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男女双子の妊娠と出産のハナシ

双子の妊娠発覚。まさかの予兆あり・・?

妊娠が分かったのはとても寒い12月中旬だった。
もしかして・・・?と思い、妊娠検査薬を購入。
陽性であることを確認して産婦人科へ。

エコーでしっかりと袋が出来ていることが分かったが、心音の確認は年明けとなった。
コロナの影響で病院に入れなかった主人は近くのカフェで待っていたので、すぐに主人にも報告。
二人目を授かることが出来た嬉しさと共に、考えていた年越しのご馳走は生モノ、アルコールが全変更となった。(笑)

そして、年が明けて1月上旬。
ドキドキしながら心音を確認しに病院へ。

いざエコーで見てみると先生が静かに画面をよくよく見ている。
私も画面をよくよく見る。
うん?・・・まさか?
なんか2つの空間があるような・・・んんんんん・・・??
という心の声が聞かれた!と思うほどタイミングよく先生が優しい声で
「双子ちゃんですね」(めっちゃ冷静)
「えええええーーーー!!双子?!」
ドラマのワンシーンのように大きな声が出た。もう反射的に出た。
病院で大きな声を出して、すみません。

前回の確認時、1つの袋とその横に小さな影のようなものはあった。
「出血の跡かな?いずれにしても心音確認時に見てみよう」
と、先生に言われていたが、まさか双子だったとは・・・

嬉しさも、不安も、夢のような感覚も全てが混ざったフワフワした気持ち。
帰りに母子手帳を取りに行き、2冊手にした時はジワーッと双子の実感。
主人に電話すると驚きながらも「双子を育てている夢を見たんだよね」と。

「ええええええーーー!!!」本日2回目の大声。
そんなことってある?
ほんと、ドラマみたいなことが起きる1日だ。

家に帰りながら、いろいろ考えた。

え、2人同時に泣いたらどうするの?
え、授乳ってどうやってすればいいの?
え、子供部屋、足りなくない?
え、お風呂入れるの無理じゃない?
え、全部2つずつ必要なの!?

そんな事を考えていたら想像だけでカオスになり、不安を通り越して、なんだか笑えてきた。マスクの下でニヤニヤ。
さて、これから。
想像もできない双子の妊娠、出産に向けて1日1日が進んでいくのである。

頼りになるのは先輩たちの声。

さて、どうしようか。(笑)

まずは軽くパニックになっている思いを親友に聞いてもらった。
そして、何よりも先輩パパ・ママの話を聞くのが1番!
と、言うことで双子親の交流会に参加した。

心音を確認したばかりだけど
これから何が大変で
これから何が必要で
これからどんな準備をしておけばいいのか
聞きたいことが沢山あった。

結論、「行ってよかった!」に尽きる。
やはり先輩パパ・ママの声が本当に参考になる。
そして、不思議と不安が和らいで、頑張ろう!と思えた。

先輩パパ・ママ達はワハハッ!と笑いながら、日常的に大変なことを話しては、みんな「わかるー!」と共感の嵐。
逞しいな、強いな、凄いな、と素直に尊敬の眼差しで聞いた。
あと数ヶ月後には自分もそんな風に話せるのだろうか。

自分の中で重要だったのは、管理入院をすると思っていた方が良い、ということ。
ママと会えないことを我慢してお家で頑張っている上の子を思っては、泣いているママが沢山いた。

多胎児妊娠は、ハイリスク妊娠であることを改めて強く感じるアドバイスだった。

最後に
「身体を大切に後悔しないように過ごしてくださいね」
と、先輩ママが声を掛けてくれた。

気負い過ぎず、
でも心身を大切に、
どんなことがあっても後悔しないように、
自分の納得いくように過ごそう、と思った。

「無理しないように」って何だ???

コロナの影響により仕事が在宅業務となったのは有り難かった。
まだ、妊婦へのワクチンの安全性などが確実に分かっていない時期だった。
感染リスクはもちろん、ラッシュ時の通勤を避けられたことは、心身のストレスが溜まらず、穏やかに居ることが出来た大きな理由だったと思う。

双子となるとお腹の大きくなるスピードが、とにかく速い。

多胎児妊娠のことを色々調べると「無理しないように」と書かれている
「無理」ってどの程度なのか・・・?
全く動かないのも体力落ちるし・・・
それなりに動くと負担かかるかな・・・

こちらには2歳児のお世話もあるのじゃ!
「無理するな」なんて分からん!という気持ちになったので(笑)
とにかく規則正しい生活を心掛けた。

  • 3食しっかり食べる(お腹の子にちゃんと栄養を与える)

  • 早寝早起きする(しっかり睡眠を取って体力を回復する)

  • 掃除や家事はサボらない(軽く身体を動かしてリフレッシュする)

  • 土日は長女と無理ない範囲で散歩する(上の子との時間も大切にする)

しかしながら、毎日2歳児のお世話をしていると自分の身体を労わるよりも、否応なしに何事もキビキビと動いていた気がする(笑)

とにかくお腹が大きくなるスピードが速い
とにかく毎日育児・家事・仕事で忙しい

そんなスピード感であっという間に週数を重ねていた。

そして、その時はやってくる。

多胎児出産ということで計画的に帝王切開と決まっていた。
手術日に向けて少しずつ入院の準備を始めた。
そして何より、管理入院の場合を考えて30週の頃には入院準備を詰めたトランクを部屋に置いておいた。
健診へ行く度に心配と覚悟が混ざった漠然とした不安があった。
「これから入院しましょう」と言われたらどうしよう・・・
そんな思いで病院に通っていた。

しかし、そんな不安とは裏腹に順調にしっかりと育ってくれる2人。
なんと・・・
管理入院も無く、各数値の異常も無く、信じられないほど何事もなく最終健診日を迎えたのだった。
しかも、予定日の1ヶ月前まで仕事もしていた。

「もういつ産まれても大丈夫だから、陣痛か破水があったらすぐ来てね」
と、先生に言われて、いよいよだと思った。

ここまで無事に何事も無く、家族との時間を過ごすことが出来たこと。
元気に育ってくれたお腹の2人に心から感謝した。

予定日前の最後の休日。
主人と娘が2人でもご飯に困らないように、おかずをいっぱい作って冷凍しようと思っていた。
午前中、近くのスーパーで食材を買って娘にお昼を食べさせていた時のこと。

ドンッ!と子宮口近くで大きな胎動。
「大きな胎動あると怖いなぁー、アハハ!」なんて主人と話していると、ジワーッと椅子が濡れた。
「あ、破水した・・・」
どんどん流れる羊水に焦りながらも、自分に「落ち着け、落ち着け」と言い聞かせながら病院へ電話し、タクシーを手配。
すぐ病院へ行くことになった。

準備していたつもりだった。
でも、想像していたよりも、自分のやりたいことが出来ないまま入院となってしまう。
入院するときは、これを着ていこう、このメガネにしておこう、この靴の方が動きやすい・・・そう思っていたのに。

家を出るとき、何も分かっていない長女はお昼ご飯を食べながらテレビを見ていた。
1日だって離れたこともないのに1週間も会えない。
抱きしめてあげる余裕もない。
ちゃんと伝えたかった事も言えていない。

身体にバスタオルを巻き付けて、玄関から「頑張るんだよ」と一言しか言えなかった。

まさに、冷静と情熱のあいだ。

病院に着いてからは、PCR検査をしたり、状況をヒアリングされた。
緊張と不安と病院に着いた安心で気持ちがフワフワしていた。

処置室でその時を待っているとき。
「あぁ、抱きしめてあげたかったな・・・」
「今頃、ママ居ないよー!って泣いているかな・・・」と想像ばかり。
長女を思うと涙が溢れてくる。
「あぁ、これが先輩ママたちが言っていた涙なのか・・・」
そんなことを思っていたら、助産師さんが何も言わず微笑んで涙を拭いてくれた。

お腹の赤ちゃん達は、破水しても元気で居てくれた。
まだ会ってもいないのに、心強い子達だなぁ、と思った。

手術室に運ばれてからは、変な感覚だった。
自分の身に起きていることなのに、何かのドラマを冷静に見ているようで。
でも、どんなことが起きるのかドキドキする・・・そんな感じ。
手術中もスタッフの皆さんに優しい言葉を沢山掛けてもらって不安はなかった。

いよいよ赤ちゃんが誕生のとき。
あ、産声が聞こえる・・・
女の子の声。
男の子の声・・・声が違う。
2人とも、元気に産まれてくれたんだ。
出産を経験していても、この瞬間は、無条件に感動する。
涙が溢れる。尊さに満ち溢れる。ありがとう。

その頃、長女は熱を出した。
発熱で保育園を休んだことも無いのに、この日から約1週間、熱が上がったり下がったりで保育園を休んだ。

子供は、繊細で、素直だ。

入院中、心配で仕方なかった。
感染リスクを排除するため、家族でも一切面会が出来ない状態だった。
開腹した痛みや双子のお世話で大変なのに1日1日が長く感じられた。
早く長女に会いたくて、体調が心配で、今すぐにでも退院したかった。

そして退院後、やっと長女と対面。
沢山笑って、沢山甘えて、ずっと抱っこをお願いしてくる。
そして、不思議と熱も下がる。

子供は、やっぱり繊細で、素直だ。

おわりに

2021年の夏。

世の中は、感染拡大の不安に揺れながらも、東京オリンピックで盛り上がっていた。

そんな最中、双子の出産。
自分にとってはオリンピックよりも大イベントだった。

でも、人数じゃない。
経験、未経験でもない。

誰にとっても
一つ一つの妊娠、出産が
記録ではなく記憶に刻まれる
世界一のイベントなんだ。

この経験が、どなたかの参考になれば幸いです。

※ 文中に出てくる企業・組織・番組名等は著者と関係ありません。
※ 文中の内容は自身の体験が基であり、医学的根拠等はありません。
※ あくまで私見であり、個人的感想です。

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