見出し画像

【海外登山5】@ キルギスタン 「“天体の湖”を目指して」 ピークパタムシュタ (4080M)+パンダ・パスの登り方 

イントロ

シルクロードの拠点として、
ひっそりとたたずむタシュラバット。
そのさらに南には、両側に壁のようにそり立つ谷と
天をも映し出すとされる大きな湖
チャトゥル・クル湖がある。

キルギスのタシュラバットを起点に
パンダパス(Panda Pass)とピークパタムシュタ(4080M)に
2回登ってきました。
一度は自分の足で、
二度目は馬に乗っての登頂でした。
タシュラバット川を縫うように続く谷は圧感です。
また、終点のピークパタムシュタから眺める
チャトゥル・クル湖の壮大さも一見の価値があります。
また、馬の目線から眺めると、
全く違う見え方がして、とても興味深かったです。

タシュラバットが起点となるので、
訪れた方は、是非足を伸ばしてみてください。
この度は、
パンダパスとピークパタムシュタへの登山行程と難易度、
道の紹介(歩行編と騎乗編)

また、そもそも、
タシュラバットの場所や行き方、
楽しみ方や宿泊
などに興味のある方は
キルギス3つの秘境への行き方#1:概要/準備編
キルギス3つの秘境への行き方#2:タシュラバット編
の記事をご覧ください。


登山行程

歩行距離: 約22km
日数: 1 日
往復歩行時間:11時間
休憩時間:約1時間
獲得標高: 960M
開始地点: Naziraユルトキャンプ(3120M)※1
往路終点:ピークパタムシュタ (4080M)
復路終点: Naziraユルトキャンプ(3120M)

[歩行編]
8:00:Naziraユルトキャンプ
↓4.5KM
9:30:川から逸れて東側丘に登る
↓3KM
11:00:山の突き当たるので東に逸れる
↓3.3KM
14:30:パンダパス (4025M)
↓480M
15:10:ピーク・パタムシュタ (4080M)
↓11KM
20:00:Naziraユルトキャンプ
     到着後、サウナに直行

[乗馬編]
9:50:Naziraユルトキャンプ
↓10.6KM
12:30:パンダパス (4025M)
↓480M
13:20:ピーク・パタムシュタ (4080M)
↓11KM
15:40:Naziraユルトキャンプ
     到着後、例にならってサウナに直行


難易度


体力※2  :★★★★☆
技術※2  :★★☆☆☆
アクスセス:★★★★☆
(★が多ければ多いほど難易度が高くなると考えてください。)

・体力面
序盤は非常に景色が良く、
なだからな谷間を歩いていくので、
足取りは軽いです。
谷を超えて、いよいよ
ピークパタムシュタへの登山が始まるところから、
一気に獲得標高が増えるので、
勝負は後半戦だと思っておいてください。
また、疲労や天候の悪化の恐れがある場合は、
この谷間だけ見て引き返すのもいいでしょう。
また、スタートから標高が高いのです。
タシュラバット到着時すぐに登山をせず、
ユルトで一泊二日して、
休息をとりながら、高さに順応しましょう。

加えて、もしも体力に自信がない方は、
ホースライディングもおすすめです。
Naziraユルトキャンプ主催の
ホースライディングツアーに参加しました。
歩くより格段楽でした!!
加えて、
馬目線から眺める雄大な自然は
特別な経験です。
農耕民族とは違った視座で
自然をとらえることができるかも。

・技術面
基本的な登山用品は必須です。
山ぐつ、雨具、軽食、
フリースやダウン
オフラインマップ(MapsMeがおすすめ)など、
忘れず持ち歩きましょう。

・アクセス
タシュラバット付近の
ユルト、またはキャンプ場が起点です。
タシュラバットまでの行き方と
宿泊については、
キルギス3つの秘境への行き方#1:概要/準備編
キルギス3つの秘境への行き方#2:タシュラバット編
の記事をご覧ください。

※1:Naziraユルトキャンプ
タシュラバットから一番外側にある
ユルトキャンプです。
宿泊、朝食、夕食、乗馬、
キャンプまで幅広く
対応していただきました。
オーナーのNaziraさんは、
英語が話せるので、
そこも本当に助かりました。

※2:登山難易度について
本記事では、
YAMA HACKの基準を参考にさせて
いただいております。
気になる方は、
下記のリンクよりご確認ください。


写真で眺める実際の行程

ここからは筆者の登山行程です。
重要な箇所には、Google Mapの
リンクを貼っておきます
加えて、Maps Meで検索できるように
実際の表記も記載しておきます。
気になる方は、マップを辿りながら、読み進めてもいいかもしれません。

朝8時に登山開始。
犬とロバに囲まれた平和な朝でした。
天気も良好でした。
序盤の作戦はシンプルで、
南側に伸びるタシュラバット川に沿って、
ひたすら歩いていくことです。

Naziraさんのキャンプ場から見える形式。しばらくは、ただひたすらまっすぐ進みます!!

道すがらに100%遭遇する
マーモット(キルギス語でスール)さん達。
寝ぼけて油断しているのか、
なかなか巣に戻らなかったり、
川の音で人間の足音が聞こえず、
水を飲むことに集中していたり。
可愛いいヤツらです。
仲間に危険を知らせているのだろうか。
ぼうっとしているマーモットがいると、
どこからか仲間マーモットが
叫び、危険を知らせていました。
それにしても、
人よりもマーモットの方が多い、
タシュラバットです。

警戒するマーモット
油断するマーモット

この空き家と建設中のレンガ積みを通り過ぎたら、
川の右側に渡るサインです。
道が見えると思うので、
その丘を上がっていきます。

空き家とレンガ積みです。これが見えたら、川の向こう側に気を配りましょう。
向こう側に登山道が見えます!!

丘を上がりきると、別の谷が続いています。

左には切り立った崖、右には山の峰々が続きます

途中で犬たちが合流してくるかも。
牛飼いと羊飼いの飼い犬で、
一切危害を加えてきません。
近くで、乗馬のツアーか
牛飼い/羊飼いがいる可能性があります。

主食はマーモットだそうです

この谷と切り立った崖の下にある川沿いを
まっすぐ進んで行くと
いずれ山に突き当たります。
ここを東側に逸れます。

そうするといよいよ登りの時間です。
ここからが一番きついです。
ガレ場なので、相当気を使ってください。
途中、ホースライディングツアーの方々に
会うと思います。
彼ら、彼女らが応援してくれるので、
その応援に応えましょう。

ガレ場が続きます

いよいよパンダパス(4025M)です。
ピーク・パタムシュタまで、
500Mをきっています。

パンダパスから見たピークパタムシュタ

疲労感と達成感を抱きながら、
いよいよチャトゥル・クル湖を眺めることができました。
写真は敢えて載せていません。
ご自身で是非その景色をみてきてください。
空腹と寒さで、頂上に留まらず
ユルトへの帰還を目指しました。
パンダパスとピーク・パタムシュタでは、
暴風になりやすいので、
気をつけてください。

ユルトに戻ってまず最初にしたことが
サウナ浴でした。
Naziraユルトキャンプでは、
宿泊者、または、ホースライディング参加者に
無料でサウナを貸し出してくれます。
温かいモクモクなサウナの中で、
お湯をかけて汗を流す。
絶頂です!!

サウナと体を洗い流す場所。
夕食も豪華。この後に、メインの自家製のヤクのお肉も出ました!!

アクセス

起点となるタシュラバットへの行き方や
注意事項などを詳しく書いた記事があります。
キルギス3つの秘境への行き方#1:概要/準備編
キルギス3つの秘境への行き方#2:タシュラバット編
有料ではありますが、気になる方は、
是非読んでみてください。
きっと参考になるはずです。


コラム:キルギス語とロシア語

2019年にキルギスタンが好きになって、
早4年が過ぎた。
次にキルギスタンへ行くまでに、
必ず、キルギス語を勉強して、
基本的な会話ができるようになっていこう!!

そのモチベーションは打ち砕かれた。
キルギスタンの外で、
なかなか学習教材や学習機会がないのだ!!

キルギスへ出国する半年前の2022年9月。
いよいよキルギス語に手を出してみようとした。
Youtubeにて基本的な文法や挨拶フレーズを学べる
チャンネルがあった。
そこで、総合的な文法事項やフレーズが学べると
思っていたが、
途中から、単元にまとまりがなくなり、
一気に難易度が上がってしまった。

今度は、教科書を買ってみようと思い、
アマゾンへ駆け込んだ。
そうすると衝撃的な価格を突きつけられる。
なんと10000円!!
その他の英語の教科書もあたってみたが、
無料で音声データがもらえるサイトが
実は存在しなかったりと、
有効な学習方法が見つからない。

言語交換サイトでも、
素人からたどたどしい英語で教えてもらう
キルギス語授業はイマイチでした。

仕方なく、基本的なフレーズを
英語のサイト、またはウズベク人の友達から
拾って、それを覚える作業に従事した。

そんなか、
親しいウズベク人の友達から一言。
「ロシア語を勉強したら?」。
中央アジアからコーカサス地域にかけて
ソビエト連邦に取り込まれていた国々では、
ロシア語を話せる人が大半だそうだ。
加えて、
2022年から2023年にかけて、
ドストエフスキーの『Crime and Punishment』
ツルゲーネフの『初恋』
ウラジミール・ソローキンの『愛』(←変態にオススメ!!)
などのロシア文学作品を読了し、
ロシア文学に対する興味も湧いてきていた時期だった。

キルギスと中央アジアへ行くこと、
ロシア文学の面白さ、
この二つが揃った結果、
私のロシア語学習が始まった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?