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読書記録📚「逆境力」

芸人のパックンマックンでおなじみのパトリック・ハーラン氏。
彼はアメリカで生まれ育ち、日本で仕事をしている。

画面上で饒舌に話したり、漫才をしたりしているのを見ると、とても頭がキレていて、面白エリートだなと感じる。
しかし実は、幼少期は、貧乏・落ちこぼれ・劣等生だったいう。

クリスマスのターキーは安くてぱさぱさのむね肉で、脱脂粉乳を薄めて飲むのが牛乳替わり。
中学生から新聞配達の仕事をしてなんとか生き延びるほどの貧しさだった。

そんなパックンが、どのように今の生活を手に入れることができたのか、自伝風に書かれているのが面白かった。

というのも、自分自身も貧乏な大家族で育ったから、その姿を投影し、「あるある~」と共感できる部分が多かった。


本書の中で、現在子どもの貧困問題に立ち向かっている人たちへのインタビューの内容が取り上げられている。

いくつか、私がメモした部分を紹介しよう▼

当時の僕にとって一番大事だったのは、母を困らせないことと、母を喜ばせること。

虐待問題に取り組んでいる人から聞いた話です。ここ数年で虐待の通報電話が増えているそうなのですが、いざ通報を受けて駆け付けてみると、子どもが一人で遊んでいる。でも、ネグレクトなどではなく、ただ親が外で働いていて不在だから、一人で遊んでいるだけ、というケースが大半だといいます。(中略)たしかに物騒な事件も起こっているので理解はできますが、子どもにコミットする形がこんなふうに様変わりしているのは寂しいことだと思います。

「自分はどうせできないって思ってしまったとたんに、可能性が閉ざされてしまう。幼いうちから励ます。子どもがつまずきそうになったときに手を差し伸べられる。そんな社会であるべきだと思います。」(日本財団・本山さん)

子どもたち本人にとってだけでなく、社会にとって、子どもの貧困は解決していくべき問題なのです。子どもはみんな「社会の子」なのだから。

「私たちは何より多様性を重んじています。それをキッズドアの確たる『文化』として、それぞれの異なる子どもたち一人ひとりの成長を見守り、一人ひとりの自己肯定感を育むということを愚直にやっていくことが大事だと考えているのです。(中略)どのような道を選ぼうとも、本人が幸せであることを一番に思っています」(キッズドア・渡辺さん)

いくら貧しくても、親が一緒にいられなくても、「社会の子」という見方でみんなでサポートしていくことで、子どもには必ず愛情は伝わるし、自信もつけさせてあげられるはず。


子どもの性質が落ちこぼれだったら、成功もできないという意見もあるかもしれないが、きっと違う。
どんなに落ちこぼれでも、逆境に立たされても、大人の温かい愛情があれば、必ず子どもは立ち上がり、幸せになれると信じている。


そういえば、最近子どもの貧困についての本を他にも読んでいた投稿があるので、ぜひ。


【書籍情報】

著者:パトリック・ハーラン
出版:SB新書
ISBN: ‎978-4797394535

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