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優しさを配れる人に

大人になって風邪を引いた。咽頭炎だ。
喉の腫れ、発熱38.4〜39.1°、頭痛、鼻の粘膜の乾燥、関節痛、全身の痛み(首から背中)、息切れ、歩行困難、食欲不振、鼻水、咳だ。辛かった。無論、みんなも気をつけて欲しい。

病院にかからないといけないので一歩一歩足を引きづりながら、呼吸と整えて膝に手をついたり、時には道路脇に座り込んだりして病院に向かった。

住んでいる場所は人通りもあるし、通勤時間や混雑時間を避けてゆったりしたお昼頃に出て行った。子連れ、20代、30代、40代などなど様々な人達とすれ違った。

その中でも大丈夫ですか?と声を掛けられたりは一回もなかった。本当に辛くて駅まで普通に歩けば10分で着くのに30分以上かけて歩く。
階段も手すりに捕まり、一段一段登って降りる。

すれ違う人は見て見ぬふり。気付いているけど他人だから関係ない。お前なんてどうでもいいと言われている気がした。いやそう感じた。目は口ほどに物を言う。

私が男だから助けてもらえなかったのか?
もし私が細くて綺麗な女性なら、あの冷酷な目線が優しい眼差しに変わっていたのかも。

もし私が高齢者だったら、手を貸してくれる人は居るのだろうか。考えるのは止めよう、見た目で人は判断する。辛いのも苦しいのも伝わりづらいし、たとえ分かっていたとしても他人は他人でそこに助ける義務なんてない。人は残酷なんだから期待なんかしない。損得勘定さ。


でも、もし私が辛そうな人を見かけたら、私は急いでいても手を差し伸べたい。他人は他人でも1人の人間だから。自分が辛かったから辛い思いは当事者が戦うしかないのだけれど、それを支えてくれる人の存在は闘う『力』をくれる。安心できる。辛いけど頑張ろうと思える。

綺麗事と言われようが心を無くした人間より美しく生きようと思う。そしてそういう人達とこれからを生きていきたい。

優しい心を配れる人に、私はなりたい。

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