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一生に一度。願わくば。

8月に結婚パーティーを控えている。自分の。

さてさて。
どうなるかは、当日、蓋を開けてみないとわからない。

なぜなら、料理以外は自分たちでやることになっているからだ。

いわゆるプランナーさんもいないので、会場選びから始まり、招待状づくり、ドレス作り、会場装飾、プログラム、演出...
すべて自分たちでやる。

私は、おもにアナログ担当で、招待状(宛名などの手書き)、装飾物、ドレスをつくっている。

ここまで書くと、「おぉ!ドレスまで」と尊敬の念をもたれそうだが、ミシンなんて雑巾と裾上げで今年ちょこっと動かしてみた、というレベル。

なので、「よくそのレベルでやろうとおもったな!」という思いで、わたくしの勇気と勢いを称えて戴きたいと思う。

8月8月8月。

そう。夏だ。このところ長く続く梅雨の涼しさに忘れてしまいそうになるが、8月は夏真っ只中。
美しくメイクしてきてくれた友人たちは、ドロドロになりそうな顔面に歯止めをかけるべく化粧室に駆け込むだろうし、数人の子供たちからは、「ジュース、ママー、ジュース、ママー」とジュースとママコールが起こることは必至だ。

素早く料理担当者・Yさんに、「こどもが来ます」と伝える。

「なるほど!OKです」と笑顔で対応してくれるYさん。
そのYさんの爽やかな笑顔は、暑い夏に対面しようとも、頭上に澄み渡った青空を、背景にヒマワリを携えていることだろう。

「花嫁の立場は、料理を食べちゃいけないんでしょうか? 私、食い意地はってるんです」

そう私が言うと、「なるほど! OKです。もしも、がっついて食べていたら『お客様!! いけませんお客様!!』って中央で叫びますから」とYさん。

パーティーの準備に少々疲れていた私は、このひと笑いに救われた思いだった。

結婚式では、いろんな人が新郎新婦を祝うために出席する。
改めて祝われる側は、自分がどれほど幸せな環境に身をおいているのか実感するらしいのだが、私も例外ではなく、始まる前からそれがわかるような気がしている。

あとは、決して型にはまっている美しいだけのパーティーにならぬよう、私が率先して料理にがっつくことである。

そう思う。

一生に一度の、願わくば。


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