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心不全③クリニカルシナリオⅢ(CS3)を説明できますか? ~利尿剤と血管拡張薬を使い分ける!~ けど、100点満点の治療はいらない

割引あり


前回に引き続き、有料記事をもう一つ書いてみます。
「心臓」を誰にでも分かりやすく。私のポリシーです。
損はさせませんので、心臓に興味がある方はぜひ御一読をお願いします。
もちろん、一般の方々も大大歓迎です!


前回はCS1(クリニカルシナリオ1)について説明しました。
CS1は、基本的には交感神経の緊張により末梢臓器への血流の低下+中枢臓器への血流増加、および腸や肝臓にプールされていた血流の放出が原因でした(前回の記事に書いてあるので、ぜひ覗いてください)。

でも、「心不全」と聞くと
足や顔が浮腫む
体重が増える
・歩くと息切れする
・胸水や腹水が溜まる
・そして、段々悪くなる


元気がなくなり、ベッドから動けなくなる患者さんも多いですね。。。


このような症状をイメージされる方が多いのではないでしょうか?
でも、CS1では突然症状が出現して、しかも浮腫みはあまり生じないと紹介しました。体重が増えていないことも珍しくありません。
どっちが心不全の正しいイメージなのでしょうか?

さて、もう一度クリニカルシナリオを思い出してみましょう。
CS1-3の分類はどうなっていたでしょうか?
CS3は、収縮期血圧100mmHg以下の心不全という書き方をされていませんでしたでしょうか?



うーん・・・いや、いいんですけど、前に言った通り

かなり大雑把な分類なんですよね、これ。。。


心不全をよく知らない方でも、迅速に対応ができるという点では非常に有効な分類です。ただ、私の記事を読んだ方は理解した上で診療に臨めると思います。

話を戻しますが、段々と足や顔が浮腫んで歩行で息切れがするのも、急に死ぬほど苦しくなるのも、どちらも心不全であることには間違いありません。
ただ、その様式が全く違います。

CS1とCS3の特徴は?

CS1、つまり急激に苦しくなるタイプの心不全は、

身体的ストレス(肺炎、運動、溢水)等により、総水分量は増えていなくても循環血漿量が相対的に増加し、肺の血管が処理できなくなった水分が間質に漏れ出したものです。



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