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20年前に甲状腺がんになって得た教訓【身近な人への相談】

私は20代半ばに甲状腺乳頭がんになり、2回の手術を受けました。
そんな若年齢で、まさか自分が癌になろうとは、、、
夢にも思っていませんでした。

そのときの体験談や、そこから得た教訓について
記事をいくつか書いています。

がんになった体験談
がんになって得た教訓【正確な情報収集】
がんになって得た教訓【冷静さ】

今回はその続きです。

がんになって悩んだとき、相談先には結構、苦労しました。
専門機関、専門家への相談はいろいろありますが、
私が現実的に困ったのは、身近な人への相談でした。

というわけで、今回の記事は、
がんになったとき、身近な人では誰に相談したらよいか?
についてです。

なお私個人の経験によるところが大きいです。
独断と偏見ですので、ご参考までに。




1.結論

身近な人で、良き相談相手となるのは 
普段から会話のやり取りがスムーズにできる相手
かつ、
仲が良く、年の離れた兄や姉
もしくは
自分よりもずっと年上の友人

「普段から会話がスムーズにできる相手」というのが大前提。
他の共通点は、
「かなり年上(少なくとも5歳以上)」
「自分に近すぎない相手(つまり親やパートナーではない)」


2.身近な各相談相手

①親への相談...イマイチ

わが子ががんになった親はまったく冷静ではありません
私の母は「わが子が病気になるのは、自分が病気になるより辛い。代わってあげたい。」という感じでした。
父は「どうしていいのかわからない、、、」。
祖父は医師など専門家にお任せでした。
もしかすると自分よりもわが子の方が先に死んでしまうかもしれないのです。取り残される不安も大きかったと思います。

子供の私としては
「親にこれ以上の心配をかけられない」と思い、
親には相談しづらかったです。

そもそも病気のことを伝えるのに勇気がいり、大変な負担でした。
当時でも今でも、私が病気になったとき、
本音を交えて遠慮なく、親に相談できる気がしません。
私は両親との関係は良好で、普段からよく話します。
だからこそ親が心配するのが手に取るようにわかるので、
かえって話せない
のです。

なお「自分ががんであることを、親にどう伝えたらよいのだろう?」という悩みもコチラで相談できます ↓↓↓


②兄弟・姉妹への相談...立場による

私には妹と弟がいます。私が3人兄弟の一番上でしたので
他の兄弟に報告はしても「相談する」という感じではありませんでした。

もし兄や姉(特に年の離れた)がいたら、
良き相談相手
になっていたかもしれません。
それまでの兄弟関係にもよりますが、
仲の良い関係であれば、一番話しやすい相手だと個人的には思います。
身近だけど、近すぎず、頼りやすい相手です。

知り合いの女性に「困ったら、何でも兄に相談する」という方がいました。
それぞれ結婚して子供もいるのですが、普段から家族ぐるみの付き合いで仲も良いそうです。
心底うらやましいです。
私にもこんなお兄さんがいたら、一番に相談していたことでしょう。

③友人への相談...相手による

私は、がんであることを話せる友人もいませんでした。
少ないながら友達はいましたが、話すことはできませんでした。
友達がみな遠いところにいた、というのも大きかったです。
「物理的な距離」って「心の距離」と比例するわけではないけど、
どうしても疎遠になりますよね。

私ががんになった20代では、病気に縁のない人も多いです。
仕事、恋愛、結婚、人によっては育児、と何かと忙しいことでしょう。
このような相手に、がんの相談をするのは、現実的ではないかも?
「がんになって辛い気持ち、苦しい気持ちを聞いてもらう」
というのはアリでしょうが、なかなか共感は得にくいでしょう。

デリケートな話なので、相手を選ばないと、
自分が傷つくことになるかも
しれません。
病気のない友人と、がんになった自分とを比較してしまい、
暗い気持ちになってしまう可能性もあります。

結局、「人による」「相手による」のではありますが、
20~30代と若く、病気経験のない友人であれば、
親友でない限り、話さない方がよいのでは、、、
と個人的には結構強く思います。

もし自分よりもずっと年上の友人がいれば、
良き相談相手になってくれたかも
しれないと思います。
がんは、病気だけの話ではなく、人生全体に関わる話です。
なので、人生経験豊富で視野の広い方の意見は
とても参考になる
と思うのです。


④パートナー...伝えておきたい

私が20代でがんになった当時、
パートナーはいませんでしたが、
もしいたら一番に伝えていたでしょう。

結婚していても結婚していなくても、遠距離恋愛でも別居でも、
パートナーにはがんになったことを、早めに伝えておいた方がよい
と思います。

パートナーは一番身近な相手と言えます。
その相手にがんを伝えられないようであれば、
心が通い合った関係とは言いにくいです。
弱音を吐ける、弱味を見せられる相手でなければ長続きもしないでしょう。
「大切な相手だからこそ心配かけたくない」という気持ちがあっても、ずっと隠しておける相手でもないと思います。

あなたが、がんの不安や恐怖でつらいとき、
その異変にパートナーも気づくでしょう。
逆にまったく気づかないパートナーって、いかがなものでしょうか? 
そんな2人であれば、今後の先行きが危ぶまれます。

ここで区別して頂きたいのは、
「がんであることを伝える」のと
「がんの悩みを相談する」というのは別
だということです。
パートナーにはがんであることを早めに伝えるべきだけど、
悩みを相談するかどうかは相手との関係性次第
、と思います。

「がん」という大きな病気になったからこそ、
関係性が明らかになったり、深まったり、
といった新たな気づきがあるのではないでしょうか。

ただし「たいして好きでもないけど付き合ってる」とか
「仮面夫婦」とか、そもそもの関係が希薄な場合は別です。
前項〔③友人への相談〕と同程度に考えればよいかと思います。

⑤仕事仲間...伝える必要出てくる

がん治療や体調不良のため、
仕事を休まざるを得ない場合が出てくると思います。
なので、どこかのタイミングでは伝える必要が出てくると思います。

業務連絡上、自分ががんであることを伝えるにしても、
仕事仲間にがんの悩みを相談するか?は相手との関係性によります。
その仕事仲間を友人と言えるほど親しいかどうか?です。
友人であるならば、前項〔③友人への相談〕と同じように考えたらよいと思います。


3.がん経験者(私)からのメッセージ

① 1人で悩まないで!

私の場合、結果として「1人で抱え込んで悩む」ような形となりました。
まぁ元々、1人で抱え込んでしまいがちな性格ではあるのですが、、、

今思い返してみると「1人で抱え込まず、もっといろんな人に相談すればよかったのに」と思います。
もう終わったことなので、たいして後悔はしていませんが、
若い頃の自分を憐れ(あわれ)に思います。

もし今、がんになって、どうすればよいか?と悩んでいる方がいたら、
経験者の私から一番伝えたいことは
「1人で悩まないで!」ということ
です。

かりに親兄弟、友人などいなくて天涯孤独と感じている人であっても、
無料で相談できる場所はたくさんあります。
ぜひぜひご活用ください!


② 民間療法は医学的治療と並行して!

医学的治療ではなく、民間療法に頼る人もいると思います。
スピリチュアルとか宗教に走る人もいるかもしれません。
人それぞれの選択なので、気の済むようにやればよいとは思います。

しかし、いざがんになってしまうと
時間的猶予(ゆうよ)に限りがあります

なので、何か1つの方法に頼るのではなく、
通常の医学的治療も行って頂きたいです。

「民間療法の効果はない」「民間療法はダメだ」
と言うわけではありません。
例え効果のある民間療法であっても、
がんの大きくなるスピードに間に合うかどうか不明
だからです。
一般的にがんの大きくなるスピードは、
高齢者ではゆっくりですが、若者はとても速いです。

がんの場所によるのですが、
がんが大きくなると通常の機能に支障を来す場合があります。
例えば消化管のがんが大きくなると、食べ物の通過障害が起こるなど。

どんな民間療法をされたとしても
通常の医学的治療と並行して行っていただきたい
です。

ちなみに私は民間療法は行っておりません。
当時そういう発想はありませんでした。
なので残念ながら民間療法については詳しいお話はできません。


③ やっぱりコレは欠かせない!

何はさておいても一番には正確な情報収集です。
国立がん研究センターが作成した『がん情報サービス』では、
情報収集も、がん相談もできます。いずれも無料です。
がん告知されたらまず最初にアクセスしていただきたいです。

そして何でも相談されてみてください。
がんになって悩む内容はみな同じです。
相手はプロで慣れています。遠慮はいりません。

正確な情報収集についてはコチラ ↓↓↓


最後までお読みいただき、誠にありがとうございました!
少しでも参考になれば幸せます♬

サポートのお気持ちはありがたいですが、ご自身のためにお金を使ってほしいです!どうぞご自愛くださいませ(^^♪