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読書記録:未来から来た花嫁の姫城さんが、また愛の告白をしてとおねだりしてきます。 (MF文庫J) 著 ニャンコの穴

【勝利の未来を目指す為にとっておきの魔法を披露しよう】


【あらすじ】

──わたし、約束された勝利の嫁なのっ!

「ごめんなさい。あなたの想いに、応えてあげることができないわ」

片思いをしていた相手と同じクラスになり、嬉しさのあまり勢いで告白したものの、当然のようにフラれてしまった。

そんなどん底の気持ちで帰宅したボクを出迎えてくれたのは――。

ついさっきフラれたはずの相手・姫城冬花その人!?

でも、なんかちょっとだけお姉さんでセクシーな気もするし、なぜかウエディングドレスも着ているし……。

どうやら六年後の未来から来た姫城さん本人で、そこではボクと結婚しているとか言い出すし、なにか目的もあるらしく。

失恋した相手と未来で幸せな結婚をするための同棲生活が始まる!

あらすじ要約

未来の花嫁と幸福を掴む物語。


憧れの想い人が、未来からやってきて、自分と幸せな契を結ぼうとしてくれる。
これ以上にハッピーエンドはないだろう。
積年の暖めてきた想いを、遂に冬花に打ち明けた白馬。
結果はあえなく玉砕。
自分の至らなさに意気消沈した白馬を迎え入れたのは、六年後の未来のトウカ。
どうやら婚姻を結ぶ以上に、隠された目的があるようで。
過去と未来を行き来する彼女の謎を。
とっておきのマジックで解き明かしていく。

背が低くて、童顔がコンプレックスな少年、王寺白馬。
彼はクラス替えで片想いをしていた相手である高嶺の花である姫城冬花と同じクラスとなり、舞い上がった勢いのままに告白するも、至極当然のように振られてしまう。

姦しくて、お節介な幼馴染で彼氏持ちである香奈子から惚気ついでに人気の占い師を紹介される。
物は試しと向かってみると、その占い通りに冬花の前で無様を晒してしまうという、泣きっ面に蜂のような事態を迎えてしまう。

涙を呑んで自宅に帰ると、出迎えたのは、少し大人の雰囲気を醸し出す、ウェディングドレスを着たトウカ。
六年後、白馬と結婚式をあげる直前にタイムリープして来たと意味の分からない事を平然と宣う。

半信半疑だった白馬も、未来のガジェットに保存されていた結婚式の動画を見てしまうと、信じる他なくて。
ガジェットを生み出す魔女であるトウカの祖母の作った道具によって転移してきた彼女は、この時代でやるべき事があると言って、白馬の家に居候となる。

未来から無一文でやってきた為、そもそもこの時代では適用されない、お金やガジェットしか持っていないトウカをこの時代に迎合させる為に、彼女と共に金策に挑む。
更には、妹への誕生日プレゼントに悩む冬花に遭遇してしまい、ナンパ男を得意のマジックで撃退して、彼女の相談に乗る事で、少しだけ近づく事が叶う。
それは、未来のトウカがアシストしてくれたおかげで。

過去の冬花と未来のトウカ。
二人の彼女達と過ごす、目まぐるしいギャップに振り回される日々の中で。
その元来の目的であった、妹の誕生日が近づいてくる。

この時代においては、とある出来事から中止となってしまう誕生日パーティー。
それを滞りなく迎える為には、彼女の妹を気に掛ける事になる事が必要で。
しかし、やはりトウカが未来から遡行したという因果は歴史を揺るがす要因となってしまう。
本来ならば起こり得ない、高名なマジシャンの弟子との対決という想定外の事態が巻き起こる。

勝敗を決するのは、彼にしか出来ない最高のマジック。
二人の彼女を巻き込んだ、壮大な一世一代の大勝負。
その先、トウカはこの時代に来た目的のもう一つを果たす為に駆け出していく。

そもそも、タイムリープには、何らかの制約がつき物だ。
未来から過去に干渉するという事は、本来あった未来を変えてしまう事だ。
あまりにも歴史を改変しすぎてしまうと、世界からの修正力に影響を受けてしまう。
ならば、何故そんな状況であっても、人は過去に立ち向かうのか?
それは、変えてしまいたい過去があるからである。

確実に結ばれる未来が確約されているとしても。
そこに至るまでの道のりには、立ち塞がる障壁がいくつも存在する。

それは、同一時間軸に同一人物が二人存在するという事。
己のもう一人のドッペルゲンガーと邂逅してはならない。
それから、もう一つの難題は、振られたばかりの相手をどうやって恋に堕とすのか?

そして、一番疑問点は、何故、未来の冬花は白馬の事を好きになったのか?
冬花は何故、過去に遡ってきたのか?

それらの不確定な問題を、マジシャン志望の白馬が泥臭く奔走しながら、解き明かしていく。

未来からきた冬花の目的を探り辿る旅路の道中で、頭を抱えたくなるトラブルが次から次へと白馬の元に迫ってくるが。
限られた時間遡行の中でも、得意のマジックを駆使すれば、紆余曲折を経ても、必ず最後には上手くいくと信じて。

たとえ、行動した結果が付いてこなくとも。
人生は終わったと思った所から、本当の意味で始まっていく。
約束された未来を確実に為し遂げる為に動き始めていく。
二人が結ばれる為の、切実な愛の告白を何度も繰り返していく。

そうやって、一つの心残りを解決したものの、本命の議題は依然として、二人の前に立ち塞がる。

果たして、二人の幸せを掴み取ると決意した白馬は、誰をも驚嘆させる魔法を以てして、定められた未来を迎えに行けるのか?
 

未熟な王子様は、愛すべき花嫁と共に、約束された未来と幸福を掴み取れるのだろうか?






















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