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251 高校入試


はじめに

山梨県内は、中学入試はここ2週間が山場です。都内の中学受験は2月1日から順次始まっていきます。
高校入試の日程もいよいよ山梨県内では私立を筆頭にいよいよ動き出しました。今日のコラムでは、高校入試のスケジュールの把握と全体の傾向などを簡単にお話しした後に、おすすめの社会の問題を少し紹介したいと思います。

山梨県内の高校入試のスケジュール

進学志望者の最も多い、公立高校の全日制の日程を中心に紹介します。令和6年の入試日程は次のようになっています。前期募集(推薦入試)と後期募集(一般入試)に分けてまとめると次のようなスケジュールと内容になります。大雑把にまとめてありますので細かなところは、各学校のホームページでよく確認してください。

前期募集

【試験日】令和6年2月1日(木)、2日(金)
【合格発表】令和6年2月9日(金) ※内定通知
【前期募集を実施する学校の割合】 約70%以上
【学力検査】5科目の学力検査という形の内容は行わない
【検査内容】作文・特技・個性表現のいずれか、または複数を実施

【内申点の算出方法】(※重要)
 ■1年生の5教科(英語・数学・国語・理科・社会)×5段階評定×2
  +4教科(音楽・保健体育・技術家庭・美術)×5段階評定×3
 ■2年生の5教科(英語・数学・国語・理科・社会)×5段階評定×2
  +4教科(音楽・保健体育・技術家庭・美術)×5段階評定×3
 ■3年生の5教科(英語・数学・国語・理科・社会)×5段階評定×2
  +4教科(音楽・保健体育・技術家庭・美術)×5段階評定×3
 ■特別活動30点
 ◎この4項目の合計を360点満点として計算

【合否の判定】
 調査書、面接、作文、個性表現等の成績を総合して判定する

【前期募集の定員数】
 普通科、理数科、文理科、英語理数科、探究科は募集定員の40%以内
 工業科・農業科・商業科・総合学科は募集定員の50%以内

前期募集の中身や配点を見てみるとわかることは、「日々の努力」がいかに重要かということだと言えます。中学校生活において1年生から成績をしっかり残していくことで、前期試験という学科試験ではない、それまでのスコアを中心にした評価を受ける機会を手にすることができるのです。
一発試験は、緊張するであるとか、時間内にたくさんの問題を解くことは苦手だけれどじっくり少しずつ学習した成果を発揮することは得意だという人は、定期試験を丁寧に取り組んでいくことで、前期日程で合格を決めることができるでしょう。
周囲の生徒の半数が、2月の勝者として学校生活をおくる中、3月の受験に向けて試験勉強を続けていく生徒もいるという状況を想像すると前期日程で自分の志望校を決められるようなら決めたいものではないでしょうか。

後期募集

【入試日程】令和6年3月5日(火)  ※すべての公立高校で実施する
【合格発表】令和6年3月12日(火)
【学力検査】合計500点満点で実施
  ■英語 100点(45分・リスニングを含む)
  ■数学 100点(45分)
  ■国語 100点(55分・作文を含む)
  ■理科 100点(45分)
  ■社会 100点(45分)

【内申点の算出方法】
  ■1年生の5教科(英語・数学・国語・理科・社会)×5段階評定×2
   +4教科(音楽・保健体育・技術家庭・美術)×5段階評定×3
  ■2年生の5教科(英語・数学・国語・理科・社会)×5段階評定×2
   +4教科(音楽・保健体育・技術家庭・美術)×5段階評定×3
  ■3年生の5教科(英語・数学・国語・理科・社会)×5段階評定×2
   +4教科(音楽・保健体育・技術家庭・美術)×5段階評定×3
  ■特別活動30点
  ◎この4項目の合計を360点満点として計算

【合否判定】
 ・調査書(内申点360点満点)+(学科試験)学力検査点500点満点
  合計860点満点で合否が出る 

ここまで見て分かるように、前期日程との違いは圧倒的に学科試験の占める割合が多いというところになります。約3:5の比率で学科試験により合否を決するわけです。では、次にこの学科試験の平均点と出題傾向がどの程度なのかを見ていきましょう。
例年、5科目の平均点の合計は約260点前後となります。つまり、マクロに見ると260点以上であれば、あとは倍率だけ気にして受験すれば、後期日程で高校進学を決めることはさほど難しくないことになります。場合によっては、ここに倍率や偏差値を気にしてみていく必要が生じます。例えば、人気の高校を受験する場合は、5科目400点でも厳しい状況もあるわけです。

学力検査の平均点と出題傾向

県立高校の入試における各教科の平均点と主な出題内容
・英語・・・48点 リスニング/長文読解(対話・随筆)
・数学・・・53点 基礎計算/基礎小問/文字式の利用/確率
         /関数(1次・2次)/図形(相似・空間・三平方)
・国語・・・56点 漢字/表現/随筆/古文・漢文/説明文
・理科・・・56点 地学(地球・宇宙・地震)/生物(遺伝・植物)
         /化学(状態変化・金属の酸化・物質の質量)
         /物理(光・運動とエネルギー) 
・社会・・・52点 地理(世界・日本)/歴史(縄文~現代・一部世界史)
         /公民(政治・憲法・裁判・経済活動・暮らし)
         /総合問題(地理・歴史・公民の3要素)

試験まで後1カ月で得点を伸ばす

今日は、2冊の問題集を紹介します。いずれも短期間で社会科の試験の最終確認をするために最適だと感じています。一冊は、「高校入試必須事項の完成 社会」という問題集です。もう一冊は、「高校受験 入試直前12回 社会」という問題集です。
この2冊の内、「高校受験 入試直前12回 社会」のサンプルページを使って問題の傾向や残り1カ月の学習についてお話して、今日のコラムのまとめとしたいと思います。

高校受験対策問題集(社会科)
高校受験 入試直前12回 社会 サンプルページより

高校入試の試験は、基本的に中学3年間の学習内容から出題されるわけです。その内容も範囲も膨大です。だからこそ、必ず覚えておいてほしいことや知っておいてほしい基礎学力の部分や基本的な内容が厳選されて出題されるわけです。
そんな広範囲の学習内容「高校入試必須事項の完成 社会」では、基礎基本をしっかり確かめることができます。記述問題も基本的な内容が理解できていないと、考えをまとめることが難しい状況になります。短期間で基礎基本を整理して、確認するために用いるのはこうした問題集が向いていると思います。
そして、2冊目の「高校受験 入試直前12回 社会」ですが、近年の高校入試の傾向は少しずつ変化していますので、実際の入試に近いスタイルのテスト集で学習することが大切です。
短期間の実力アップには、基礎基本の確認とテストスタイルの学習の組み合わせが重要になります。
前半は、よく出る問題が単元別に整理されているので、広範囲の学習を効率よく進めていくのに向いています。後半は総合問題形式になっています。より、実践力が養成できます。どのような問題が苦手なのかを把握し、入試直前の弱点の補強につなげることができます。

受験は、中学1年生になった瞬間から始まっていて、その道のりは決して平たんなものではありません。場面場面で準備されている学校の定期試験、毎日の授業、特別活動の実績など積み上げるものは積み上げていかなければいけないのです。
中学3年生のこの冬の自分は、すでに中学1年生から始まっている自分づくりのその一部ということをしっかり認識しておくことが肝心だということです。

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