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[本棚に魚本] 都会の里海 東京湾 (ノンフィクション)

『都会の里海 東京湾  人・文化・生き物』 木村尚著 (中公新書ラクレ)

福岡生まれ、福岡育ちの私には縁もゆかりも無い東京湾。
しかし、日本テレビの『鉄腕DASH』の影響で、行ったことも無いのにどこか親しみを感じる東京湾。
そして、そんな『鉄腕DASH』でお馴染みの木村尚さんの著書がコチラ!

タイトルの通り、主役は東京湾ではあるものの、帯の写真にいきなりゴブリンシャーク、魚好きが食いつかないわけがない本なわけで。
中にはゴブリンシャーク以外にも東京湾に生息している様々な生き物が紹介されているから魚本認定。

内容は、東京湾の現状や東京湾の環境を良くするために行われている取り組み、そして東京湾で見られる生き物の話。
『鉄腕DASH』の視聴者には過去に見た内容の復習と補足説明みたいで楽しいし、もちろん番組の本ではないので番組を観ていない人でも、テーマに興味さえあれば問題なく楽しめると思う。
白黒ではあるものの、写真もたくさん掲載されているのが嬉しい。(個人的には、エルクケルプと著者の写真にツボった。笑)

東京湾の環境向上を目指しているからといって、ただただ生き物を大切に、みたいなスタンスではなく、東京湾で漁れる魚や貝などの食べ方や味にも言及しているのが、魚たちを生き物としても食材としても愛している私としては好感が持てた(^^)

また、生き物ではなく東京湾を中心に書かれている分、もろに魚に焦点を当てた本よりも海藻の登場率が高いことに個人的には興奮。魚の餌としてなどの脇役ではなく、アカモクやワカメなど具体的な海藻たちが話題の主役として出てくる。
海苔養殖の話なんかも面白い。

いつもとはちょっと違う角度から海の生き物について書かれた本を読みたい時にもってこいの一冊、ぜひ!

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