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塩野七生「日本人へ」 危機を甦生に
文・塩野七生(作家・在イタリア)
帰国して日本にいると、やはり面白いことに出会う。「桜を見る会」もその一例。参院の予算委員会での田村智子議員の、質問を重ねることでの追及ぶりは見事だった。
まず、この種の席ではありがちな感情的なところは少しもなく、声も荒らげずに理路整然と追及するところがよい。しかも、首相がそれに答えるやただちに別の角度から球を投げてくる論法に至っては、この人、文章が書けるな
説明と、納得と、限界と
昨日の話で、宮城さんがもしワックスの拭き取りの効果を事前に説明していたらどうだったろうかという質問があった。確かに事前に反復する行為の具体的な意味を知っておくと、本人にしても意識をしやすい。具体的な技術の使用イメージがあれば、より習得も早まるし正確に覚えられる。
本人が理解できるなら説明してからトレーニングを行うに越したことはない。だから基本は常に指導者は聞かれれば答えられなければならない。ただ
【立花隆「知の巨人」の素顔】「サル学の現在」“ゴム人間”のように柔らかく|山極壽一
文・山極壽一(霊長類学・人類学者)
山極氏
「飲むことも取材だ」
立花さんと初めてお会いしたのは、1986年のことです。僕がまだ愛知県犬山市の日本モンキーセンターのリサーチフェローを務めていた当時、『サル学の現在』の取材のために、立花さんがわざわざ訪ねて来てくれました。
この本の帯に「サルを知らずして、ヒトは語れない」とありましたが、おそらくサルの同性愛に「人間学としてのサル学」の大事なヒン