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宇宙からきたエリンギ

私たちが普段の食事で食べるキノコはどんなものがあるでしょうか。

「私は普段から家でポルチーニ茸を食べているわ」という人や、「朝食の目玉焼きにはいつもトリュフを乗せてるわ」、という人もいるかもしれませんが、それはちょっと置いといて、おそらく、しめじ、椎茸、えのき、舞茸、なめこ、エリンギあたりではないでしょうか。

まぁ、中にはフランスの高級食材である、モリーユ茸やジロール茸をバターで炒めてお弁当に入れてます、なんて人もいるかもしれませんが、それはごくごく稀な例でしょう。ちなみに私の周りにはそんな人は一人もいません。

では、子供の頃に食べたキノコを使った料理はどんなものがあるでしょう。しめじは炒め物。椎茸は肉詰めや、筑前煮。えのきは主に鍋料理に、舞茸は天ぷらに、ナメコは味噌汁といったところでしょうか。ではエリンギはというと、、、

どうやら、私は子供の頃にエリンギを食べた記憶はありません。もともと、子供の頃は野菜もキノコ類も好きではなかったので、すすんで食べることはなかったですが、エリンギに限っては見た記憶すらありません。

それもそのはず、私がまだ子供の頃はエリンギ自体がまだ日本で流通していなかったのです。

日本でエリンギが初めて栽培されたのは1993年、私が10歳の時です。その年に、愛知県にある林業センターが日本で初めてエリンギを人工栽培しました。その後、数年経ってから全国的に流通されはじめたと考えると、おそらく家庭の食卓にエリンギが並ぶようになったのは、1990年代の後半からではないでしょうか。

私の記憶がただしければ、当時、14才か15才だった頃、テレビ朝日で深夜にやっていた、「パパパパパフィー」という番組で、「ねえねえ、エリンギってキノコ食べたことある?エリンギめちゃくちゃ美味いよ」とパフィーのお二人が力説していました。それを見て、そんなに美味しいキノコがあるのかと思ったものです。

私は世間にエリンギの美味しさを知らしめたのは、このパフィーのお2人だと思っています。

ところで、いつかマッシュルームの記事にも書いたのですが、キノコにも植物と同じように、花言葉があるのですが、さて、エリンギの花言葉はなんだと思いますか。

それは「宇宙」です。コスモであり、ユニバースであり、スペースです。

なぜ宇宙になったのかはよくわかりませんが、言われてみれば、エリンギの茶色い傘の裏側を覗き込むとそこには宇宙が広がっているようにも見えます。

味が宇宙レベルに美味しいというのもあるかもしれませんが、味覚には個人差があるのでなんともいえませんね。

または、見た目がスペーシーというのもあるかもしれませんが、私的には、なまめかしい色白の肌に、少し湾曲した腰つきが、すらーっと頭の傘に伸びていく姿は、スペーシーというよりかは、どちらかというと、セクシーという言葉を思い浮かべてしまいます。

そんなエリンギですが、最近では、縦に切らずに輪切りにして、ホタテ貝に見立てた料理をよく見かけます。

これがもう、見た目も食感も完全にホタテです。
生き物が天敵に襲われてしまわないように、周りの景色にとけこんで姿を隠すように、完全にホタテになりすましています。
これは相当な手練れです。おそるべし宇宙のパワーを感じます。

今私の中では、エリンギは宇宙からやってきた説がもっとも有力です。



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