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免疫のはなし(9)。 - ワクチンの違い。

これまでにない広がりをみせて、恐怖と不安をみんなが持ち、いろんな憶測を生み出し混乱させている感染症。みんながこれだけ感染症について考えたこともなかったと思います。一般の人がこれほど感染症に興味をもったことはないのではないでしょうか。免疫、ワクチンについても興味も持って学習されている方も多いんではないでしょうか。

ワクチンについて少し書いていきたいと思います。ワクチンはウイルス、細菌などの微生物から体を守るために、体の中に安全な免疫を活性化できる、特定の微生物に対応する免疫を活性化することを目的として注射などで体の中に入れて効果を発揮させます。

種類としては、ウイルスの活性をなくしたものを使う不活化ワクチン、ウイルスを発症しないようコントロールしたものを使う生ワクチン、そしてウイルス遺伝子を使って人口的に作るコンポーネントワクチン、mRNAワクチンなどがあります。

ワクチンの効果については免疫を活性化させる、特定の病原体をターゲットに免疫反応を活性化させるためのものです。

不活化ワクチン、生ワクチンについてはウイルス粒子全てを使って免疫を活性化させることができます。

遺伝子を使ったワクチンについては、ウイルス一部をターゲットにして作成されているものが多いです。

ウイルス粒子全体を使うことのメリットとしてウイルス全体をターゲットとする免疫反応が期待できるということです。遺伝子では有効とされるターゲットのみを期待して作成されているということです。

特定のウイルス等についての免疫反応については、B細胞由来の液性免疫(抗体)、T細胞由の細胞性免疫があります。そのターゲットされる抗原としては無数にあります。

不活化生ワクチンの場合はウイルス粒子全てが免疫の対象になります。一方遺伝子ワクチンの場合はターゲットは絞られます。

遺伝子ワクチンのターゲットは研究され有効であるところにされているため効率は良いですが、そこを外れると効果は減少してしまいます。

効率が悪くてもウイルス全てが対象の不活化、生ワクチン、最も効率良い設計されている遺伝子で作られたワクチン。

ウイルス粒子全てが含まれ、細胞性免疫の活性化が期待される生ワクチンが一番良いですが、この生ワクチンの難しいところが悪さをしないようにコントロールできることが大前提であるということです。

ウイルス粒子全てをターゲットにした場合、その抗原となる部位は無数にあり、それら全てに対して作られます。

今これまでない感染症の研究が活発に進んでいます。ワクチンの効果に関しても、変異の多いウイルス、病原体に対してどのタイプのワクチンが良いのか、そのウイルスの特性から一概に言えないのか、いろいろな議論がされ、今後出てくるであろう未知の感染症についての対策につながれば良いですね。

今では感染症の予防、防御について必要とされる抗体ですが、抗体の発見から、抗体の多様性獲得機構の解明は日本人が関わっています。

抗体は未知の抗原に対しても作り出すことができます。その無限とも思える多様性の獲得方法の発見のストーリーが以下で紹介されています。

抗体を中心とした液性免疫、細胞障害性T細胞を中心とする細胞性免疫。やたらと多様なものに対応することでいらないものたくさんできます。それでもこの多様性のおかげでウイルスをやっつけることができるとも言えます。

遺伝子操作で作ったワクチンが今全世界で使われ賞賛されている一方で、副作用等のあまり歓迎されないことを指摘される専門家もいます。

特に悪いとところは無視せず検証、原因究明が求められます。ほんとこれだけ感染症のことを一般の方が話題にすることは今後を含めてももうないのでは?と思います。ないほうが良いです。

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