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【翻訳】詩人ローレンス・ホープ その42

密林の花
The Jungle Flower

ああ、陰の刻は冷涼なる静寂なれば、
密林の花の香と色は何と見事か。

貴方はその密林の、不可解で烈しくも美しい花の一輪なり
冠絶した外形の、この上なく淡い琥珀で、チャンパの香を漂わす
苦を忘れて、ほどいた髪の薄闇にその顔を飾りたまえ
甘美なる貴方はーー大切な人としてーー一刻ひととき愛される

だが想いははるばる飛んでいく、別の者の胸元へと
その胸元の白が、桃色の双輪の花を思わす薔薇色に泡と砕け
我が唇のやさしく触れた蒼穹色の血管がくねる
ほんの刹那ばかり寛大にしてくれた〈運命〉のもと

我が心の住まいと、我が魂の陋居ろうきょがあり
残るは流浪の民が歩む道に建つ宿のみ



チャンパ:熱帯、亜熱帯で咲くインド素馨ソケイの、インドにおける名称。属名よりプルメリアとも呼ばれる。



このたび、紹介しましたのは、女性詩人ローレンス・ホープの没後に発表された詩集Last Poems(1905年)所収の作品でした。原文はこちらのリンクより確認できます。

この詩を詠んだ作者の経歴に関しては、以下の記事でまとめています。よろしければ、こちらもどうぞご覧くださいませ。


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