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読書記録:スパイ教室06 《百鬼》のジビア (ファンタジア文庫) 著 竹町

【もう奪われない為に世界に復讐を果たそう】


【あらすじ】
死亡率九割を超える”不可能任務”に挑む機関―灯―は、尊敬する同胞たちの死の手がかりを求め、同盟関係である工業国・フェンド連邦に潜入する。

しかし、調査に奔走するジビアの前に鉄壁の防諜機関―ベリアス―のボスが立ちはだかる。

『我々に一方的に奉仕する――呑める条件は、それだけです』

”スパイの世界には、協力はあれど友好はない”皇太子暗殺未遂犯を捕えるため、ティアを人質に『灯』は利用されてしまう。

陰謀と混沌渦巻く中、誰よりも優しい少女は立ち上がる。

『覚悟は決まった――奪われた復讐をするために』

少女たちは止まらない。同胞の死を胸に『灯』が暴れ始める。

Amazon引用
登場人物紹介

敬愛する同胞達の弔い合戦を行うジビア達の前に鉄壁の防諜機関が立ち塞がる物語。


スパイの世界には協力はあれど、友好は無くて。
陰謀と混沌の中で、散っていった鳳の無念を晴らす為に、哀しみを背負った追悼の闘いが始まる。
百鬼の名を持つジビアの過去は凄惨な物で。
夥しい傷と痛みを抱いて闘いに臨む。
歪んだ世界の悪意に散々と辛酸を呑まされて。
仲間を人質に利用されながらも、人を慈しみ、訃報を哀しめるジビアは歪まない。
嘘と謀略に満ちた世界で。

「鳳」の死因を調べる、その裏に潜む敵を討つ、「鳳」が見つけた「ゲルデの遺産」を手に入れる事が今回のミッション。

壊滅してしまった、「灯」の同僚チーム、「鳳」。一人を残し壊滅してしまった最強のチーム。
何故、彼らは壊滅してしまったのか?
一体彼等に何が起きてしまったのか?
彼等に起きた事態の真相を求め、潜入したのは同盟国である工業国、フェンド連邦。
霧に煙る紅茶と王室の国。

しかし、その国で待っていたのは決して歓待などではなかった。
「灯」の前に現れたのは、連邦の諜報機関「ベリアス」。
かの組織のボスであるアメリは語る。
この国において今、皇太子暗殺未遂事件が発生した。
そしてその第一容疑者は、「鳳」の唯一の生き残り、ランであると。
ランの言葉を信じたい、だが確証がある訳でもない。
そして、スパイの世界に友好関係なんてものはない。
それは自明の理。
スパイにとって一番重要な事は祖国の利益。
仲良しこよしなんかでやっていける訳がない。
あるのは自分にとっての利用価値、ただそれだけ。 

短期間ながらも絆を深めたチーム鳳の思ってもみなかった壊滅。
皇太子暗殺未遂犯を捕えるため、ティアを人質に「灯」が利用されてしまう。
状況を知れば知るほど壊滅が不可解で。
ティアを人質に取られ、タイムリミットは二十四時間。
ランを見つけ出さなければ、ティアには死あるのみという過酷な状況下。

難解な捜査に奔走する「灯」。
彼等を嘲笑うかのように起こってしまう暗殺事件。その中で巡るのは、霧の中に隠されている真実と黒幕の思惑。
壊滅の真実、それはあまりにも残酷な物で。
決して、彼らが死ぬ必要などはなかったという、悪辣な事実を示す物。
不必要な死であった事。

だからこそ、やるせない怒りが湧いてくるし、許せない。
許すつもりもない。
情状酌量の余地がない。
その真相に迫る過程で、復讐としてきっちり落とし前をつけてやる。
相手は、部下を人形のように駒して操る非道な防諜機関。
手心を加えてやる義理は毛頭ない。
「鳳」に学んだ技術を胸に、最初で最後の共同作戦と銘打って。
「灯」達は牙を剥く。
「鳳」を壊滅させた相手へと、これ以上ない程の完璧な形で。
全てを闇の中に葬り去るかのように。

だが、その裏で確かに「蛇」の思惑は渦巻いている。
そしてそれは、ほどなくして炸裂の時を迎える。
それこそ、最悪の形で。
全てを裏切るかのように。

 その最中に、フェンド連邦の防諜部隊「ベリアス」の一人「操り師」に捕まったジビアを助けに来たクラウスはベリアスと共に合同捜査をすることになる。
鳳を殺害した犯人がベリアスであることに知ったジビアは復讐を果たす事を決意する。
鳳から技術を教わった灯は急速な成長を果たしていた。
そして明らかになる、鳳の死亡には『蛇』が関与している事実。
そこから始まる、騙し騙されの攻防合戦。

鳳は壊滅したが、その意志は確かに彼女達に引き継がれている。
「灯」はここからどうやって、因縁の「蛇」に立ち向かうのか。
そして、まさかのある仲間の裏切り。
何が嘘で、何が真実なのか。
欺かれるたびに、人を信頼する気持ちが薄れ、心がすり減っていく。
更なる地獄からどう抗って行くのだろうか?

己に信念を持つジビアは、これ以上、理不尽に奪われない策を見出だせるのだろうか?


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