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都市空間に生きることと人間の身体性の関係~養老孟司ReHacQ談義より

最近養老孟司の話をyoutubeで聞くのにはまっています。RehacQというチャンネルで聞いた人間生活における身体性と都市生活についての養老先生のお話を半農半Xに絡めて紹介します。

非農業従事者=都市生活者です。

まず、都市生活とはってことですが対立概念の農業生活から考えると掴みやすいんです。農業生活とは生産活動に従事し必要があれば自力で食料にアクセスできる自給自足可能な生活のことです。
では都市生活はというと、例えば東京の人間は様々な職業に従事していますが食料の生産に関わることはできません。仕事で稼いだお金で生きるのに必要な食料を買わないと生きていけないのが都市生活です。

現代の多くの人の生活は都市生活に当てはまります。ここで現代人は生きるための活動(仕事)と食べ物の獲得行為(生産)が分業されていることが問題である、つまり都市生活にはサバイブしている実感がないというのが養老先生の意見です。養老先生は都市生活を脳に化けると書いて「都市の脳化」と表現していましたが、要するに生きている実感には身体感覚が重要だと言っています

ここからは言い過ぎかもですが、狩猟採集や農耕作業の実感が地に足のついた感覚、生き生きとした生の実感を養うのであって、身体感覚の喪失が都市生活者における根本的な孤独感や自己肯定感の低下を促しているのかもしれません。「生きがい」や「推し活」といった現代人のエネルギー補充活動は少し頭でっかちな方法で、都市生活に疲れた脳は脳を使うことじゃあ癒やされないんだよと諭しているように僕は感じました。
※身体感覚の重要性はこの話以外でも養老先生の話でたびたび登場するので、いつかまとめられたらと思います。

この話の着地点は、農業をしろと言うわけではなくて、地方にも生活拠点をもった2拠点生活や地方移住ができるといいよねということです。コロナ禍のリモートワークの推進で現実味を帯びてきましたが、自分も今春から京都市の端に住んで仕事をするので実践できてる寄りなのかな?と思っています。

それにしても養老孟司先生は教育者ですね~。どの講義動画を見ても語り口が柔らかくかつ信念があって完全に生徒の立場で視聴させていただきました。や、生きておられるうちに生でお話伺いたいですね。


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