読書感想:神は数学者か?:そんなこと考えたこともなかった…
この本のタイトル「神は数学者か?―ー数学の不可思議な歴史」、これだけでは買わなかったかもしれない。
惹かれたのは内容紹介のこの部分。
人間の純粋な思考の産物であるはずの数学。
その数学がなぜ、宇宙構造や自然現象、遺伝の法則、株価の挙動など、現実の世界を説明するのにこれほどまでに役に立つのか?
え? それ当たり前じゃないの?
あれ、でも、そうかな?
なぜ私はそれを当たり前と思うんだろう?
『数学がなぜ自然現象を説明するのに役立つのか?』 そんなこと考えたことなかった…
数学の不条理な有効性
神は数学者か?―ー数学の不可思議な歴史
数学がなぜ自然現象を説明するのにこんなにも役立つのか?
これは物理学者ユージン・ウィグナーが 1960年の講演で提起した疑問であり、「数学の不条理な有効性」あるいは「数学の理不尽なまでの有効性」とも表現される、この本の主題です。
数学や物理学の歴史を紐解きながら、その時々の面白いエピソードも交えて、この問題を考えていきます。
観測結果を説明するために導き出したはずの数学的自然法則、時代が経って観測技術が向上してみると、その自然法則の計算結果の精度がとんでもない精度であることがわかってくる。
まるで、人が導き出した自然法則の数式に、自然現象の観測結果が近づいていくかのよう!
あるいは、純粋な思考の積み重ねで作り上げられたはずのある数学的理論が、後で生物学の分野に応用できることがわかったり、さらに同じ理論で宇宙を説明することもできそうだとわかったり!など、わくわくする話がいっぱい出てきます。
話題が幅広いなあと思っていたら、それもそのはず、この本の参考文献の多いこと。
ざっと数えてみたら、なんと約 330件もありました!
すぐ読み始めるのはもったいなかったかも
とても面白く読めた本でしたが、すぐに読み始めたのは失敗だったかもしれません。
『数学がなぜ自然現象を説明するのにこんなにも役立つのか?』この疑問についてもっとよく考えてみて、なんとなくでも自分なりに答えを持ってから読んだらもっとずっと面白かったんじゃないかと思います。
「数学の不条理な有効性」はどこから来るものなのか?
数学は人類の「発見」なのか「発明」なのか?
考えてみるのも楽しいかもしれません。
あ、あとこの本では「happy」の語源なんて、一見数学とは関係なさそうな豆知識も得られますよ。
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