死んでから本番キタ
これって幽霊? 異世界転生じゃなくて? 幽霊?
ユーレイになっちゃった!!
なんて、浮かれたのも数分間だ。
満員電車だった。
死んだ人間が思いを残してうじゃうじゃうじゃうじゃ、そこらにいる。
満員電車である。ただ、本当に、満員電車みたいなもので、大半は無念なだけであったり危害をくわえるつもりなどなかったり。現実世界と同じである。
なのに、数は増えていく。うじゃうじゃ、わらわらわらわら。死ぬ数は毎日物量センター並であった。
いや、消えろよ、人魚姫とかいくらでもそういう話はあっただろう。モノガタリと、ちがいすぎる。
成仏できるやつは、本当に幸せだ。
残されたモノは牛詰めである。ぎゅう。きゅう。霊感あるらしき女の子が、わたしと目があって、たまたま、つぶやいた。
「地縛霊……」
いや。いやいや。
コレね、満員電車でね、座る席がなくってね、立つしかない、そんなもんだから!!!
誰かなんとかしてくれ、除霊でもなんでもいいから。
わたしでも、隣のやつでも、誰でもイイから!!!!
なんだか、死後のほうが、恨みぶかくなった。
こうして悪霊は誕生するのかもしれない。毎日、満員電車なセカイで、ギュウ詰めなもんで。。
ぎゅう。
END.
読んでいただきありがとうございます。練習の励みにしてます。