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【読書日記】リエゾン~こどものこころ診療所~

久々にコミックに手を出した。「リエゾン~こどものこころ診療所~」を読んでいる。医療モノのマンガだが、なんといっても児童精神科医に着目しているところが今までの医療モノとは違うところ。

児童精神科というのは、いわばこどもたちのメンタルヘルスや発達に関わる相談や診療を行っており、一般の精神科と違って患者の背景にある問題に対処するため、様々な機関と連携することが多いのが特徴。

医療ドラマでは、カッコよく手術を取り仕切る姿や患者のためになりふりかまわず奔走する姿がよく映し出されているが、「リエゾン」では、患者となる子どもたちの問題に真剣に立ち向かうだけでなく、優しく接しながら彼らのこれからを温かく見守る。児童精神科医の仕事ぶりがよくわかるように描かれているのが良い。

また、主人公である児童精神科医と研修医の二人が発達障害当事者であることから、当事者でしかわからない悩みや生きづらさについても丁寧に描かれていた。

特に「カミングアウト」のエピソードは、読んでいて心に刺さった。当事者である研修医が周囲の人々に自分が発達障害であることを打ち明けるまでの葛藤や周囲のそれぞれの受け止め方など、「私ももしかして実際にそういう状況になったりするのかな」と思うくらいにリアル。大いに考えさせられたエピソードだった。

今のところ4巻まで読破した。帯には、「泣ける」「号泣必至」と書かれてはいたが、私は癒されたと同時に深く考えさせられたな。虐待や貧困などの社会的な問題も取り上げられているが、患者としてやってくる子どもたちが抱える悩みや問題は、実に幅が広く、お受験やダイエットといった身近な部分でもメンタルヘルスを崩すことがある。社会のせいとか親のせいとかそういうことではなく、問題の種はどこにでも存在するんだろうな。

主人公たちのいるクリニックの行く末や当事者として発達障害とどう向き合っていくのか。気になるポイントがたくさんあって見逃せない。これからもコミックを集めて、読み続けていこうと思う。そして、深刻な場面はあるものの、全体的に癒しと優しさに包まれているマンガなので、ぜひ手に取って読んでもらいたい。今週の金曜日の夜には、ドラマの「リエゾン~こどものこころ診療所~」が放送される。

世界観やストーリーを大切にしてくれると思うので、どのような感じの作品になるのかとても楽しみで、期待している。

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