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考察:ソーシャルメディア利用が雇用と転職に与える影響

どうも、ゑんどうです。

ソーシャルメディア(敢えてSNSとは書かないあたりがネット老人会所属を自負する人間の香ばしいところだと自覚済み)をアカウントを立ち上げ、それを活用することは個人でも法人でも当然のような時代になっています。

それは個人の仕事においても存在感が増していることでしょう。個人でも法人でもソーシャルメディアを使用した求職/採用活動、いわゆるソーシャルリクルーティングが市民権を得て、もう何年になるでしょうか。

ソーシャルメディアの普及に伴い、大半とは言いませんが少なくない企業が優秀な候補者を見つけ、雇用者ブランドを構築するための手段としてソーシャルリクルーティングを活用していることでしょう。

個人でも、ソーシャルメディアを活用することによって転職活動がうまく行ったり、副業などの案件を獲得できるようになるなど、まさにSocialな使い方が浸透してきていることを実感する日々です。

企業が候補者をオンラインで検索することはますます一般的になってきているといえますが、ソーシャルメディアプラットフォームの台頭により、雇用主は潜在的な候補者の仕事や私生活について、より深い洞察を得ることができるようになった点にも注意が必要です。

雇用する立場からすれば、ソーシャルメディアは候補者にまつわる書類だけではわからない貴重な情報を提供しますが、同時に、危険信号となり就職や転職の見通しに悪影響を与えることもあります。

今回は、求職者が求職活動やキャリア開発においてソーシャルメディアを利用するメリットとデメリットと、企業が候補者にどんな情報を求めているのかを考えてみようと思います。

企業は候補者をネット上で検索する

まず、全候補者に知ってほしいことがあります。それは、雇用側である企業はインターネット上であなたのことを検索するってことです。

以下は英語で検索すると出てくる情報なので、日本でも完全に一致するのかというと疑問ではありますが、今、簡単にググってみたところで日本での情報が2015年とかって古いもののため参考にならないなと思って以下の情報を出してることを理解くださいませ。

オクラホマシティに本社を置く人材派遣会社Express Employment Professionalsの依頼によるハリス・ポールの調査によると、アメリカの採用意思決定者の71%が、ソーシャルメディアを見ることは応募者を選別する有効な方法だと考えています。ほぼ同数の67%が、候補者の調査にソーシャルネットワーキングを利用していると回答しています。そのうちの半数以上が、デジタルな情報検索の中で、ある採用候補者の採用活動を進めない原因となるものを見つけたと答えています。
(以下、原文)
Specifically, 71% of American hiring decision-makers believe that looking at social media is an effective way to screen applicants, according to a Harris Poll survey commissioned by the staffing company Express Employment Professionals, based in Oklahoma City, Okla. Almost as many, 67%, said they use social networking to research candidates. More than half of those found something in their digital travels that caused them not to proceed on the recruiting journey with a particular hire.

How Useful Is Social Media in Recruiting?

日本でLinkedInの利用者数は300万人(2022年8月)ほどのため、まだまだでしょうが、TwitterFacebookといったソーシャルメディアを利用する人たちは多いのではないでしょうか。

これらのプラットフォームは、求職者が仕事の機会を探したり、各分野の専門家とのネットワークを構築するために利用するわけですが、上記の内容から察するに採用の意思決定者がそれらの情報を閲覧することは間違いありません。

では、なぜ彼らはインターネット上で候補者の氏名を検索し、ソーシャルメディアから情報を得ようとするのでしょうか。

候補者の情報を確認・検証するため

何といっても書類だけからしか得られない情報を補完したいのです。

候補者から提供された書類情報が正確で真実であるのかを検証することは時間的にも労力的にも、何よりもそれらを総合したコストの面からも現実的ではありません。

インターネット上に転がっているのであれば、そこから候補者の職歴、学歴、その他の資格を確認することに利用したいと考えるのは当然のことでしょう。

候補者のオンライン上における存在感を確認するため

企業の事業特性にもよるのでしょうが、候補者がオンラインでどのように自分をアピールしているか、ソーシャルメディア上でどのように他者と関わっているかを確認したい業種や職種も存在します。

たとえば、インターネットを活用して広報やPR、広告などの領域で活動する事業者であればインターネット上で相応のフォロワーを抱えている存在感のある人と仕事をしたいと思うのは当然でしょう。

また、その人が普段から発している内容にファンがついているのであれば、その人を餌にして次なる優秀人材を獲得することにも繋げることが期待できます。

存在感がないのであればないで構わないのですが、どんな発信をしているのかを把握するためにもオンライン上での活動を知ることは採用側からすると必要な調査項目なのです。

採用側から見るソーシャルメディアの利活用

採用する立場から候補者がソーシャルメディアを活用する点について、好印象を抱く場合と悪印象を抱いてしまう点です。

好印象編

候補者のコミュニケーションスキルや文章力を閲覧することを理由に閲覧しますが、ここで自身だけで完結することなく、多様なユーザーと接点を持ちながら有益な文章を記載しているのだとしたら評価が高くなります。

また、応募してきた職種に関連する自身の専門性を発信することができているのかどうかによって好印象を抱くことにもなるでしょう。

あとは、肯定的な支持や推薦を得られている場合には自然と評価が高くなってしまうことでしょう。

インターネット上ではなかなか見られるものではありませんが、仮に候補者の同僚や以前の雇用主が肯定的な支持や推薦をしている場合、候補者が高く評価されていることを示す良い評価指標になることは言うまでもありません。

悪印象編

インターネットを利用するに際して、不適切な行動が見られれば間違いなく悪い印象を与えることになるでしょう。

たとえば、ソーシャルメディア上で不適切または専門外の投稿やコメントをしている場合、採用担当者としては評価を悪くせざるを得なくなります。

また、以前の雇用主や同僚に対する否定的なコメントをしている場合にも悪影響が出てしまうことでしょう。あまり公に発信する人は多くないのかもしれませんが、中には鍵アカウントにしているからと好き勝手に投稿してしまう人もいます。いくらクローズドな運用をしているといっても、どこからか漏れてしまう可能性があることは知っておくべきでしょうね。

あとは、普段使いのソーシャルメディアと応募書類との間に矛盾がある場合にも注意が必要です。

攻撃的または差別的な内容を投稿している場合にも、候補者の印象だけでなく評価まで下がってしまうため、ネットリテラシーって大切なんですよってことを記載しておきます。

就職・転職でソーシャルメディアを活用するメリット

最後になりますが、候補者・求職者の立場でソーシャルメディアを就職や転職活動へ利用する点についても記載しておこうと思います。

何より、潜在的な雇用主やあらゆる業界の専門家とつながることができるため、公開・非公開に関わらず求人情報にアクセスできるようになることは大きいでしょう。

現代において、企業が人材を募集する際にネット上に情報がないことの方が少ないでしょう。そのうえ、それなりに事業を行っている企業であればソーシャルメディアを活用していたりするわけで、更には中の人もアカウントを保有していることも少なくありません。

それら個人や法人とつながりつつ、関係を構築できているのだとしたら、オンライン上で用意したプロフィールやポートフォリオを通じてスキルや経験をアピールできるでしょう。

これらの点については大きな利点だと言えます。

しかし、就職や転職のためにソーシャルメディアを利用することには、いくつかのマイナス面もあることも知っておく必要があります。

上記してきたように採用側からすれば候補者の情報を検索するのは当然です。逆に、まったく情報がない場合にも怪しく思ってしまうほど。

また、他者を攻撃したり、差別的な発信をしてしまっていた過去があれば、周りまわって応募企業に届いてしまったりする可能性も捨てきれませんので注意が必要です。

おわりに

就職・転職活動においてソーシャルメディアを活用することの有効性は、それに伴うリスクや課題に留意しつつ、個人がこれらのプラットフォームをいかに上手に活用するかに大きく依存します。

就職やキャリアアップにおけるソーシャルメディアのメリットを最大限に生かすためには、徹底したリサーチ、ちょっとした戦略を駆使したネットワーク作り、プロフェッショナルでポジティブなオンライン上での存在感を維持することが重要です。

もちろん、企業の人事担当者や意思決定者はソーシャルメディアだけに頼って採用を決定しているわけではありません。ソーシャルメディアは候補者をより深く理解するためのツールとして活用するものの、候補者の資格、スキル、経験、そして職務と企業文化への総合的な適合性に基づいて採用を決定することに揺らぎはありません。

ただ、やっぱり双方で注意はしておきたいですよねって話で終わります。

ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo


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