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【撃沈】東京マラソン2024

東京マラソン「5年ぶり3回目(!)」性懲りもなくまたまた撃沈してきた。

しかし、今回はただの撃沈ではなく、それなりに収穫もあった。
まずは結果から。

記録としては悪くないけど・・・

なんだ普通に良いタイムじゃないか、どこが撃沈なんだ、と思われるかもしれないが、内情は以下の通り。

33キロで撃沈。

これまでの東京マラソン

ではこれまでの経緯などから。東京マラソンは言わずと知れた日本最大規模・最大人気大会である。参加者はついに3万8千人に到達しており、コロナ禍を経て地方の大会が存続の危機に瀕しているにもかかわらず、相変わらず10倍以上の競争率を誇る。

当然そうなると、当選・出走は「当たるも八卦、当たらぬも八卦」である。私は2013年ごろから「まぁどうせ当たらんやろうな」と思いながら毎年応募しては「はいはい今年も順調に外れましたよ」とつぶやいていた。

それが2017年、5年目にしてついに当選(2018年大会)。当時はキリキリとラン練を積んでいたころだったが、大会のタイミングにうまく合わせられず撃沈していた。

その年は宮古島も当たったので、これでだいぶ運を使ったからもう次は当分ないだろう、と思っていたらなんと翌年も当選(2019年大会)。えーっもうこれ一生分のツキを使い果たしたんじゃないの?と思った。

その頃は仕事がバリバリに忙しい頃で、東京マラソンの直後にアメリカ出張を組まないといけなくなり、窮余の策でマラソン終了後にジムで着替え、嫁さんに東京駅までスーツケースを持ってきてもらってその足で成田に向かった。フライトがめちゃくちゃしんどかったことは言うまでもない。

その年も、そんなに忙しいくらいだから練習がちゃんとできるはずもなく、やはり撃沈に終わっている。

それからコロナ禍を経てしばらく当選しない年が続いた。今回も「まぁどうせアカンでしょ」と思いながら申し込んだらまさかの当選。5年ぶりとはいえ、3回目とはなかなかの確率で自分でもびっくりしている。

当たりやすくなる方法(都市伝説)

実はこれ、いつも「荷物預けなし」を選択することで当選確率が少し上がっているのではないか?と穿っている。知らんけど

でも実際、大会の荷物預けキャパは決まっているわけで、大半の、特に地方や海外から参加する選手は荷物預けがないといろいろ大変だ。そうすると「荷物預けなし」の方が競争率が低くなることは十分考えられる。

ただし、試合当日の動線はなかなかめんどくさいことになる。まず早朝に東京駅(ゴール付近)に出張って行って「あとは走るだけ」の格好になって荷物をコインロッカーに預ける。そして鍵とスイカだけ持って新宿に行く、ということだ。

その代わり、ゴール後の動線はシンプルになる。丸の内ゴールから地下に降りてロッカーから荷物を回収したらシュッと帰るだけだ(という感じで以前はそんなに問題なかったが・・・)。

練習の経緯

昨年末のBeyondで撃沈DNFしてから、年明けしばらくは後遺症で練習できなかったが、そこから気合いを入れ直して東京に向けて脚作りを始めた。

もし自分がマラソンだけに賭けていたら、バイク練はほどほどにしてラン練に集中しただろう。しかし自分は、あろうことか「バイク練もラン練も積み増す」という暴挙にでた(スイム練は・・・聞くな、、、それを聞くな・・・)。

ラン練はほとんどバイク練の後のブリック(WTRL Duathlon含む)。それでいて4分の高強度、4分15のやや高強度、4分30のペーラン、5分のロング、さらに50キロLSDまで、これでもかと距離を積んで1月、2月とだいぶ久しぶりに300キロを突破(+バイク練1,700キロなので負荷は数字以上に掛かってるはず)。

こう言う時に問題になるのが、故障・怪我・病気だ。もうこれまで何年も、何回も、それらで練習・試合を棒に振ってきた。今回はなんとしても東京に合わせたい、逆に言うと東京に合わせないと今シーズンは実質もう無いのだ(あるけど東京の一週間後だし)。

そこで、特に痛みが走りがちだった左膝を中心に、ひたすら練習明けに冷水シャワーと温浴の繰り返しでメンテナンスを励行した。それをしてない自分との比較ができないから断言はできないが、これは効いたように思う。なんとか前日まで「痛みはほぼ無い」状態をキープすることができた。

前日

前日の土曜日、いつものように朝ラン5キロで調整しておく。しかし、脚が回らない・・・身体が起きてないってものあるだろうけど、キロ5が精一杯・・・こんなんで明日キロ4分半で行くの?本気か?という気がした。

しかし思い直した。板橋のときも、今年の湘南のときも、少なくともハーフまでは4分半で走れたではないか。あの時よりずっと質の高い練習をしてきたのだ。自分を信じろ!しかも今週はテーパリングで練習を抑えて、久し振りにFormがプラスに戻ってるんだから。大丈夫、行ける!と必死で自分を鼓舞した。

さて午後からのんびりビッグサイトに受付に行くか〜と思ってたら、某所の書き込みでJETTのInaさんが立川のランニングフェスタで10キロを走るというので冷やかしに行くことにした。早めに昼飯食ってやおら出動。

こないだ惜しくもサブスリーを逃したInaさんだが、ここ数年で走力爆上がり、数キロ程度なら3分半でこなすレベルに来ている。10キロも38分切ってくるかな〜と思ってたら、なんと37分ちょいで帰ってきた!!Gou…

そりゃまだ若いとはいえ、すごIna…ということでめっちゃ刺激を受けて受付に向かうことになった。

エキスポは大盛況

別に特筆することもなく順調にビブ他もろもろ受け取って帰宅した。あとはさっさと寝る前に明日の準備を万事整えておく。

当日

3時半に起床。これはいつものJETT100kmの時と同じなので特に辛くもない。のんびりと朝飯食って(バナナ追加)出すもん出して、心拍バンドに乳首保護テープ貼って、ジェルとかウェアとかもう一度動線を考えて確認しておく。

今朝の気温は自宅周辺は0度。日中は気温がうなぎ上りになるものの、スタート待ちのころ、新宿あたりも1度くらいでかなり寒いことになりそうだ。まぁ前もそうだった。そこで「捨てても良い上着」を着て行ってスタートエリアの回収箱に捨てる、という方法を取れる。

今回はこの「捨てても良いやつ」がまさに5年前のゴール後にもらった安もんのフリースだった。もともと安物(大会後にタダで配るぐらいだからね)なのに5年間、冬場にだいぶ着込んでもうヨレヨレなので惜しく無い。

5時前、ママチャリで最寄りの駅に向かい(バスがない時間)、始発の電車で東京駅を目指す。丸の内の地下で適当なところにコインロッカーを見つけて荷物預け。ロッカーにはメガネもスマホも入れてしまう。視界は度付きサングラスが頼りだが、地下で掛けてると変なヤツだ。ど近眼モードで手探り進行。

最近のロッカーは電子式になっていて、スイカ払いじゃ無い場合はレシートのQRコードをかざして開錠することになる。レシートを失くすと荷物を取り出せない。さっさと新宿に移動すべし、ということで「まぁだいたいこの辺のロッカーでええやろ」と適当に選んだのだが、後でだいぶ苦労することになった。

補給戦略

これまではいつもマラソンにはどこかのトライアスロンの大会Tシャツを着て出るのが恒例だった。当然ポケットとか無いから、補給はランパンのポケットまたはウエストポーチである。

しかし昨年JETTのランニング部で新調したランシャツは、ジェル等を入れられるポケットが背中に左右ひとつずつ付いているという便利な仕様だった。これを使わない手はない。

アミノサウルス黒2白2を左右に2個ずつ。BCAAの粉(おまじない)。カフェイン錠。こんなところで、腹具合を確認しながら、減りが早いようなら10キロごと、大丈夫そうなら14キロごとに摂るつもりだった。

スタート待ち

西新宿に着いたら、あとは係の人の案内に沿って素直に歩けばスタート地点に自動的にたどり着く。自分はゲート1、スタートCブロックということだけ覚えておけば良い。

途中仮設トイレに並んだ・・・正確には並ぶ必要はなかった。最近よくある「男子小用」がふんだんにあって、すぐに使えるのだ。これでもうレース終わりまで安心。

7時過ぎ。Cブロックにはもうちらほらとランナーが集まり始めていた。それにしても寒い。ジョグでもしてゆるゆるとアップしておこう。何度かウィンドスプリント的なことをして心拍を上げておいた。どうせ残り1時間ぐらいは整列して立ちっぱなしになるけど。

並んでしばらくしてから、フリースをさっさと脱いでおくことにして回収箱に投げ込んだ。あとはランシャツに短パンとゴミ袋(笑)だ。ちなみにシューズは今年から投入したマジックスピード3。履き心地もハネ感もよくお気に入り。

ほどほどの値段で性能ヨシ!おすすめです

スタート

ガタガタ震えながらスタート待ち約1時間半。いろいろセレモニーを経てようやく開会式が始まった。先ほどからしきりとアナウンスで「お手持ちのものはぜんぶ持ち帰ってください」と繰り返している。ゴミ袋どうするべ?やっぱり走りながら途中で脱いで、給水のゴミ箱に捨てるか?

しかし、8時半頃に朝日が都庁のビルから顔を出してから急激に気温が上がってくるのが感じられた。予報通り、途中は結構暑いぐらいかもしれんし、スタート時にすでにゴミ袋要らんやろこれ。もう脱いどくか。

と思ったら、コース脇の植え込みの向こう側から係の人たちがゴミ袋他を一斉に回収しはじめた。なんのことはなかった。それを見たコース真ん中に陣取った連中が無精してゴミを投げつけてくるのには閉口したが・・・

9時10分。定刻スタート。派手な炭酸ガススモークと紙吹雪が舞った。割とすぐそこにゲートが見えている。あそこからキプチョゲとかハッサンとかが走り出してるのかぁ・・・と思うと感慨深い。自分のブロックはCだが、AとBの人数なんてしれてるので、スタートロスは40秒程度だった。

ペース戦略

今回は「あわよくばプラン」として3時間10分のペーサーにベタ付きして3時間一桁を狙う、というのが最も甘い見通しの計画。だがさすがに事前の練習の負荷感からして「それはないだろうな」とは思っていた。

次が「うまくいけばプラン」として終盤にタレても粘って3時間15分切り。そして「できればここは押さえたいプラン」が昨シーズンベストの3時間18分切り。さらに「オマケで押さえたいプラン」が「サブ山中」iPS細胞の山中教授のベスト3時間22分切り。最後に「最低限押さえたいプラン」がサブ3.5だ(言い訳が多すぎ)。

展開

また、だいぶ字数を稼いでしまった😆。ご存知のとおり、東京のコースは前半6キロ辺りまでひたすら下り基調である。常に視界に3時間10分のペーサーを捉えながら無心に進んだ。

驚いたことに、10キロあたりまで全く疲労感がなかった。ペースは間違いなく4分半を少し切るくらいで進行している。あれっ?もしかして今日絶好調?いやいやいや、落ち着け落ち着け、今までそんなふうに思って突っ込んでハーフ過ぎで何度撃沈してきたことか。

そこで、今日は時計を見るのをやめることにした。キロごとのラップでブルッと震えて通知がくるが、どうせオフィシャルの距離とずれているし、もう1キロごとの上げ下げとか気にするより、無心で走った方がいい。5キロごととハーフのオフィシャルの計時マットのところだけチラと確認することにした。

そこからは「流れ」で淡々と進む。いつの間にかペーサーの少し前を走っていた。振り向いて位置を確認したくもなったが、それもあえてやめた。どうせ終盤タレてきたら捕まる。その時はその時。

ハーフで1時間35分切り。このまま2倍すれば一桁ということだが・・・ここまではまだ順調。板橋・湘南の時はもうここでダメになってたことを思うと練習の成果が出ている。オッサンでもやれば結果はついてくるのだ。

この辺り、橋越えの微小なアップダウンの繰り返しがあるので要注意だ。けん玉ランナーの「上りは小猿、下りは小石」をずっと唱えながら走っていた(なお、意味はよくわからない😆)。

そこへ沿道から「JETTがんばれ〜!」の声。アッと思って振り返るとJETTキャップの人が!!「ありがとう〜〜!!」の声出しで一瞬フッと楽になる。嬉しかったなぁ。後で聞いたら最近WTRLに参加してくれているOnoeさんだった。

あと、昨日爆走していたInaさんも応援ナビで追っかけながらいつのまにかどこか(?)で走行動画をパパラッチしてくれていた🤣。

さすがに25キロをすぎると次第に苦しくなってきた。当たり前だが。それでも30キロでもまだ脚は回っていた。2時間15分切り。画期的だ。しかし、その頃から後ろにヒタヒタと3時間10分ペーサーの集団が近づいてきていた。

33キロ。ついに捉えられ、いつものようにジリジリと抜かれ、そしておいていかれる。35キロからはてきめんにラップが落ちていくのを感じた。もう脚が痛くて無理ができない。ここからの9キロは、長かった・・・

感覚的にはもうキロ6をオーバーしていると思い込んでいたが、あとでログを見たら意外や最も遅かった41キロでも5分25でまとめていたのには自分でもびっくり。ここまで「被害」が少ない撃沈もめずらしい。これもまた曲がりなりにも走り込んだ成果だったのかもしれない。

ゴール

平均パワー240Wってホンマ?

とにかく東京マラソンってのはお祭りみたいなもんだから、本当に派手で、大袈裟で、なにもかもが特別感があって、異国からのランナーが大挙して走ってて、、、と本当に面白い。終盤は特に苦しくて残り距離カウントで必死になってたけど「面白ぇぇぇ」とはずーっと思っていた。

41キロ手前のコーナーを曲がってからの残り1キロの石畳。ビクトリーロードだ。上手いことコース作ったもんだなぁ。足の痛みに耐えながら、最後のコーナーを曲がってゴールまで100m。JETTのラストフリーを思い出しながらスパート。終わった・・・

なんとあれだけ撃沈したにも関わらず「できればここは押さえたいプラン」の昨シーズンベストをがっつり更新する3時間16分台でまとめられたのだ。この歳で昨年の自分に勝つというのはなかなか痛快だ。内容的には完全イーブンで行けた昨年の方が圧倒的によかったのだが。

終わってしまうと、脚は痛いがニヤニヤが止まらなかった。

帰途

あれこれゴール後の儀式を済ませ、もらうもんもらったら後は地下に潜ってさっさとコインロッカーへ。たしか、なんとなく「この辺」だったような。なんとなく。うーん。だいたい近いはずなんだが、違うな。え?

無いな。あれ?Pエリアのロッカーってこれ?小さいな。ちがうもっと大きかったはず。えーっどこなん?もう一度見直せってか?案内地図は?・・・なんでコインロッカーのアイコン無いねん!

などと30分くらいウロウロする羽目になった。疲れた・・・なんのことはない、見つけたPエリアのロッカーのもう少し奥にいけばよかったのだった。ヤレヤレ

歩く分には問題なかったが、階段を降りるのは手すり無しでは無理だった。そうしてヒーコラ言いながらなんとか駅にたどり着き、最寄りの駅からこれまたヒーヒー言いながらママチャリ漕いでなんとか家に辿り着いたのが午後3時過ぎ。

やっぱり単体のマラソンはすぐ終わるなー!!

総括

曲がりなりにも昨シーズンベストを更新できたこと。しかも4分半を33キロまで持続できたこと。前半全く疲労感がない状態で淡々と走れたこと。これらは年初からの練習の成果が出たことで、素直に嬉しい。この方法で練習をさらに積み上げればもう少し伸ばせる余地が見えた気がする。

一方で、やはりマラソンペースでの走り込みが足りないのは痛切に感じる。今回の場合だと4分半で最低でもハーフぐらいは走っとかないといけなかったが、ブリックの辛さに負けてそこまではできなかった。かといってバイク練をおろそかにもできないし・・・ムグググ

いずれにせよ、今シーズンのガチランはこれで終了。実は来週のびわ湖マラソンでJETT大集合の予定なのでうっかり申し込んでしまった。みんなに会いに行くのが主目的で、疲労回復具合に応じて適当にファンランする予定。

その後は・・・富士五湖(四湖)ウルトラである😨

おわり

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