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架空書籍紹介(1冊目~7冊目)

 最近どこかで「架空書籍紹介シリーズとかやってみたいな」と書いたので、Xで一日一冊ポストしてみてるシリーズ。架空書籍として紹介してみて、本当に読みたくなったら自分で書いてみればいいじゃないかと。一週間分のまとめ。


1冊目「書くことはやめられなかった」

かつて流行作家であったが、度重なるスキャンダル、借金、犯罪、服役などを経て、今では病床にいる老人を追ったノンフィクション。彼は半生を振り返った自伝で再び出版界に返り咲こうとしているが、文意の読み取れない支離滅裂な文章しか書けないでいる。


2冊目「俺はパロディを続ける」

パロディ一筋に書いてきた作家と、彼自身の物語を書かせたい編集者との戦いの記録。どれだけマイナーなネタでも見破る編集者が、ついに見抜けないネタが現れる。「ついにあなたのオリジナルが書けたんですね!」「過去の自作のパロディさ」戦いは次の次元に。


3冊目「花歌摘み」

咲いた花から聞こえる歌声を採取する「花歌摘み」が語る連作短編集。花の栄養になった昔の大物歌手の子孫の苦悩、常人には聞こえない僅かな歌声を聞き取れてしまうために、苦労した過去の花歌摘みの話、無邪気な子どもの歌う声を、花が真似て歌い出す話など。全八編収録。


4冊目「SNSで死なないために、殺さないために」

著者は「炎上している所に近づくな」と説く。「悪意のはびこる場所に飛び込むな」とも。自分の身を守るためだけではなく、悪意の波に自ら飛び込んでしまうことで、人殺しに加担する可能性について言及している。自覚なき加害者にはなるな、と。


5冊目「排除された恋愛集」

今や大家となった作者は、若い頃編集者の意見を取り入れて恋愛要素を入れた小説を書いたことを悔いていた。初期作品の登場人物たちのその後を、一切恋愛要素のない話で書き上げる。無慈悲に見えて、作者の本当の作品への愛を感じられることができる不思議な一冊。


6冊目「石弦共奏他-架空楽器アンソロジー-」

石を極限まで削り弦のようにして奏でる楽器「石弦」を奏でる演奏者二人の長すぎた人生を書く表題作他、走行と演奏を同時に成功させた古代楽器「車輪雅」、赤子の産声だけをサンプリングして演奏する奏者の行き着いた結末「生鳴」など七編収録。

※こちらを原案にして千人伝(二百六十一人目~二百六十五人目)を書く。


7冊目「忘れがたき怪談」

忘れたくても忘れられない怪談を集めるつもりが、忘れたくても忘れられなかった怪談を思い出せなくなっていて、なぜ思い出せなくなったのかというとそれは思い出してはいけないことなのだと気づいた筆者による、忘れてしまった怪談の正体を探す旅の話。怖くない。


 目安は千冊だろうけれど、特に深く考え込まずに気軽に書いていくつもりなので、質はブレるかもしれません。

入院費用にあてさせていただきます。