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今夜、よるの中で。

久しぶりに夜のお散歩をしながらnoteを書いてみる。

ここに引っ越してきて一年が経った。
隣の区に引っ越しただけなので何が大きく変わるわけではないけれど、
生まれてからずっと過ごしてきた街を離れるのは不思議な気持ちだった。

前はオフィス街のような場所に住んでいて、
今は住宅街に住んでいる。
田舎に引っ越したわけでもないのに、夜がこんなに静かなことに驚いたのがつい昨日のことみたい。
独特な空気。
この夜の中を歩いていたら、
どこまでだっていけそうな心地よさがあった。

悲しいニュースばかりが飛び込んでくるから
去年の夏は心が痛くて、
感情が波立たないように真夜中を毎日外で過ごした。
たくさんの言葉を書いて、
音楽を聴いて、夜と手を繋ぐ。
一人で過ごす時間の透明度に依存して、誰ともわかり合いたくないとさえ思った。

1年経って、また夏が終わろうとしてる。
いろんなものを手に入れて、同じ分だけ手放した。同じ分だけ失った。
目まぐるしく、確かに変化していく私の世界。

自覚があるから言うけれど、本当に未熟で仕方のない人間。良いところなんて一つもないんじゃないかと思ってしまうくらい、自分を矯正している毎日だ。

ありのままで好かれるなんて、綺麗事だと思う。
運命も縁も、正しい努力なくして続かない。
そう思い違いをしていては、傲慢であってはいけないと思う。

続けていく努力をしてこなかった。
他人なんて大嫌いだと遠ざけて、努力できない自分を見てみぬふりしてきた。
多分、今までは。


頭では分かっていても自分に浸透しきらなかったこと全てが、全部今になって目の前に現れる。
乗り越えられない限り何度でも繰り返すカルマのような、自分のターニングポイント。
目を逸らさず過ごす。
決して楽ではない。
でも、繰り返す苦しみの方が耐え難いと分かってる。

分かっているならそこへ向かえば良いだけなんだ。遠回りは散々してきたし、もうお終いにできるだろう。
この15年くらい、自分を苦しめていたものをいい加減手放す時だと思うんだ。


***


真夜中は不思議で、匂いや湿度、質感に触れるだけで今まで過ごしたどの夜とも繋がっている。
聴いていた音楽、口ずさんだ歌、言葉、全部と繋がって、今夜を過ごしているということ。
今までの全てがあったから、今、あなたと向き合っているということ。

それを忘れない。
夜を歩くたび、なんどでも。



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