな、と思った。ご存知のようにアメリカという国は東と西では大きくカルチャーが異なる。現に本国最西端のカリフォルニアはフロンティアたちが最後に辿り着いた拓かれた地で、自由の象徴のような場所だ。そしてはるか昔、ゴールドラッシュの時代から、数多のスタートアップが誕生する場所であり続ける(ガレージで誕生したアップル・コンピュータもそのひとつ)。 アップルの広告といえば、基本的に

    • ブランドの言語化ができないと、デザインも、映像も、なにもつくることはできない。

      ある企業、ある商品、あるサービスがあったとする。その売り上げをアップさせたり、イメージをアップさせるためには、結局のところ「言語化」(言葉で言い表すこと)できないとはじまらない。 なぜなら、言葉で言い表せないことは、デザインにも、映像にも、WEBサイトにも、プロモーションツールにも絶対にできないから。だからこそ、ブランディングの原点は、「言語化」なのだ。 誰でもできそうで、やってみると意外と難しい。だから私のようなブランディングディレクター兼コピーライターという仕事が成立

      • ブランディングをしなくても売れるのがいちばんいいけど、それはなかなか難しい

        ブランドづくりというのは、平たく言えば“差別化”できるポイントづくりのこと。そういう意味では、差別化の必要があると考えるすべてのモノ・コトが対象となるわけだ。 そして差別化のポイントは、ゼロから創り出すよりも、すでにある価値の中から見つけ出すという感覚の方が近い。たとえばみかんの場合。これまでは「愛媛産」ということを売りにしていたとする。でも、それだと同じような商品がたくさんあってお客様には選ばれづらい。そんなとき、どう魅力を伝えればいいか。いくつか例を挙げてみる。 ・た

        • ブランド広告としてGOODだと思う事例を考えてみる。

          GOODとは曖昧だが、たとえばそのブランドのことが広告を見る前よりも好きになったなら、それはもう完璧なGOOD。そのつぎは認知されること。そしてキライになってくれること笑 いちばんダメなのはスルーされることだから。 だからこそGOODかどうかの判断は、わたしの主観によるところが大きい。もちろんコピーライターとしては、“表現として優れているか“という視点もあるのだが、今回はその視点は脇に置いておくことにする。 さて本題。GOODなブランド広告はたくさんあるが、私の中で印象に残

        Made in USAではなく、Made in Californiaなんだ。

        • ブランドの言語化ができないと、デザインも、映像も、なにもつくることはできない。

        • ブランディングをしなくても売れるのがいちばんいいけど、それはなかなか難しい

        • ブランド広告としてGOODだと思う事例を考えてみる。

          ブランドの「機能的価値」と「情緒的価値」のちがいをキャッチコピーで見てみよう。

          ある企業や商品のブランディングを行うときに出てくる概念として、「機能的価値」と「情緒的価値」がある。前者は、そのブランドがどんな機能を有しているか。後者はそのブランドがどんな気持ちをもたらしてくれるか、というもの。 もちろん機能的価値で他と差別化できればカンタンなわけで、たとえばipodが発売されたときのキャッチコピーは圧倒的機能価値の訴求だった。 1,000 songs in your pocket. (1,000曲をポケットに。) こんなに明快な差別化はない。CDにも

          ブランドの「機能的価値」と「情緒的価値」のちがいをキャッチコピーで見てみよう。

          ピーチ・アビエーション(LCC)がつくられた理由がとても素晴らしかったので紹介したい。

          『ビジョンとともに働くということ』(山口周✖中川淳)という本を読んだ。とてもおもしろく、そしてとても印象に残った内容があったので紹介したい。 さて、この本は「ビジョン」をテーマにした本なのだが、ビジョンは以下のように規定されている。ビジネスと社会課題の解決をつなぐのがビジョン ここでいうビジョンとは、今どきの言葉を借りればパーパスに近いと思うのだが、例としてあげているのがEVのリーディングカンパニーであるテスラのビジョンだ。化石燃料に依存する社会をサスティナブルに変えると

          ピーチ・アビエーション(LCC)がつくられた理由がとても素晴らしかったので紹介したい。

          企業のブランディングをするときは、2~3年後の企業の姿を想像すればよいのではないか。

          ブランディングは、今後のブランドのあり方(ブランドとステークホルダーの関係性づくり)を考える作業なわけだから、少なくとも未来に向かう行為であることは間違いない。 では、どれくらい先を見据えてブランドのあるべき姿を考えればよいか。明確な答えはないので、納得いただけるかわからないが、私としては2年~3年後のブランドの姿をイメージし、つくればよいのではないかと思う。 5年後や10年後だと、あまりに遠すぎて社員がその姿を想像できないだろうし、単なる夢物語だと感じてしまうかもしれな

          企業のブランディングをするときは、2~3年後の企業の姿を想像すればよいのではないか。

          ブランドのはじまりの話。有名な話だしたぶん知っていると思いますが…

          もうみなさんが知っているかもしれない。けれど、ブランディングをテーマにしたnoteであることを標榜するため、一度はしておきたい話。ブランドの起源について。 まずは“BRAND”という単語から。この言葉は、ある単語が元になり、派生してできた。元の言葉は“BURNED”。日本語読みをすると「バーンド」でしょうか。つまり、BURN(焼く)の過去分詞形。「ブランド」「バーンド」たしかに音はそっくりだ。 では、なぜBURNED(焼かれた)という言葉なのか。こたえは、牛。広い農場でた

          ブランドのはじまりの話。有名な話だしたぶん知っていると思いますが…

          ブランディングで大切なことは「価値を発見すること」。だとして、そもそも価値ってなんだ?

          ブランディングを仕事にしています。ゴールは、企業や商品がターゲットとして設定する方たちに価値を伝え、選ばれるようになること(商品であれば買ってもらうこと)。その過程で「価値の発見」が求められる。以前の記事でも書いたのだが、「発見」というと画期的で、オリジナリティがあって、唯一無二のニュースでなければならないという印象を持つかもしれないが、そうではない。たとえ凡庸な価値であったとしても、それが他社やライバル商品と比べて、魅力的に伝われば“勝ち”なのだ。 価値は「機能的価値」「

          ブランディングで大切なことは「価値を発見すること」。だとして、そもそも価値ってなんだ?

          ネーミングを何度もプレゼンして2000案書いたのに初回に出した案に決まった話

          10年ほど前の話で恐縮だが、すこし“ほろ苦”な体験を話そうと思う。とあるBtoB企業のサービスネーミングをお手伝いしたときの話。タイトルにも書いた通りなのだが、ネーミングを2000案ほど提案した。もちろん一度にではなく、何度も何度も何度もプレゼンをした。コピーライターの方の中には、これくらい書いたことがある人はいるかもしれない。私の場合、コピーライター人生15年の中で最多提案記録だ。 なぜそういうことになったのか。いちばんはもちろん私の力不足。ただし、今思い返すと、クライア

          ネーミングを何度もプレゼンして2000案書いたのに初回に出した案に決まった話

          企業のブランディングは、2年先でも、10年先でもなく、5年先を見据える

          ブランディングとは、「個性をつくること」と言われたり、「選ばれる理由づくり」と言われたりする。要するにこれといった決まりはないわけで、ブランドのファンになってもらうことがゴールだ。 具体的なアウトプットとしては、広告や企業のホームページなどを考えるとわかりやすいが、中でもいちばんの背骨になるのが、ブランドタグラインとブランドステートメントだ。ブランドタグラインは、いわゆるキャッチコピーのようなもので、ブランドステートメントは、それを補足し、意味を伝える文章だ。 その言葉を

          企業のブランディングは、2年先でも、10年先でもなく、5年先を見据える

          ブランドタグラインでよく使われる言葉を見てみる

          ブランドタグラインってどういうもの? そう思われる人も多いと思う。以前の記事での紹介したのだが、有名なものを上げると『水と生きる』(サントリー)、『JUST DO IT.』(ナイキ)、『お、ねだん以上。』(ニトリ)などがある。誰もが聞いたことがあるだろう言葉だし、表現としても優れている。 さて、ここに一冊の本がある。『ブランド・タグライン経営』(杉本眞一・著)。日本橋出版社というあまり大手ではなさそうな会社から出版されているのだが、私としてはとても興味がある本だったので発売

          ブランドタグラインでよく使われる言葉を見てみる

          企業のひとは自分たちの価値に気づいていないから、コピーライターが見つけてあげる

          「価値の発見」は、ブランディングという作業の中の大きな部分を占める。創造ではなく、あくまで「発見」であることがポイント。ブランドをよく見せようとして、価値を捏造してはいけないという意味だ。そんなことをしてもすぐに化けの皮ははがれるし、そもそも捏造なんてしてしまうと、社員たちの心は会社から離れてしまうだろう。 私がブランディングをお手伝いしていて、かなりの確率で出会う言葉がある。その言葉とは、「うちじゃふつうですよ」というもの。たとえばある食品メーカーでは、製造から出荷までの

          企業のひとは自分たちの価値に気づいていないから、コピーライターが見つけてあげる

          2022年最新!ブランディング力のある日本企業がどこなのかを具体的に見てみる

          ブランディングを生業としています。私の場合は個人レベルで活動しているため、大企業のお手伝いをすることは稀です。一人では手に負えないので。小規模の企業や新商品などが多いでしょうか。どんな価値があって、どう伝えていくべきかという視点でメッセージを開発しています。 職業柄、なるべくブランディングに関する情報は入手するようにしています。たとえばブランド力のある会社はどこなのか。知っているとお手本にできます。それじゃあ具体的にどんな会社にブランド力があるのか、ということですが、ひとつ

          2022年最新!ブランディング力のある日本企業がどこなのかを具体的に見てみる

          コピーライターだけど広告コピーにこだわらず、「言語化する人」になっていこう。

          20年ほどコピーライターをやっている。この仕事を志した当時は、まだ広告の仕事は憧れのひとつだったように思う。いまの若い人にとってはどうなんだろう? 就職先としての広告代理店人気も一時に比べると下がっているし、広告ビジネスという観点から見ても、斜陽産業になりつつあることは否定できない。ということはたぶんコピーライターを目指す人も少なくなっているのだろう。残念だけど仕方ない。私が今大学生だとしても、きっとITビジネスを目指すと思うから。 さて、ここからはコピーライターの仕事の内

          コピーライターだけど広告コピーにこだわらず、「言語化する人」になっていこう。

          ブランディングには2つある。それはアウターブランディングとインナーブランディングです。

          インナーブランディングの重要性について書いてみようと思います。ブランディングは大きく2つに分けられ、タイトルのように「インナーブランディング」と「アウターブランディング」です。前者は主にその企業で働く従業員に向けて行うもの。後者はお客様や世の中全般に対して行うものです。 たとえば自動車のレクサスについて考えてみます。レクサスという会社名やロゴマーク、街中を走るクルマ、そしてショールームの前を通るときに、人はどんな気持ちを抱くでしょうか。高級感かもしれないし、憧れの気持ちかも

          ブランディングには2つある。それはアウターブランディングとインナーブランディングです。