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共産党のみならず日本中が終焉を期する中、旧統一教会と関連団体は...

連続広域強盗殺人事件や首相秘書官のLGBT差別発言の蔭に隠れて旧統一教会に関連した報道が下火になる中、旧統一教会および関連団体は反攻に転じているようです。中でも、日本共産党および左翼系のメディアや弁護士を目の敵にしているようです。

産業革命後ずっと搾取されていたイギリスの労働者を目の当たりにしながら、赤貧の中、大英博物館の図書館で勉強し続けたカール・マルクスが亡命先のロンドン郊外で執筆した「経済学批判」と「資本論」は、はるか東方のロシアでウラジーミル・レーニン他の手による革命に繋がりましたが、屍の山を累々と築きながら70~80年を費やした社会実験はソヴィエト連邦の崩壊と共に終焉を迎えました。

それでも共産主義や社会主義は幾つかの国で存続していますが、例えば、北朝鮮では新興王家(?)の世襲体制を維持するための枠組みに過ぎず、中国では(ジョージ・オーウェルが1945年に出版した「動物農場」の最後の場面と同様に)共産主義と資本主義が渾然一体となる中、工場や農場では労働者が搾取され続けています。レッド・パージや赤狩りの記憶は既に歴史の彼方へ消え去りました。

右派と左派との対立に旧統一教会・原理研究会・国際勝共連合が半世紀以上に渡り関わってきた因縁を無視することはできないかもしれませんが、日本共産党には小選挙区で左派の票を割る以上の影響力はなさそうですし、国民の大半の考えは "Japan would be a peaceful country, if it were not for the Unification Church (the Family Federation)." ではないでしょうか...


『今度は豚(共産主義者)たちの顔に起きた変化は明らかだった。その姿は豚(共産主義者)から人(資本主義者)へ、人(資本主義者)から豚(共産主義者)へ、そして再び豚(共産主義者)から人(資本主義者)へと変わっていった。もうどちらがどちらか区別することはできなかった。』


動物農場(ジョージ・オーウェル)

第十章

(前略)

一週間後の午後、たくさんの一頭立ての二輪馬車が農場にやってきた。近隣の農場の代表が視察のために招かれたのだ。彼らは農場中を見てまわり、目にするもの全てに大きな称賛の声をあげた。特に風車はそうだった。動物たちはかぶ畑の草取りをしているところだった。彼らは地面から顔を上げることもできないほど勤勉に働いていて、豚たちと人間の訪問者とどちらを恐れればいいのかもわからなかった。

その晩、大きな笑い声と大きな歌声が農場の屋敷から聞こえてきた。突然聞こえてきた動物と人間の入り交じった話し声に動物たちは好奇心に襲われた。あそこで何が起きているのだろう。まさか動物と人間が対等の立場での初めての会合が開かれているのだろうか? 皆は一緒になってできるだけ静かに農場の屋敷の庭に忍び込んだ。

動物たちは門をくぐるとおっかなびっくりクローバーを先頭に進んでいった。屋敷までつま先立ちで歩いて行くと背が届く動物は台所の窓から中をのぞき込んだ。そこでは長いテーブルの周りの半分に十二人の農場主が、もう半分には十二頭の地位の高い豚が座っていて、テーブルの先頭の主人の席にはナポレオンが座っていた。豚たちは自分の席で完全にくつろいでいるように見えた。彼らはカードゲームに興じていたようだったが今は乾杯のための小休止をしていた。大きな酒びんが回され、空いたジョッキにビールが注がれていった。誰も窓からのぞいた動物たちの驚いている顔には気がつかなかった。

フォックスウッドのピルキントン氏がジョッキを片手に立ち上がり、ここにいる皆で乾杯をしようと言った。しかしその前に何か話をすべきだと感じたのか彼は話し始めた。

長い間の不信と誤解が今、終わりを告げたことを思うと私やここにいる他の全ての者は非常にうれしく感じます、と彼は言った。長い間、動物農場のこの尊敬すべき経営者たちは近隣の人間から疑念(敵意とは言わなかった)の目で見られていました。もちろん私やここにいる仲間たちはそんなことはしていませんがね。不幸な事件が起き、誤った考えも広まっていました。豚によって所有され経営されている農場の存在はなんとも異常に思われましたし、近隣を動揺させたことは間違いありません。ちゃんと調べることもせず多くの農場主はそんな農場では無法と無規律が横行しているだろうと考えました。彼らは自分たちの動物への影響、いやそれだけではなく自分たちの雇い人への影響さえ心配していたのです。しかし今やそんな疑いは全て晴れました。本日、私と私の友人が動物農場を訪ね、その隅々まで自分の目で調べて目にしたものは何でしょうか? その最新の技術、規律と秩序は全ての農場主が手本とすべきものです。私は自信を持って言うことができますが動物農場の下層動物たちはこの国のどの動物よりも少ない食べ物でどの動物よりもよく働いています。間違いなく本日、私と私の同行者たちは自分たちの農場でもすぐに取り入れたい多くのことを目にしました。

動物農場とその近隣との友好関係の継続を再び強調して彼は締めくくりにこう言った。豚と人間の間には利益上の衝突は何もありませんし、またその必要もありません。我々の努力すべきことと立ち向かうべき難問はひとつです。労働問題、それはどこでも同じではないでしょうか? ここでピルキントン氏は慎重に用意してきたしゃれを同席者に言うつもりだったが、そのおかしさのあまり自分で笑い出してしまって言葉を言えなくなってしまった。笑い声でのどを詰まらせ、顔を真っ青にしながらも彼はなんとかこう続けた。「あなた方に戦うべき下層動物がいるとしたら、私たちには下層階級がいる!」。この機知に富んだ言葉にテーブルはおおいにわき立った。ピルキントン氏は動物農場で目にした配給の少なさ、長時間労働、低福祉に対してもう一度、豚たちに賛辞を述べた。

最後に彼は同席者にジョッキを満たして掲げるよう頼んだ。「紳士諸君」ピルキントン氏は締めくくりに言った。「紳士諸君。動物農場の繁栄に乾杯!」

歓声があがり、足が踏み鳴らされた。ナポレオンはたいそう満足げで、ジョッキを空ける前にピルキントン氏と乾杯をするために自分の席を立ち、テーブルをまわっていった。ナポレオンは自分も語ることがあると言いたげに立ったまま歓声が静まるのを待った。

これまでのナポレオンの演説と同様、彼の話は短く、要点がしぼられていた。私も長い間の誤解が解けてうれしい、と彼は言った。長い間、私や私の同僚たちは何か破壊的で革命的な思想をもっていると噂されていた……私は悪質な敵がこれを流したのだと考えている。我々は近隣の農場の動物たちに革命をそそのかしていると思われてきた。これほど真実からかけ離れた話はない! 我々の願いは過去も現在もひとつだけで、それは平和に暮らし、隣人たちと普通の取引関係を結ぶことなのだ。私が管理する栄誉を預かるこの農場は協同組合企業なのだ、と彼は付け加えた。彼が管理するその不動産権利は豚たちが共同で所有しているものなのだ。

私は過去の疑惑が完全に晴れたと信じている、しかし我々に対する信頼をよりいっそう確かなものにするために近々、農場の活動にいくつか変更を加えるつもりである、と彼は言った。これまでこの農場の動物たちは他の者を「同志」と呼ぶ非常に馬鹿げた習慣を持っていた。これを禁止するつもりである。またその由来は良くわからないが庭にある柱に釘で打ち付けられた雄豚の頭蓋骨の前で毎週、日曜に行進をおこなうという非常に奇妙な習慣もある。これも禁止するし、その頭蓋骨は既に埋めてしまった。また来訪者の皆さんは旗ざおの先に緑の旗が掲げられているのを目にしたかもしれない。もし目にしていたらかつてそこに描かれていた白い蹄と角が無くなっていることに気づいただろう。これからはただの緑の旗になるのだ。

ピルキントン氏の友好的ですばらしい演説にひとつだけ反論がある、と彼は言った。ピルキントン氏は「動物農場」という名前を使った。これはここで初めて発表されることなのでもちろん彼が知らなかったのも無理はないが「動物農場」という名前は廃止されるのだ。いまこの瞬間からこの農場の名前は「マナー農場」になる。これこそが由緒正しい名前であると私は信じている。

「紳士諸君」。ナポレオンは最後に言った。「先ほどのように乾杯しよう。ただし少し違うやり方でだ。グラスを満たしてくれ。紳士諸君、マナー農場に乾杯!」

先ほどと同じようににぎやかな歓声が起き、ジョッキが空けられていった。しかし外の動物たちがその光景をのぞき込んでいると、奇妙な変化が起きているように見えた。豚たちの顔が何か変化していないだろうか? クローバーは老いてかすんだ目を顔から顔へと移していった。ある顔は五重に見え、ある顔は四重、あるいは三重に見えた。しかし何か溶け出して変化しているようではないだろうか? ちょうどその時、歓声がやんで列席者がカードを取り上げて中断していたゲームを再開したので動物たちは静かにその場を立ち去ろうとした。

しかし二十ヤードも進まずに彼らは立ち止まった。農場の屋敷から叫び声が聞こえてきたのだ。彼らは駆け戻って再び窓をのぞき込んだ。そこでは猛烈な口論の真っ最中だった。叫び声、テーブルを叩く音、疑いのまなざし、猛烈な罵声。騒動の原因はナポレオンとピルキントン氏が同時にスペードのエースを出したことのようだった。

怒りに満ちた十二の声が響き渡り、それはどれも同じように聞こえた。今度は豚たちの顔に起きた変化は明らかだった。その動物の姿は豚から人へ、人から豚へ、そして再び豚から人へと変わっていった。もうどちらがどちらか区別することはできなかった。



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