Gail Honeyman『Eleanor Oliphant Is Completely Fine』:生ぬるいアラサー女性向け小説とは一線を画す、イタイけどいとおしい名作

イギリス・スコットランド作家による2017年のデビュー作にしてベストセラー

作者のGail Honeyman(ゲイル・ハニーマン)は、イギリス・スコットランドの作家で、本作『Eleanor Oliphant Is Completely Fine』がデビュー作です。「New Yourk Times」ベストセラー1位。

日本語訳は、『エレノア・オリファントは今日も元気です』という、原題のほぼ直訳の

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Art is for all.(アートはみんなのもの)
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南仏のヴィラで起きた殺人事件を巡る、予測不能な7日間(園部哲)

「園部哲のイギリス通信」第9回
"The Holiday"(ザ・ホリデイ)
by T.M.Logan 2019年7月出版

ミステリー系のエンターテインメント。この夏休みを狙って出版したに違いなく、かくいう私も空港の書店で手にした口。まずタイトルが単純でいい。大学時代の親友4人が40歳の誕生年を祝って南フランスに集まる、という設定もいい。彼女たちは夫や子どもを連れてやってくる、いわば家族ぐるみの夏

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これ積ん読!
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めも。サキ『ウィリアムが来た時』(国書刊行会/深町悟=訳)2019年6月15日発売。舞台はドイツ帝国に支配された架空のロンドン。独英文化の入り交じる世界で繰り広げられるディストピア群像劇。短編小説の名手サキの大胆な試み。
https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336063564/

Thank You(´ω`人)
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テイラー・スウィフトと英米文学 ④CATS/T.S.エリオット

テイラー・スウィフトと関連の深い文学作品を勝手に紹介します。
第4弾です。

今回はF.スコット・フィッツジェラルドについて書くつもりだったのですが、
ちょうど先日、映画版CATSの予告編が公開されて完全にテンションが上がってしまったため、
CATSの原作者であるT.S.エリオットについて少しだけ書こうと思います。

CATSは特殊なミュージカル

日本でも劇団四季がロングラン上演を続けていること

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ありがとうございます!とても嬉しいです!!
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めも。ジョン・メトカーフ『死者の饗宴』(国書刊行会/若島正=監修,横山茂雄=監修・訳,北川依子=訳)2019年5月24日発売。20世紀英国怪奇文学の鬼才による、不安と恐怖と眩暈と狂気に彩られた怪異談・幽霊物語・超自然小説全8編を収録。
https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336060655/

Grazie(´ω`人)
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【英語多読】ラダーシリーズ・レベル4『オリバー・ツイスト』を読んでみた

英語リーディングの強化方法として人気のある、ラダーシリーズでの英語多読に挑戦してみました。

まず、ラダーシリーズとは何かを最初に説明します。ラダーシリーズとは、英語学習者向けに語彙を制限した書かれた短めの書籍で、伝記、小説、エッセイ等、幅広いラインナップがあります。
対象レベルや使用語彙数は以下のとおりです。(公式サイトより)

英検やTOEICの点数が目安として示されているので選びやすいですね

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わーい!ありがとうございます!
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「フォーサイト・サーガ」 後半

総領のおじいちゃんが家出をしていた息子ジョリオンを許して財産をゆずる選択をした。
このあたりまで惰性で読んでいたが、ちょっとこれはどうなるのか?と続きを期待する気になってきた。

テーマ自体は、フォスターのハワーズ・エンドと似たようなものだと思う。(映画も名作!)

切り口が違う。
財産家の方からの視点なところや、アイリーンのキャラなど。

名作「天井桟敷の人々」で
『愛は貧乏人の特権です!』

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ありがとうございます~♡
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「フォーサイト・サーガ」 前半

映画化されているようだが…。

感想を検索したが、なんとなく見た人も「???」という感じだった。
無理もない。
このお話を理解するには、描かれていない部分を推察する必要がある。
そこを原作と同じようにふわっと曖昧にしていては、この物語の主軸は決してつかめない。

話は富豪のフォーサイト家のパーティからはじまる。
「The Man of Property」

どっしりとしたおじいちゃんが一家を束ねて

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励みになります。
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クレイ・フォーサイトから連想した。「フォーサイト・サーガ」

プロメアで、プロメテウス神話からなるものだ!との考察がにぎやかに湧いている中でひとり、ずーーーーっと考えている。

フォーサイト…「フォーサイト」

どうしてフォーサイトを持ってきたんだろう。
気になる。なぜクレイはフォーサイトだったんだろう。

本当に、長いこと心に残っていて考えさせられた本だった。
「フォーサイト家の人々」

2011年3月に読み終えてちょっと忘れかけているが、再録に手を入れて

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感謝申し上げます。
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河岸の歌声

かなり昔のことで、当時の人はもう誰も生きていません。私も伝え聞いた話ですので、かなり脚色されているかもしれません。

互いに知らない人はいないというほど小さな村での出来事でした。その村は、山の斜面がV字型に迫っている谷間にあって、人々は谷底を流れる川の近くに軒を連ねて暮らしていました。日照時間は、夏でも5時間ほどで、あまり気温は上がりませんでした。むしろ肌寒いほどでした。過去に何度か山崩れがあり、

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