クリスマス休戦 - 英国セインズベリーズ(スーパーマーケット)のCM(2014年)Christmas is for sharing.(クリスマスは分かち合うために。)戦場(第一次世界大戦)のきよしこの夜・サッカー
上記は彫刻 All Together Now(created by British sculptor Andrew Edwards in 2012)の写真です。詳細については本稿末尾をご参照ください。
キリスト教徒でない日本人の大半もサンタクロースは気にかかる(イエスの降誕を祝う)クリスマスが近づいてきました。
バブル経済の崩壊から30年余りを経て、日本でもクリスマスを家族や恋人と静かに過ごす老若男女が増えましたが、世界各地の難民キャンプや被災地や紛争地で住民や兵士がクリスマスを穏やかに過ごすことは難しそうです。キリスト教徒(ロシア正教とウクライナ正教)同士が戦っているウクライナ東部では今年(来年)こそクリスマス(旧暦)に休戦が実現してほしいと思いますが
クリスマスとは無縁な(イエスは自称メシアにすぎない)ユダヤ教とイスラームの争いが続くガザで戦火が止むことはないかもしれません。
さて、兵隊にとられたことがないので単に読んだり聞いたりした話ですが、激しい戦闘の最中にも兵士が人間に返る瞬間があるそうです。きっかけは、例えば、音楽...
戦場で敵・味方の双方から歌声が聞こえた情景として、劇中で「埴生の宿」(Home! Sweet Home!)が合唱される市川崑が二度も映画化した『ビルマの竪琴』が日本では有名ですが、ヨーロッパでは1914年(第一次世界大戦中)のクリスマス・イブに西部戦線の一角の塹壕で「きよしこの夜」(Stille Nacht, heilige Nacht / Silent Night)等が唄われた翌日、クリスマスに一時的に戦火が止んだことが伝えられています。
2014年11月にイギリスの大手スーパーマーケットであるセインズベリーズがこのクリスマス休戦をモチーフにしたCM「Chistmas is for sharing.(クリスマスは分かち合うために)」(完全版は3分20秒)を制作し公開しました。
https://www.about.sainsburys.co.uk/news/latest-news/2014/12-11-2014-a
少し前の記事『「イスラエルの王がお生まれになった」聖歌・牧人ひつじを / The First Nowell(最初の聖誕祭)の歌詞』で(BGMとして牧人ひつじを / The First Noel が繰り返し使用された)ヤマザキのクリスマスケーキのCMばかり山ほど参照したお詫びに、当該CMを下記に引用しました。英語字幕をONにして、ご覧ください。
メイキング映像と解説動画も公開されています。
休戦中にイギリス兵とドイツ兵が草サッカーに興じた様子も描かれていますが、広大な西部戦線の一部においてのみ休戦が実現し、生還した兵士の証言も様々であることから、真偽の評価は分かれています。詳しくは、研究書や小説や映画やドキュメンタリー番組をご参照ください。
尚、以前の記事でもふれましたが
昨年末に亡くなったペレも戦闘を(一時的に)停めたことがあるそうです。
また、クリスマス休戦中に草サッカーの試合が行なわれたことを主題にした等身大の彫刻 All Together Now が10年余り前に制作され、その1/4サイズのブロンズ像がイングランド・サッカー協会のナショナル・フットボール・センター(内のヒルトンホテルの外壁)に設置された後、レシン(ファイバーグラス)製の像(実物大レプリカ)が英国内および欧州各地を巡業し展示されたそうです。歴史を風化させることのないよう、大勢が草の根で活動しているようです。
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