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いなば食品騒動からの学び

 どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

 4月に入って以降、いなば食品の話題がインターネッツを騒がしていることを認識している方は"ほぼ"廃人ですね。一生懸命、仕事をしなければならない時期なのにも関わらず、インターネッツの話題に目を泳がせているだなんて、隅に置けませんね。

 いなば食品は1805年創業と大変歴史のある老舗企業で、ツナ缶やペットフード市場で強みを持っていますし、近年は業績が好調で、海外展開も進めています。

 週刊文春に新入社員へのボロ家社宅への入居強要や給与減額などの問題が報道されたのですが、それよりも同社が公開した見解コメント(プレスリリース)の日本語表現が不可解で、亡くなった副社長に責任を押し付けているようにも読める内容だったため、SNS上で物議を醸す形になりました。

 今回、ここではいなば食品を酷評したいわけでも何でもありません。ただ、この騒動から得られる学びって何だろうってことを考えるためだけにこれを書いていきますので、興味がある方はお付き合いのほど。

いなば食品の週刊誌報道から始まる騒動内容

 まず、週刊文春に掲載されるに至った問題とは何だったのかを見ていきましょう。

  静岡県内で勤務する予定だった一般職の女性たちが相次いで入社を辞退し、その割合は9割に達したと。辞退した理由が「募集要項に給与が22万6000円とあったが、入社の段階になって、『給与は決まっていません』と言われ、あらためて問い合わせると、19万6450円と告げられた」といった証言のほか、「静岡の社宅は雨漏りするボロ家」とも報じられたことが発端です。

 労働条件通知書が発行されなかったのに研修に入る形になったなどの証言もありますが、少なくとも社宅(シェアハウス)の改修は済んでおり、掲載されている写真とは現況が異なることはいなば食品から発表されています。

 ただ、現在のコメントは修正されたものであり、当初(4月12日)掲載されていた内容があまりにも不可解な日本語表現だったことと、亡くなった副社長に責任を押し付けるような印象を与えたことからインターネッツでおもしろおかしく扱われる対象となり、大きな反響を生むこととなった経緯があります。

いなば食品の問題点

 で、上記の内容を踏まえて何が問題だったのかを考えます。

 1805年創業と、200年以上の歴史を持つ老舗企業であることはすでに触れていますが、近年は業績好調で海外展開も進めており、一見すると優良企業だといえます。

 ただ、非上場の同族企業であるがゆえの古い体質が問題の背景にあると指摘されており、創業一族のお世話や家事を社員に強要するなどといったことも書かれるなど、もし、これが事実であるならば企業ガバナンスの欠如が疑われても仕方ありません。

 何より、今回の週刊誌報道に対する対応がまずかったのはいうまでもないでしょう。

 当初掲載されていた公式文章は、改行もおかしく、明らかに外部に向けてコメントを出すことを意識されたものでなく、トップダウンで「これを掲載しろ!」と出されていると思われてもおかしくないものでした。

 その不可解な言い回しは、一般消費者をはじめとしたステークホルダーの目線を欠いたものであり、企業は株主、社員、消費者など、様々なステークホルダーと誠実に向き合っているのか、適切なコミュニケーションを図れているのかに疑問を呈する内容であると言わざるを得ないものだったことは今回の騒動で判明した大きな問題点の一つでしょう。

いなば食品騒動から得られる学び

 創業から200年以上も継続してきたわけですから、ここまでの持続してきた経営手腕は見事だと言え、週刊誌で報道されている内容がすべての真実を照らしているのかと言われたら部外者の立場からは分かりません。

 ただ、週刊文春の取材力は凄まじいといった声は漏れ聞こえてきますから、一定の事実があるのは間違いないでしょう。

 それを飲み込んだ上で、今回の騒動から学べることは何があるのか。

 まず、非上場で同族経営を行うことのメリットとデメリットが透けて見えました。

 非上場であるが故に、長期的視点に立った経営が可能です。株主からの圧力がなく短期的な利益を気にする必要がないため、長期的な視点で戦略を立てられますから、同族経営ならではの一貫した理念の下、腰を据えた経営が期待できることは大きなメリットでしょう。

 同じく、同族経営であるからこそ、意思決定の迅速性を担保することができます。上場企業のような複雑な意思決定プロセスを経ずに、創業一族の判断で素早い決断を下せる点は、外部環境の変化に機敏に対応できますから、メリットだといえます。

 他にも、経営情報の開示義務が限定的なため、機密性の高い戦略や技術を、社内に留めつつ、次世代に向けた戦略を練ることが比較的容易だといえますから、競合目線で見ると「何を企んでいるのかが見えにくい」点も非上場の同族経営だからこそではないでしょうか。

 ただ、創業一族の意向が強く反映されるってことは、経営の監督機能が弱くなりがち。近親者の起用など、恣意的な人事が行われるリスクもありますし、強固な面は諸刃の剣だと言えるのかもしれません。

 また、経営トップの交代が同族内に限定されますし、外部人材の登用が進みづらい点は社内の常識や慣習に埋没してしまう危険性があり、結果として経営の停滞や内紛を招く恐れがあるともいえそう。

 

 何より、広報やPRを大事にしていれば良かったのではないかと思ったりしています。

 4月13日以降で公式に訂正されているように、新しく完成した社員寮は非常にキレイです。何より、すべての製品で化学物資は無添加、無着色、保存料や殺菌剤を一切使用していないとあります。

 また、働く条件面で言うと賞与は年間で平均8ケ月。さらに、この数字を10ヶ月にしていこうって話を公式に発表しています。それを下支えしているのは利益が出ているからであり、年商もぐんぐん(8年で6倍)と伸びています。

 ただ、これらを外部に発信する方法が広告により過ぎていたキライがあるため、もう少し広報に注力していれば週刊誌報道に対する危機対応もできたでしょうし、地方にある企業で非上場でもすばらしい業績をあげている企業として扱われていてもおかしくなかったんじゃないかと思うわけです。

おわりに

 単純に面白おかしく扱うことはインターネッツの住民たちに任せておけばいいので、そこからもう少し自分に関係ありそうな内容で考えてみたのですが、参考になれば幸いです。

 ではでは。

 ゑんどう(@ryosuke_endo)


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