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アジアの次に来る地域「アフリカ」

2018年から2022年の間に、最も経済成長した国はどこなのか、答えから言うと2015年にエクソンモービルが石油資源を発掘したガイアナ(南米)が1位となっている。ガイアナの名前を聞いたことがある人は少なくないかもしれないが、それがどこにあるのかまで知っている人は少ないのではないだろうか。そのうえで、ここ最近の経済成長著しい国はどこに多いのかもなんとなくしか知らない人が多いだろう。


経済成長世界ランキング(2018 - 2022)
1位 ガイアナ(5年平均:27%)
2位 アイルランド(9.14%)
3位 タジキスタン(7.36%)
4位 モルディブ(7.12%)
5位 エチオピア(7.1%)
6位 バングラデシュ(6.52%)
7位 ルワンダ(6.48%)
8位 ベナン(6.12%)
9位 ニジェール(5.82%)
10位 ベトナム(5.68%)
11位 タンザニア(5.68%)
12位 コートジボワール(5.5%)
13位 ウズベキスタン(5.4%)
14位 中国(5.28%)
15位 ナウル(5.22%)
16位 ギニア(5.1%)
17位 エジプト(4.84%)
18位 アルメニア(4.78%)
19位 コンゴ(4.76%)
20位 ジョージア(4.72%)
※太字はアフリカ

アフリカ:9か国、アジア:8か国、欧州:1か国、オセアニア:1か国、南米:1か国

すでにアジアの世紀ではない?

エコノミストの多数が21世紀を「アジアの世紀」と称したり、経済の欧米からの中心軸移動「アジアシフト」と表現するなど、ここ最近は中国やインドを中心としたアジア圏の勢いが凄いのではないかと考えることが多い。しかし、直近数年における経済成長率だけ見ると、アジア圏は確かにすごいが、それ以上にアフリカ地域の発展も見逃せないところがある。

中でもアフリカ地域の経済成長は目を見張るものがあり、21世紀後半にかけてアフリカが世界をリードするという話は最近ではよく聞くところである。

ここ5年間で経済成長率が特に高かったアフリカ諸国は、コンゴ、エジプト、ギニア、コートジボワール、タンザニア、ニジェール、ベナン、ルワンダ、エチオピアが挙げられ、上記ランキングでは最多の地域となっている。

なぜ援助国から超成長地域になったのか?

2021年に4.3%、2022年に3.8%を記録したアフリカの経済成長率だが、2023年も4%台に乗るのではないかとみられている。これまで低成長で発展しない地域だと思われてきたアフリカが、なぜここへきて爆速成長を見せているのか、疑問に思うところは多くある。

しかし、前提としてアフリカの経済成長率が高いのは今に始まった話ではない。ここ2,3年で、アフリカがこれから来る!という話を聞くことはあるが、高水準の経済成長率は2000年代初頭からたたき出していたことは重要な事実といえる。ことアジアの成長センターとして現在世界から注目されている中国も、1900年代後半にかけて10%を当たり前のように超えていた。

莫大な人口を抱えるようになる

あくまでも予測ではあるが、今世紀の後半において世界で最も人口の多い都市となることが見込まれているのはアフリカに集中している。

2075年における世界都市人口ランキング予測
1位 キンシャサ・コンゴ民主
2位 ムンバイ・インド
3位 ラゴス・ナイジェリア
4位 デリー・インド
5位 ダッカ・バングラディッシュ
6位 コルカタ・インド
7位 カラチ・パキスタン
8位 ダルエスサラーム・タンザニア
9位 カイロ・エジプト
10位 マニラ・フィリピン
13位 東京・日本

あれ…中国は?

2075年時点でも、トップ10に4つランクインしているが、2100年になると5つランクインすることになる上、トップ10すべての都市が南アジアかアフリカに所属する見通しだ。

時間差で来る?

経済成長率が10%を超えるというのは今の日本に住んでいるとにわかには信じられないようなことが起きていると思うことがある。しかし、この国でも経済成長率10%越えが当たり前だった時代はあった。それが1950年代後半から70年代だ。

この時期の日本の経済成長率は当然のように10%を超えており、今の南アジアやアフリカと同じような状況にあったことが言える。現在の西側先進国は高くても5%くらいの成長率にとどまるものの、どの地域でも今のアフリカのような成長率フィーバー時代はあったのは確かでもある。これから導かれる仮説は、成長率ブーストから巨大都市の出現が起きるのは必然ではないかということだ。

イメージに反する実像

アフリカがRiseするということに対して、あまりイメージがわかないのは確かだ。いくら経済成長率が高くて、40年後には現在の先進国のような姿になってると言っても、キンシャサやラゴスの現状から逆算して、パリやロンドン、東京に深センのような大都市が出現する未来は直感に反する。しかし、それは高確率で起こると言われる未来であり、否定はできない。

このまえ、世界の成長センターは西に進みがちだということを書いたが、これは本当に偶然である。別に今インドが熱いからといって、その次がアフリカになるという根拠はないし、そういった方程式もない。ただ言えることは投資マネーは集まっており、それに見合ったリターンが見込まれると言われているということだけだ。

おまけ

アジアの世紀(太平洋時代とも言う)に関する知識として、1924年当時から現在の日本中国インドが成長していくだろうということは言われていたとのことだった。これは20世紀「アメリカの世紀」、19世紀「欧州の世紀」に次ぐ時代だとされる。この記事では、かつてのアジアを現在のアフリカに見ている。

とはいえ、潜在的な超大国として考えられる国のポジションにアフリカ地域からは一か国もエントリーしていないことは不思議である。

ただ、アフリカが来ると断言されている以上、「人口増加と世界への影響力」は比例するといえる。それがただのマネーの移動だというならば別段欧州が世界の中心であり続けてもおかしくはない。しかし、現在欧米の人口は減っており、アジアやアフリカは増えている。そのうえでアジアシフト、アフリカライジングと言っていれば、人口が正義と考えてもおかしくはない。

覇権国について

他にも、個人的に発言している「覇権国」という言葉については以下の記事ある「世界経済の中心地」と考えてもいいかもしれない。下記によれば、覇権国ではなく世界経済の中心とすることで、そこは海の上かもしれないが、実際どこを中心としているのか具体的に知ることができる。


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