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老害とは「老人による傷害事件」のことなのかもしれない

 どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

 老害って、嫌な言葉ですよね。自嘲的に使うのならまだしも、他人が特定の誰かを指して使ってしまうような場面に出くわすと、なんだか息苦しくなってしまいます。

 もちろん、誰でも彼でも年長者を敬うことなんてできませんよ。長く生きているからといって人間性に優れていない人なんてたくさんいます。

 冒頭、他人を指して老害と吐き捨てる人間には嫌気がさす、みたいな言い方をしていますが、立派に他人に向けて唾を吐きながら老害認定をしているのは誰でもないぼくです。すいません。

 でもね、よくないと思うのですよ。

 老害って言葉を使うこと自体が年齢差別につながる恐れがありますし、全ての年配者が否定的で抑圧的な影響を与える存在ではないわけですからね。

 うん、そうだ。老害って言葉を使うことには細心の注意が必要なのかもしれないな。

 そう思っている矢先、こんな報道が目に入ってきました。

 5日、奈良県生駒市の県立生駒高校で、剣道部と空手道部が「居合道」を体験する合同練習を行っていたところ、剣道部の顧問を務める70代の講師が使っていた日本刀の真剣の先が2年生の男子生徒に当たったということ

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240306/k10014381081000.html

 老害じゃん。

 しかも、相対している生徒側も真剣を持っているのかと思ったら…

顧問は居合道6段の有段者で、真剣ではないものを持った男子生徒と向かい合いながら、間合いのとり方などを指導していたということですが、学校の許可を得ずに真剣を使っていたということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240306/k10014381081000.html

 自分だけ!ズルい!自分は有段者の、六段だから安全に扱えるってことか!それにしても学校側に何の許可も取らずに真剣を扱うだなんて教育環境における序列をまったく無視した許されざる行為でしょう。

 この報道を目にして真っ先に浮かんだのが自動車のアクセルとブレーキ、つまりペダルの踏み間違いによる事故のこと。

 交通事故総合分析センターのペダル踏み間違い事故の運転者年齢層分布によると、少し前のデータにはなってしまいますが、ペダルの踏み間違いによる死亡や重傷事故件数は55歳以上から増え、65歳以上になると一気に跳ね上がっていることがわかります。

 これだけと見ると「なーんだ、やっぱり高齢者じゃないか」と高齢者をいじめてしまいたくなるのかもしれませんが、事故件数にしてみると24歳以下の若年ドライバーが単独で起こす件数が最も多い、なんて結果になっていたりします。

 何かの拍子に慌ててしまい、アクセルとブレーキを踏み間違えて事故に発展してしまったってことなんでしょう。そこに年齢は関係ないよってことなんですが、死亡重傷事故件数においては65歳以上の高齢者が運転する車は要注意ってことだと理解して間違いないのではないでしょうか。


 で。

 冒頭の居合道の顧問に話を戻しますと、このペダルの踏み間違いと一緒なんでろうと思うわけです。

 彼も長年、それを仕事にしてきたのか趣味の範疇ながらも六段といった有段者になったのかは知りませんが、少なくとも研鑽を積み重ねてきた時間と熱意があったに違いありません。

 過去にはそれなりの賞を受賞するような猛者だったのかもしれませんし、何かの事故を居合道を駆使することによって防いできたのかもしれません。

 とにかく、この居合道の顧問は自分のやってきた過去に絶対的な自信と自負を抱いていたことでしょう。さもなければ学校の許可を得ることなく真剣を持ち出すなんて愚行を犯すはずがないのです。

 結果、彼は寸止めをするはずだったのにできなかったのか、誤って日本刀の動かし方を間違えてしまったのかは知りませんが、少なくとも自らの想定する動きとは異なることが起き、生徒側に「被害」が発生することとなりました。

 脳もれっきとした臓器ですから、年齢とともにおいていくものだと成人している人たちであれば誰しもが理解していることでしょう。

 いつまでも若々しい高齢者は存在しますが、あくまでもそれは相対的にみて高齢者の中でもハツラツと行動できたり発言できたりする人のことを指して評価しているのであって、個別の評価をしているわけではありません。

 個別に見ていけば、今回の顧問が10年前、20年前よりも技のキレは落ちているはずでしょう。肉体的な衰えを否定することなどできませんからね。もしかしたら、それを年数を経てきたワザによって補っていると考えていたのかもしれません。

 しかし、それは驕りであり傲慢です。

 年齢を重ね、自らが置いていくことを否定したくなる気持ちは理解できますし、共感できる部分でもありますが、研鑽を重ねてきた自分だからといった昂りを抑制できないことは業物を扱う存在として、いささか研鑽が足りないのではないでしょうか。

 結果、生徒側が訴えなかったことで発生していませんが、状況からして傷害事件が起こっていることは明白なわけです。

 ではでは。

 ゑんどう(@ryosuke_endo)


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