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本の感想を書くことの3つの意味+1(2021.12.24追記)

現在記事数52。
閲覧数ワースト3の記事に共通点がある。
「読んだ本の感想」である。

三浦綾子「母」


遠藤周作「哀歌」


坂口安吾「夜長姫と耳男」


そもそも記事の内容が、
作家が、
投稿時間が、
などそれぞれ問題はあるだろう。
読書カテゴリへは投稿数も多いし埋もれやすい。

だが私はこれからも本の感想の記事を書き続けていこうと思っている。
それはなぜか。


・これらの本は必要とされている、というアピール

売れ線でなく、新刊書店での取り扱いもほとんどない。
だけど自分は好きだ、という本がある。作家がいる。
自分一人が読んだところで、どうにもならないかもしれない。
しかしたとえば、読書メーターで既読作品に入れたり、レビューサイトなりnoteの記事なりで感想を書いたりすれば、その本を読んだ人がいる、というアピールをすることが出来る。
作者やその遺族、出版社や編集者へと、そのアピールはいつかは届く。
その作家の次の仕事に繋がったり、絶版作品の再販や電子書籍化、作者の再発見へと繋がっていく可能性はゼロではない。


・いつかどこかの誰かが読むきっかけに

自分が読む本を選ぶ時のきっかけ、というのはいくつかある。
書店や図書館で手に取ったり、Kindleでサンプルをダウンロードしたり。
昔なら、芥川賞の選評で、興味を持った作品をよく手に取っていた。受賞作よりも面白そうなのがあったりした。
その他に、ネットで複数の人が話題にしていた本、というのもある。Twitterのタイムライン上で、noteの記事で、など。
自分の感性が一部でも通じる人にいつか届いてくれたら。


・作者へと届く

今の時代、多くの作家がSNSをしている。
読んだ本の感想を書くことで、直接作家と触れ合える機会が出来る。
なんなら相互フォローまでしてもらえる(こともある)。
そうすると、「次何の本を読もうかな」となった時、「そうだ、この間接触したあの作家さんの」という風に手を伸ばしやすくなる。

例として

石川宏千花さん(児童文学・ヤングアダルト作家)
昨年出版された「拝啓パンクスノットデッドさま」(後に日本児童文学者協会賞受賞)を読んだ際に、作品に登場する曲のプレイリストを作ると、即座に作者から反応があった。
今でもTwitterでこまめに自作への感想の呟きに反応してくださっている。

天野純希さん(時代小説家)
立て続けに本の感想を書いたところ、作者本人からのRTなどをいただけた。
そして本の感想に対する作者様の本音



上記二人は現役な上に人気作家。私も別に昔のマイナーな作品ばかり読んでいるわけではない。


アーリーバード・ブックスさん(電子書籍出版レーベル。代表は作家後藤明生の娘である松崎元子さん)

KindleUnlimitedに入会して二ヶ月ほどした時、パッと思いついた読みたい本は大体読んだかな、という時に、後藤明生コレクションというのを発見した。大好きな後藤明生の著作のほとんどが電子書籍になっていた上に、KindleUnlimitedに入っていれば読み放題だった。即座に継続を決めた。

各巻の冒頭に置かれている、松崎元子「後藤明生・電子書籍コレクション刊行に寄せて」からの引用。

人生の大半を捧げて「読み」「書いて」「生み出された作品は、「読まれ」なければなりません。著作のほとんどが絶版となり、古書も価格の高騰で入手困難という憂うべき状況が、電子書籍というメディアの登場により新たな活路を見い出せたことは、娘である私にとっても大きな喜びです。この選集が父を支えて下さった長年の愛読者の皆様へ再び届くこと、さらには父の作品との新たな出会いを果たす読者の皆様を新鮮な驚きへと誘うことを願ってやみません。



昔どっぷりはまった後藤明生に、再びのめりこむことが出来たのは、電子書籍版の存在だった。そして「読む」という行為は、現役の作者だけでなく、遺族の方の想いへも繋がっていくと知った。これも読書メーターの記録を再開して、Twitterで呟いて、出版元から反応があって初めて知れたことだった。


というように、ただ読むだけでなく、どんな形であれ、読んだ本のことを書けば、どこかしらに繋がっていく。それが私にとって、本についての記事を書く理由である。

これからも書き続ける。


以下2021.12.24追記

・賞をもらえることがある

note主催コンテスト「読書の秋 2021」にて

本の感想記事

文月悠光「臆病な詩人、街へ出る」

がnote賞を受賞しました。読んでくださった方全てに感謝します。


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