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満員電車

今朝の出勤時間、電車が満員だった。
私の正面には、まだ朝だというのに額に油を浮き上がらせた、太ったおじさん、そして背後には、女子高生。車内が押しくら饅頭化する中、私はその二人に挟まれていた。

太ったおじさんは、少し臭いもするし、衣服が触れているのも嫌だなと思っていた。
だが、ふと意識を背後に切り替えてみると、私の太ももとふくらはぎの後ろ側が女子高生と触れていることに気づいた。

汚いおじさんの成分と綺麗な女子高生の成分が私の体の中で混ざり合い、中和されていた。

その時はそんなアホなことしか考えていなかったが、後になって考え直してみて、気がついたことがある。

女子高生から見て私はおじさんなのだ。
私はまだ30代前半なので、私の意識では、汚いおじさんと綺麗な女子高生の中間ににあるプレーンな人間の認識でいた。
だが、30代は女子高生からしたら間違いなくおじさんだろう。
汚いと思われていたかは分からないが、綺麗だとは思われていないだろう。

汚いおじさんには謝らなければならい。
このまま年を取れば私も汚いおじさんになるのだ。あなたは私の未来なのだ。

汚いおじさんと女子高生のおかげで、一つ目標ができた。
私は綺麗なおじさんを目指そう。


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