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世の中は意外と適当に動いているなと感じた話

クソ暑い日々における私の密かな戦い

普段は外出時にショルダーバッグを愛用しているのだが、気温が上がった夏の日々は別である。

この季節は身体にまとわりつくものがとにかく鬱陶しい。立ってるだけで汗が吹き出すところにショルダーバッグが密着すると、不快なことこの上ない。ズボンに巻きつけるベルトも家に帰って外す時に、こもった熱がムワッと解放される空気感がなんだか嫌だ。

そのため、この季節はいかにして手ぶらに近い状態にできるかで頭を悩ませている。F1マシーンが軽さと馬力の狭間でもがいているように、男もまた快適性と収納力の間で揺れているのである。

なので、手ぶらで颯爽と歩いている男性を街中で見かけると思わず注目してしまう。観察の結果、スリム化の肝はスマホへの機能集約であることが分かった。電子マネーやポイントカード機能を詰め込んで財布やカード入れを不要にすると、スマホと家の鍵だけポケットに突っ込めば外に出られるようになる。

そういえば、私のウエストサイズが最近成長中なので、ベルトがなくても腰の骨でズボンはとまるかもしれない。身体はスリムからかけ離れつつあるが、どうやら持ち物はスリムにできそうである。

残すは雨が降りそうな日の傘の扱いだけなのだが、人類がこれだけ長い歴史を積み上げても進化がないツールなので、サッサと降伏して折り畳み傘を持つことにした。

今年の自由研究のテーマが「折り畳み傘のスマートな携帯方法」に決まった瞬間である。

なぜ最近のSNSではフォローを重視しなくなったのか

Noteもそうだが、最近はフォロワーからの発信内容だけではなく、アルゴリズムでおすすめされる人の投稿内容も流れてくる。

なんでこんな仕様なんだろうと思っていたが、最近ようやく合点がいった。面倒くさがりの人はフォローしている人間の入れ替えをしていないのだ。つまり、フォローしている人間の顔ぶれが、時間の経過とともにその人の最先端の興味関心とズレていくのだ。

いくら高性能のAIでも、間違った学習データを食わせればトンチンカンな回答を返してしまう。「最近タイムラインに流れてくる情報が面白くないなぁ」と思った時、いちいちフォローする人間の整理をしなくてはいけないとなると、面倒くさくなってSNSから離れてしまうかもしれない。

SNS上には相手に認知を促す営業目的でフォローを繰り返す人間もいるはずで、そういった人からしてもフォロー相手とタイムライン(=自分の情報収集)が切り離されているのはありがたいだろう。

運営の人たちも「これをもとにシステムを回していたらアカン」と気づいて、フォローを重視しない方向に舵を切ったのではないかとみている。

Facebookが下火になったのはこのあたりに原因がありそうだ。たまに覗くとライフステージが変わった情報が見れるのはいいのだが、フレンド以外の情報が流れてこないので、タイムラインが陳腐化するのである。

保険が新製品の普及を助ける話

ワイヤレスイヤホンが有線のイヤホンを駆逐しつつある。携帯ショップで買い求めた時に「当店はワイヤレスしか取り扱っていません」と言われた時、「時代はついにここまできたか」と思った。

ワイヤレスイヤホンはコードが絡まらないという利点はあるが、無くしやすいという欠点もある。AirPodを前に使っていたがポロッと片耳からこぼれ落ち、線路に落ちてしまって1万5千円をパーにしたのはつい最近の話だ。

まあまあ大きなデメリットだと思うのだが、ショップの棚を占拠してしまうほどに勢力拡大しているのは一体どういうわけだろう。

疑問はすぐに解けた。紛失時の交換補償がついたワイヤレスイヤホンが発売されていたのだ。紛失を避ける工夫はサッサと諦めて、失くしても痛手にならない方向へ舵を切ることで問題解決を図る。保険の考え方が普及を後押しする好例である。

会社帰りにYouTubeを聴きながらカレーうどんを食べつつそんなことを考えていると、私の片耳からポロッとこぼれたイヤホンが、ものの見事にカレーうどんにダイブした。

内心ギャッと叫びながら、すぐさま救い上げて付着したカレーを拭う。その後耳につけてみると、問題なく音が聞こえる。紛失はカバーしてくれるが、故障となると話はまた別だ。高価なだけに肝が冷える。

デメリットに目を瞑って突き進む場面が世の中には意外に多い。パワーバランスとか社会的な空気がまずあり、そこに保険など少しの理由づけが加わると影響力のある大手が動き出す。

この場合、付け合わせになる理由では全ての懸念点を解消する必要はなくて、偉い人に「いってみよう!」と決断させるのに十分であれば良いのだ。

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