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真の”男磨き”とは

 最近、若者の間で”男磨き”系チャンネルが流行っているように伺える。自分はZ世代ぎりぎりの年齢なのだが、周りにいる友人とYouTubeの話になると、某メンズコーチを始めとした、男磨きコンテンツの話題になる。

 これは日本に限らず、世界的に見ても”男磨き”や”テストステロン”と言った、魅力的な男になるための指南コンテンツは人気である。

 そもそも男磨き系コンテンツとはどのようなものなのか。

 それは一言で言えば、「テストステロンという男性ホルモンが分泌されるような活動や習慣を通じて、女を魅了してモテ男になろう」と指南するものである。その代表例が、以下のようなものが挙げられる。
・筋トレ
・オナ禁
・朝のコールドシャワー
・ジャンクフード禁止
・寝る前にスマホを見ない。
こんなのは氷山の一角で、「あれもダメ、これもダメ、これをするべき、これもするべき」とこんなんいちいち全部やってたら、人間らしい生活を送れなくなるだろうとツッコミたくなるもの多い。

 私自身、これの活動を一通り経験したことがあり、たしかにエネルギーが満ち溢れるすばらしい活動・習慣だと思う。特に筋トレに関して言えば、学生時代に、筋トレの頂点である競技、パワーリフティングの全国大会にジュニア部門で出場した経験があり、大きな自信になった。

 しかし、実際冒頭に紹介した某メンズコーチも警鐘をならしていたように、これらの活動をしたことによって、

”俺は特別な男になれた気がする”

という全能感に酔いしれ、満足してしまい、本当に達成するべきゴール(モテる、金を稼ぐ)から目を背けさせてしまう。

 また、これらの男磨き系コンテンツはYoutubeでだけなく、男磨き系著書も書店の自己啓発コーナーに置かれているのを目にするだろう。例えば、「男は金が9割」「本当にモテる男がやっていること」等など。

 では、何故、これほど男磨き系コンテンツは世界中、著書から動画に至るまで、人気を博し続けるのだろうか。

 その理由は世の中の8~9割を占める大多数の非モテ男性からの受けが良い、つまり多くの人からの共感が得られやすいからである。

 以前のNoteでも書いたが、めちゃくちゃイケメンではない多くの男にとって、女性からモテる、即ち女性と関係を持つには外見を最大限洗練させ、より多くの女性にアプローチをするしかないのである。

 ここで私のエピソードを紹介させてほしい。私は今この記事を書いている3週間前ほど前に、マッチングアプリをインストールをし、ここ2週間くらいは、ほぼほぼ毎日女の子と電話をしたり、デートに行ったりしている。

 しかし、ただただ苦痛である。自分はよく友人からトークが面白いと褒められることが多いが、百発百中女性を魅了させることができない。そもそも、女性の話を聞いてて面白いと思うことがないのが辛い。
 1回デートしても、それっきり連絡が度絶えてしまうのが普通である。どれだけ自分が外見や経験へ投資して、多少魅力的な男になったとしても、選ばれる側の性として、プレッシャーはある。まさしく、就活と同じである。書類選考の壁。1次面接の壁。2次面接の壁。3次面接の壁。というように。

 しかし、この選ばれる側の性として女性の前に立ち、コミュニケーションを取ろうとすることへプレッシャーやストレスを感じるのは、世界共通というか、自然界共通なのではないかという確信がある。

 自分がアメリカに留学していた時、ハンサムでスマート(知的)なブラジル人と、薄暗い独房のような狭い部屋でシェアルームをしていた。彼は、かなり多くの女性経験があるらしかったが、それでもクラブやパーティ等、女性が多く集まる場所へ行く前は、自分の部屋で鼻息を荒げながら、ロックミュージカル聞き、口ずさんでいた。

 なにが言いたいかというと、一部の女慣れをしている恋愛強者男性だったとしても、多くの男性にとって、初めて女性とデートをしたり、コミュニケーションを取ることは、緊張するものであるし、時には苦痛になるときもある。

 そして、男磨き系のコンテンツは、女性にアプローチして断られる、女性とデートをして連絡が途絶える、女性に告白して振られるといった、拒絶による苦痛から逃避させ、男磨きをすれば何か魅力的な男になって女性を魅了することができると勘違いさせてしまう、麻薬的なものである。

 確かに、男磨き活動、即ち筋トレやオナ禁、コールドシャワーは男性を活動的にさせるのは間違いない。

 しかし、結論、私の定義する男磨きとは、

「多くの女性にアプローチして、拒絶される恐怖を乗り越えながら、口説き続ける」ことである。

 もちろん、仕事で成果を出したり、出世するために努力することも男磨きと言えるかもしれないが、私はそうは思えない。

 なぜなら、「女性からの承認こそが、男を男たらしめるものである」からである。どんなに仕事で成功して、どんなに金を稼いでも、女性から承認されることがなければ、心の虚しさを埋めることはできないであろう。







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