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デザインスプリントで意思決定の速いチームができた話

こんにちは!ミクシィでデザイナーをしているえんあかです😃現在、CHAROPという新規SNSアプリのチームで主にUI/UXデザインをしております。3人でスタートしたCHAROPですが、現在は5人までメンバーが増えました✨

プロジェクト開始と共にチームが結成され約1年半。日々思うこと、それはサービスに関する意思決定が速いチームになってきているなということです🚅💨しかもただ決めるのが速いだけという訳ではありません。その上で仕様の手戻りもほぼ発生していないのです✨

「それってメンバーがPO(プロジェクトオーナー)の言うことに従ってるだけじゃないの?」とか「メンバーが受け身なだけじゃないの?」とか思われるかもしれませんが、決してそういうわけではありません。

言いたいことはメンバー全員発言しますし、もちろん議論することもあります。ただ、それが長時間に渡ることはほぼなく、大体の議論は数分で終わります。そして重要なのが、全メンバーがその意思決定に納得しているということです。また、全員で議論し決定していることなので、後で仕様の戻しも発生することはありません。

なぜこのようなチームを構築できたのか、それに大きく貢献しているのが、デザインスプリントだと思います。CHAROPではプロダクトデザインのフレームワークとしてデザインスプリントを採用し、プロジェクトの立ち上げ初期から、コンセプトの検証、直近の施策検討や、新メンバー追加など、様々なタイミングで実施してきました。

そこで今回は、チームの意思決定の速いチームを創ったデザインスプリントのメリットを紹介したいと思います。

そもそもデザインスプリントって何?

デザインスプリントとはGoogle Venturesが提唱している、プロダクトやサービスのアイデア創造からプロタイピング、ユーザーテスト、評価までをたった5日間で終わらせるプロセスです。

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デザインスプリントとは?
・プロダクトデザインのための柔軟なフレームワークである。
・「理解>発散>決定>プロトタイプ>テスト」の5つのフェーズから構成される。このプロセスを5日間に集中してやる。
・実際のユーザーからの意見を元に、限られた時間の中で協力してデザインを繰り返す。比較的短い時間で成果を上げることができる。
・人々が望んでいるものを作りだす確率を高めることに有効である。

5日間で次に作るものが決まる。しかもそれは参加者の合意が得られている。さらにテストもしてるから大きく外れることはないだろう。
上記の成果が5日間で得られると考えると大分コスパよくないですか?
CHAROPではチーム発足初期から導入していて、特に短時間でプロダクトの確度を高めたいという新規プロジェクトにはとても適したフレームワークだなと思います💪

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チームの意思決定に時間がかかる原因は?

そもそも意思決定に時間がかかる原因として以下が挙げられるのではないでしょうか。

・意思決定者に判断してもらうのに時間がかかる
この施策を実施するのは、プロジェクトオーナー(PO)の承認を得て、その上の部長の承認を得て、そして.....。こんな感じで結局上が決めないと動けないというトップダウンなパターンは時間がかかりますよね。

・明確な裏付けがないから、どの施策が確度が高いのか判断できない
検討している施策に明確な裏付けがなく仮説でしかないので、実際に成功するのか不安が残りすぐに判断できない。これならイケる!っていう決め手に欠けるため、だれもそれを強く後押しできない。

・各メンバーが目指しているベクトルが揃っていない
開発の途中で「この機能って何でやるんでしたっけ?」という質問が飛び、一から背景や概要を説明し直す。その都度、認識合わせに時間を割くのは本当にもったいない。それぞれがプロジェクト成功に向かって同じベクトルを向いていないと気持ちも揃わないですよね。

・意見を言う時や相談するときに躊躇してしまう
「大した意見じゃないから言っても参考にならないかな...」とか、「ちょっと迷ってることがあるけど、相談に時間を割いてもらうは申し訳ないかな...」とか、発言や相談を躊躇することはありませんか?しかし、そのときに感じた懸念点が後で大きな問題になることも。

比較的どのチームでもあるあるだと思う上記の問題ですが、デザインスプリントを使って解決しましょう🎊✨



メリット1:デザインスプリント内で意思決定をしてしまう

なぜ、意思決定が速いのか。それは単純にデザインスプリント内で全部決めてしまうからです。

例えば私たちのチームでは、MVP(Minimum Viable Product:必要最低限の機能のみのシンプルな製品)の機能を最初のデザインスプリントで決めました。
デザインスプリントではユーザーの課題を理解し、その課題を解決する理想的なユーザーストーリーを作ってきます。その理想的なストーリーに必要不可欠な機能だけをリストアップしていけば、MVPの機能リストの完成です。
他の機能はそれ以降のアップデートに回そう、という判断がその場でできます。

私たちのチームでは3ヶ月から〜半年先ぐらいまでのやることをデザインスプリントで決めています。大きな意思決定はデザインスプリント内で終わっているので、あとは詳細を詰めて開発するだけ。なので、開発期間に入ってからは何かを決めるためのMTGはほぼないです。

これを実現するために1点だけ重要なのが、必ずデザインスプリントにプロジェクトの意思決定者を参加させることです。意思決定者の参加が難しい場合は、決まったことを実施することに関しての許可を貰っておきましょう。「決まったことを後から上に通したらダメって言われた」では何の意味もありません。私たちのチームは少人数でチームに意思決定の裁量が与えられていたため、ここが容易に実現できました。


メリット2:デザインプロセスの明確なフォーマットがある

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デザインスプリントにはやるべきことが構造化されたフォーマットがあります。そのフォーマットに従って進めることで、ユーザーの行動や思考に基づいたアウトプットが創造でき、その検証まで行えます。結果、人々が望んでいるものを作りだす確率を高めることができます。
さらに、アウトプットまで至るプロセスもそのアウトプットの正当性を裏付ける根拠となるため、意思決定に納得感が持てます。

また、デザインスプリントは、短期間でプロダクトの精度を上げるために生まれたフレームワークであり、明確に各ワークの作業時間も決められています。人は期限を決めるなどのプレッシャーを受けると、脳が活性化され、その時間内に成果を出そうと通常以上に集中します。

時間をかければ良い意思決定ができるのか、そうではない場合も多いと思います。決まったフォーマットを使い、限られた時間の中で良いアウトプットを出すことだけに集中する。そして、意思決定も時間内に行う。このプレッシャー環境が全員のパフォーマンスを最大化し、デザインスプリント内で意思決定まで完了することができるのではないかと思います。


メリット3:検証までのプロセスを全員で進めることで、アウトプットに納得感が持てる

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私がデザインスプリント最大のメリットだと思っている点がこれです。チームメンバー全員が同じプロセスを通り、その都度全員の合意を得て次へ進んで行くので、そのアウトプットは自分が決めたものだと全員が感じることができます。

意思決定に時間がかかる要因として挙げた「各メンバーが目指しているベクトルが揃っていない」、こういった状況になる場合に多いのが、自分がその決定に関与していない、または興味がないパターンではないかと思います。

人から「こういう経緯でこの施策やるから」って聞くのと、自分が会議に参加して決めたこと、どっちが頭に残るでしょうか?興味のない施策の背景まで積極的に理解しようとするでしょうか?デザインスプリントにチーム全員を参加させることで、チームの認識やベクトルが揃い、さらにメンバーがサービスを自分ごと化することができます。

また、デザインスプリント内で懸念点なども全員で議論し尽くしているため、仕様の手戻りが少ないのも大きなメリットです。たとえ、開発フェーズで機能の詳細などの議論になっても、全員に同じ共通認識とユーザーストーリーが頭にあるので、結論に着地するのはとても速いです。


メリット4:なんでも言い合える関係性を構築できる

私達のチームでは、新メンバーが増えた場合にもデザインスプリントを必ず実施しています。新メンバーも含めてデザインスプリントを実施する目的の一つは、サービスの全体像を知ってもらい、意思決定に参加することでサービスを自分ごと化してもらうこと。そしてもう一つ重要な目的が、何でも言い合える関係性を築くことです。

デザインスプリントでは数日間一緒に同じワークをし、みんなで同じ課題の解決策を探っていきます。新メンバーは「新参者がこんなこと言って大丈夫かな?」と発言を躊躇してしまいがちです。特に少人数のチームは始めにフラットに話せる関係性を築けないと、既存メンバーとの温度差が生じたり、ベクトルが揃わなくなりがちです。

デザインスプリントを通して、新メンバーも自分の意見を発言し議論に参加することで、フラットに意見を受け入れてもらえるという安心感が生まれます。その結果、終わってからも気になったことがあったらその都度メンバーに気軽に発言できるようになります。

またデザインスプリント中は一緒にランチに行き、最終日にはみんなで打ち上げをします🍶仕事で見せる一面だけでなく、プライベートな部分も見せ合うことで、お互いの人となりがより分かり、気軽に話しやすい関係を築きやすくなります。


デザインスプリントはこんなチームにおすすめ

最後にまとめとしてデザインスプリントはこんな課題感のあるチームにおすすめです。意思決定スピードが速くなると思いますよ👌

・何を根拠に意思決定したらいいか迷うことが多い。
・意見がまとまらない、ぶつかることが多い。

・メンバー間でサービスの知識量や温度感に差がある。
・メンバーがサービスを自分ごと化できていない。
・デザインや仕様の巻き戻しが多い。

そこまで大人数のチームでもないのになかなかスピードが出ない。手戻りが多い。そんなチームはぜひ試してみてください✨


デザインスプリントをやってみよう!

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しかしながら、実際に実施するとしてチームメンバー全員のスケジュールを5日間も押さえるともなると結構ハードル高いですよね...。
なので、私たちのチームでは2日間にぎゅっと縮めた短縮版デザインスプリントという形で実施しています。次の記事ではその2日間デザインスプリントのアジェンダを紹介しようと考えています😘

🔽第2弾の記事も公開しておりますのでぜひ🔽


他にも週1日、1ヶ月ぐらいかけて実施する方法や、午前中だけその作業に当てるなど1日の時間を決める方法など、取り入れ方は色々あります。自分たちのチームにあった方法でぜひ始めてみましょう。(とはいえ集中して一気にやった方がやはり効率は良いです👌)

長文を読んでいただきありがとうございました😋


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