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究極の燻製作りを探求する!酒のおつまみやキャンプ飯に使える話 :前編[製作作業の休憩時間中の話題シリーズ②]

燻製。コロナ禍でのキャンプブームで急速に流行り出したキャンプ用アクティビティ、そして古来からある伝統的調理方法です。燻製にはこだわればこだわるほどディープな世界にはまっていく沼的な魅力があります。今回は、先輩のススメから燻製にハマって、燻製器を自作するまで、そしてたどり着いたチップすら自作する燻製沼の魅力について書いていきます

燻製の様子

自作燻製器をDIYした話

1.先輩に勧められて、木で燻製機初号機を自作

 地元のお世話になっている先輩が燻製にハマっていて興味を持った僕。誘われて一度燻製がどんなものなのかを先輩のところに見に行きました。当時の僕は、燻製はドラム缶や重厚な鉄の箱がないとできないものと思っていました。しかし、そこで見た燻製は木の板(杉)で作った箱に焼肉用の網をセットしたシンプルなもの。しかもその中にキャンプ用コンロを直接封入するという大胆なもので、火事を心配しながらも2時間ほど見守っていました。 
 完成した燻製はポテトチップスとナッツでした。この食材は初心者でも失敗が少ない上に、煙の味の違いが明確にわかりやすいです。その時は桜のスモークチップでやったのですが、とにかくおいしくて感動しました。基本的にスモークチップをつぎ足しながら火を見守るため、意外と炎上は大丈夫そうでした。燻製ナッツとハイボールとの美味しさ、忘れられないな…
 次の日、気が付いたら木の燻製箱(初号機)を自作していました。

初号機  シンプルな設計だけど使い勝手は良い。上スペースのドアは上部に跳ね上げ式

2.温度と時間。燻製製法の種類とは

燻製には大まかにいうとやり方が3種類あります。高い温度(80℃以上とか)で短時間で一気に燻して完成させる初心向けの熱薫、低めの温度(60度程度)で2時間程度でじっくり燻す温薫、専用の装置で煙を冷やして長い時間(1日くらい)かけてじっくり燻す冷薫があります。一般的には熱薫・温薫が多いと思います。

食材の燻製前の乾燥工程。水分は御法度。

 ちなみに、冷薫は難易度がかなり高いようで、ぼくも勉強中です。とりあえずこんなの買ったので試してみるところです。

これは後述する「スモークチップ」を自己燃焼するスモークウッドのように使える、、、らしいので、箱内の温度を必要以上に上げずに、長時間でも低コストでじっくり燻せる予定です。冷薫は煙を冷やして1日以上燻すらしいですよ。

3.スモークチップとスモークウッド

 今となっては結構周知されてきましたが、燻製は煙の発生させる方法に種類があります。
 火源に置いたステンレストレー上で粒状の木のチップを炙って煙を発生させる「スモークチップ」というやり方と、ダンボール箱でもでき、安全で火災の心配の少ない、火をつければ勝手に自己燃焼してくれる「スモークウッド」というやり方に大別されます。

【スモークウッド方式】
長所
:煙量を調整できる・チップが安価・ブレンドが簡単・余ったチップの保管も容易
短所:火源が必要・燻製室内の温度管理が難しい・燻製中のチップの補充が必要・火の使い方を誤ると火災の危険

【スモークウッド方式】
長所:一度着火すると自己燃焼するため、火災の心配が少ない・温度管理しやすい・燻製箱の材質を選ばない
短所:比較的コストが高い・煙のブレンドがしにくい・余った時に保管時の湿気により使えなくなる時がある。


4.自作の木の箱+電熱器+スモークウッドを選んだ理由

 初号機で様々な失敗や研究をした結果、僕は趣味としての燻製に最適な組み合わせを見つけていました。それが木の箱+電熱器+スモークウッドの組み合わせです。

木の箱」・・・DIYが面白い・アレンジが自由自在
電熱器」・・・炎上の心配が少なく、火力が一定で安全。熱薫~温薫自在
スモークウッド」・・・ブレンドが面白く、スパイスや他の樹種も試せる


5.こうして完成した弐号機

 知識を得た僕は、より高みを目指し、木製燻製器弐号樹を製作しました。

弐号機 外観
弐号機 内観。温度計付きです。

様々な燻製方法に対応した弐号機は大型になりました。機能もいろいろつけたのですが、実際に使ってみると大型すぎて煙が足りない(煙の燃料を沢山使うことになる)、熱や外部の湿気で可動部が狂うため、うまく動かなくなる場所がある、などがわかりました。何事もやってみないと、作ってみないと、使ってみないとわからないものですね。

6.最終形態!幻の3号機

 その後、木工技術の粋を集め、非常に膨大な時間をかけて作った3号機。コンパクトな大きさ。完全無垢材で製作してあります。風乾工程、燻製、熟成まで一台で完結します。温度管理から食材対応、シーンに応じたフレキシブルな使い方ができ、熱薫から冷薫まで幅広く対応できる設計です。
 僕はまた素晴らしい製品をこの世に生み出してしまった!!天才かも(笑)

3号機 外観
3号機 一部内観 内部は企業秘密(笑)


 しかし、この子が活躍することはありませんでした・・・そして今いまだに使用していません。それは精密すぎて、熱で無垢材が狂うと動かなくなる場所があるから。使い勝手や性能が下がり、何より作品がもったいないですからね(笑) 木工職人の性ですね。いったい何のために作ったのか(笑) 商品化して販売したい企業さんとかいたらご一報ください(笑)

結論

というわけで、いまだに2号機で燻製しているというお話でした。何事も完璧はよくないですね。ほどほどの出来でちょっと欠点あるくらいが、なんやかんや一番使い勝手がいいのかもしれません。これは一般のDIY工事にも言えることかもしれませんね(笑) 
 次回は、スモークチップを自作して、一般流通していない幻のチップを商品化しようとした話を書こうと思います。
 今後ともディアデザインの活動や記事にご注目いただけると幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。


ディアデザイン  代表:鹿内 浩樹

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